靴の素材として用いられる合皮
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本革との違いは?合成皮革の靴の取り扱い方

2017.03.22

バッグやソファ、服などに用いられる、本革よりも割安で扱いやすい合皮。最近では、本革との区別が難しいほど質の良いものもあり、汚れに強くお手入れが簡単な合皮はさまざまな場所で活用されています。染色がしやすく加工しやすいという特長があるため、ファッションアイテムとしても広く活用されています。
今回は、そんな合皮の取り扱い方や、本革との違いについてご紹介します。

合皮とは

本革との違いは?合成皮革の靴の取り扱い方

合皮とは、本革に似せた人工の革を指します。
合皮には人工皮革と合成皮革があり、人工皮革は牛や豚などから得られる革を人工的に再現すべく、コラーゲンの持つ繊維の構造と似た不織布(マイクロファイバーベース)に合成樹脂を染み込ませたものです。
一方合成皮革は、布を下地とし、その表面に合成樹脂をぬって作られます。見た目は本革のように見えますが、内部までは加工されてないため、本革のような感触はありません。

合皮のメリットは汚れや傷みに強く、特別に手入れをする必要がないことです。また耐久性が高く撥水(はっすい)性もあることから、自動車のシートやバッグ、財布、ソファ、靴など、あらゆる場面で使用されています。
本革よりも安価なものというイメージもありますが、現在の合皮は見た目の印象だけでは区別がつかないほど精巧に作られています。

本革との違い

本革との違いは?合成皮革の靴の取り扱い方

本革と合皮は、動物の革を使用している点と人工的に作られている点で大きな違いがあります。そして合皮には、本革のような独特の匂いがありません。表面の小さなしわが見られる模様も、合皮に比べると本革はより不規則であり、質感も本革の方がしっとりとしています。

素材として本革を選ぶ最大のメリットは、「経年変化を楽しむ」という点にあるでしょう。経年変化とは、年月を経ることで材質が変化していく現象のことを指します。本革の靴や財布は、大切にお手入れしながら使い続けることで色が変化し、独特の味わいが現れます。合成樹脂加工である合皮には、このような経年変化は現れません。

そして合皮は、加工されている表面部に関しては耐久性が強いものの、本革に比べると劣化しやすく、数年で傷みが生じます。本革は合皮に比べると、定期的なメンテナンスが必要である一方、長持ちさせることができます。同じものをずっと愛用したいという人には本革がおすすめですが、頻繁に使用するものは、表面の耐久性が高い合皮を選ぶのも良いでしょう。

合皮の取り扱い方

最後に、合皮製の靴の手入れ法と注意点についてご紹介します。
合皮性の靴の寿命はおよそ2~3年ほどで、お手入れを続けた本革製と比べると寿命が短い傾向にあります。しかし合皮は、普段のお手入れはとても簡単。
まず、簡単にホコリをブラッシングした後、少し濡らしたタオルで拭いていきます。タオルは必ず固く絞ったものを使用し、強くこするとシミになる可能性があるため、力を入れ過ぎないように注意しましょう。どうしても取れない汚れがある場合は、中性洗剤で優しくこすってみてください。

特に汚れがひどい場合はクリーナーを使用するのもおすすめです。靴の表面に、指で弧を描くようにくるくると回しながらクリームを塗り込んでいきます。合皮の靴は撥水(はっすい)作用があるため、特別に防水スプレーを振る必要はありません。

しかし表面に樹脂がぬられているタイプの合皮は、表面が削れてしまうとそこからひび割れを起こして劣化を早めてしまいます。小さな傷を見つけたら、早めに修理しておきましょう。

本革と合皮には、それぞれメリット面とデメリット面が存在します。人工製の合皮は安価なものが多い上に、手入れもあまり必要ない一方、寿命は短く、劣化が本革に比べて早いという特徴があります。
一方、本革は寿命も長く、年を経るごとに質感や風味が増していきます。しかし価格は高いものが多く、入念な手入れが欠かせません。本革製にするのか、合皮製にするのか、特徴を把握した上、用途に応じて素材を選ぶと良いでしょう。

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