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「なぜあなたは働いているの?」働く大人、10人に聞いてみた。

2018.03.02

日本のため 仲間、お客様のため 家族のため 自分の幸福のため

「なぜあなたは働いているの?」働く大人、10人に聞いてみた。

福戸輝明/ABC-MART・SV(スーパーバイザー)

「入社当時は『自分のため』でしたが、結婚して家族ができ、仲間やお客様に支えられ今の自分があることに感謝するようになり、今では『家族・仲間・お客様のため』に働いています。今ではSVとして活躍するフィールドが広くなり、私が直接会うことのない仲間やお客様、そしてそのご家族が幸せになれることを考え、大きく言えば『日本のために』巡り巡ってそれは自分の幸せとなって還ってくることを15年かけて知りました。私は2001年デザイン専門卒生でしたが、希望の就職に叶わず2年半の就職浪人を経験した、就職氷河期のいわゆるロスジェネ世代です。ある夜間勤務バイトの仮眠の際に、亡くなった祖母が夢に出てきました。祖母は私には何も言わず、生前の稼業であった洋裁を一心不乱に行っていました。その日は丁度お彼岸の日でした。目が覚めて『仕事を選ばず、一心不乱になれる職場を受けよう』と心に決めました。ABC-MARTは私が採用されたように、学歴や職歴を重要な選考軸にはせず、強い気持ちと行動と反省が出来れば、活躍の場を与えてくれる会社であり、生来のプロフェッショナルはほぼ存在せず、OJTで叩き上げるスタイルが主流です。店舗での役割は『売上・管理・育成』の3つに大きく分類されますが、弊社は特に『売上』を注力して伸びてきた企業であると思います。店舗数も1000店舗を越えようとする今、『管理・育成』面での問題点が見えています。売上を追いかけると同時に、我々はそれらに対しもっと勉強しなくてはならず、新しいABC-MARTを全員でクリエイトする経験ができます。近江商人に倣い『売り手よし・買い手よし・世間よし』の『三方よし』を実現させる。また、その分野での叩き上げのプロフェッショナルになる事が私の夢です」

好きなものを応援するための力が欲しかったから。

「なぜあなたは働いているの?」働く大人、10人に聞いてみた。

河地真里/某レコード会社新人発掘担当

「元々ライブやステージ、舞台が好きだったので、それに関わる仕事がしたい、というのは前から思っていました。大学生の時からライブハウスでバイトしていたのですが、そこでたくさん新人バンドと出会って、もっとみんなを売り出していきたい!と思うようになって。大学卒業してからはライブハウスでブッキングやフリーペーパーを作ったりしてたのですが『このバンドめっちゃ良いんですよ』って言っても、届く距離は友達程度でしかないのが悔しかった。たまたま音楽関係の偉い人に会ってオススメしても、私自身がただのフリーターだから説得力がない。じゃあ私が力をつけたら、言葉に説得力が出るんじゃないかと思っていたら、運良く今の会社の新人発掘の部署に繋がることができたんです。メジャーな会社なので、そこの新人発掘担当が良い!って言うのだからそれはきっと良い音楽だろうって、思ってもらえるんじゃないかなって。
小学生の時から好きなものを他の人がわかってくれない、知らないっていうことがよくあったので、この立場になれた今、これからは私が見つけた好きなものをもっと多くの人に届けたいです。具体的な目標でいうと、わたしが関わったアーティストがどんな形でも良いから映画になってほしいです。シーンの一部に使われたり、音楽のドキュメンタリーになったり、何かしらの形で映画として残ってほしいって思っています」

好きな人に会うため

「なぜあなたは働いているの?」働く大人、10人に聞いてみた。

横山マサト/フォトグラファー

「まず写真を仕事として選んだ理由は、『早い』。絵を描くにしても、映画を作るにしてもとにかく時間をかけてひとつのものを作り上げるって、それも凄く素晴らしい事だと思うんですけど、写真ってのは0.1秒以下で完成できるわけじゃないですか?パシャって。しかも人差し指1本でできる、その速さと手軽さが良い! 0.1秒以下でできる芸術っていうのが僕の中では全てなんです。昔、映画の照明部だった時に3ヶ月拘束されて1本の映画を作っていたんですけど、飽き性なので、まぁ飽きるんですよね。その3ヶ月の間にいろんなことがあって、それから編集して1年半とかして映画が劇場公開される、そこまでして作る映画も達成感はあるし、映画館に行って最後のエンドロールに自分の名前載ってるのは感動の瞬間なんですけど、写真は自分で監督もできて自分で撮影もできて照明もできて、しかもそれが0.1秒以下終われる。それが好きです。なので、映画より写真の方が自分の性格的に合ってるのかな?っていうのがいまの仕事をしている理由ですかね。写真をやっていたら好きな音楽、アーティストのジャケ写とかも撮れるようになるし、自分が好きなクリエーター、アーティストとか俳優・女優さんとか、そういう人にもただ単純に会えますし。しかもそれを自分で撮影できるなんて、こんなに良い職業ないと思う! 撮る人との関係性によって写真が変わっていくのも好きです。家族の写真なんて絶対にその人しか撮れない、他の人が撮る家族写真とは違うから、凄い素の笑顔が撮れると思うんですよね。今後の夢は、アーティストの中で一番好きなポール・マッカートニーに会うこと! そして撮ることです」

私にしかできない事で社会にインパクトを与えるため。

「なぜあなたは働いているの?」働く大人、10人に聞いてみた。

上野有彩/Shopify・エバンジェリスト

「今の会社に入った経由としては、LinkedInというビジネス特化型のソーシャルメディアに登録していたら、その会社の人が私のプロフィールを見て連絡してくれた事がきっかけでした。聞いてみると、起業家に必要なものを全てサポートするツールがある会社で、日本の立ち上げチームとして入ってくれる人を探しているとのことでした。ご縁もあり、今はそこの日本人の第一号社員として去年の4月から勤めています。ここでは個人の方も大手企業も最短でその日から簡単にECサイトをスタートできるという魅力があり、最近はオンラインショップから店舗の運営などの物の販売に関わる全てのことをサポートするツールを提供しています。以前は、海外で働きたいという理由で転職していました。それぞれ業界が違いましたが、私しかできないことで誰かに良い影響を与えていきたい、ということを常に考えてきました。人生の中で多くの時間を費やす仕事は、自分に価値を見出せることをやりたいなと思っていて。前の会社もその時は本当に一番だと思ってやっていたんですが、私しかできないことが何なのかがわかりませんでした。今となってわかることは、良いものを誰かに広める。特にそれが、海外と日本を繋ぐようなものであれば、私の価値が見出せると思ったんです。それに気付くまでは、海外で働くために求人をひたすら調べて、実際にどんな仕事があるのかをただ黙々とリサーチしていました。でも経験する中で、まずは東京でたくさんの人と繋がって、その後に海外に出ようかなって考えに至ったんです。いつか死ぬんだったらとりあえず今出来ることは全部することにしました。
今の目標は、今の会社を日本で大きくすること。誰かが何気なくビジネスを始めたい時に、”起業”と聞くとまだまだ難しく聞こえるかもしれませんが、それが当たり前に、簡単にできるような時代になったその時に、私たちが提供しているものが必要なツールとして認知されるように、日本人の人が使いやすいサービスにしていきたいなと思っています」

尊敬する人たちにちょっとでも追いつきたいから

「なぜあなたは働いているの?」働く大人、10人に聞いてみた。

花元洵/映像ディレクター

「子供の頃から周りは自分のしたいこと仕事にしてる人たちが多くて、それが当たり前だと思ってました。でも、実際に学校を卒業して仕事についたら、思いの外やりたいことをやりきるのは難しいことに気付いたんです。僕の場合、運良く映像の仕事につけたは良いけど、実際に作りたい映像とその時作っていたものが結構違ってて。もちろん間違いではないしいろんな捉え方があるけど、自分が感じてるものとは違った。そこで初めて自分の当たり前が意外とそうじゃないことを実感すると同時に、改めて周りの人への尊敬の気持ちが芽生えたんです。その人たちのライフスタイルを追いかけるじゃないですけど、そういう人たちが身を削って築いてきた”生き様”を、同じようにで歩んでいきたいと思うようになりました。僕が尊敬してる人たちって、音楽とか似たようなジャンルで活動してる人たちは多いんですが、映像をやってる人はいなかったんですよ。同じジャンルで競いたくないっていうのもあったけど、自分はなにが得意だろうと思った時に元々やってた映像を仕事にしてみようかなって。最初は尊敬してる人たちを超えたいと思ってましたが、今となっては尊敬しあえる関係を築いていきたいと思ってます。実現しきれてないところもありますが、少しずつやれるようになりたいです。最近は自分の色が少し分かってきた瞬間がたまにあるので、クリエイターとしてはそういうところをもっと形にしていきたいですね。僕のツールは映像だから『この作品って彼らしいよね』って思ってもらえるように、自分の持ち味を発揮していきたいです」

あなたが働く理由は、何にしたいですか?

これから何十年も働いていく中、辛いことも楽しいこともたくさんあると思います。その中で本当に自分が仕事にやりがいを持って取り組んでいけるよう、この機会に「なぜ働くのか」を考えてみてはどうでしょうか? もしかすると、今まで見つけられなかった「働く理由」が見えてくるかもしれません。

PHOTO:Yuko Yoshida

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