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授業がはじまる前の『0時間体育』での運動が、脳に与える好影響とは

2017.07.09

突然ですが、皆さん、何かスポーツをされていますか? 忙しい毎日を過ごしていると、つい、運動不足になりがち。それではダメだと慌てて体を動かすと、意外に気分がリフレッシュできたり、体が軽くなったりと、思わぬ効果を感じたことはないでしょうか。
皆さんがスポーツをするなら、どんな時間帯に行っていますか? 朝は体が重たいので午後から、日中は日差しが強いので夕方、もしくは夜型体質なので夜にスポーツをするといった方もいらっしゃるかもしれませんね。そんなスポーツを行う時間について、様々な実験により、意外な効果が確認されていることをご存じでしょうか。

高校生の成績が上がった『0時間体育』とは?

実は、アメリカ・イリノイ州のとある学区が、『0時間体育』を導入しました。『0時間体育』とは聞き慣れない言葉ですね。この意味は、読んでその字のごとく、『授業の前に運動を行う』というもの。1限目の授業の前に受けるので、それなりに早い時間帯であることは想像できますが、これが生徒たちに好影響を与えたのです。この『0時間体育』に参加することで、生徒の成績が向上。しかも、『0時間体育』の直後の1限目の教科が、成績が顕著に上がったのです。これは一体どういうことでしょう。

書籍『脳を鍛えるには運動しかない』(ジョン J・レイティ、エリック・ヘイガーマン NHK出版)は、脳と運動との関係を分析した専門書。

そんな同書では、この『0時間体育』が詳しく紹介されています。シカゴにあるネーパーヴィル・セントラル高校で取り入れられた『0時間体育』はこのように行われます。

まず生徒たちは朝7時過ぎに集合。もちろん体育教師も既に準備万端。私たちでいう、学生時代の朝練習のような感覚ですね。体育教師がその日のメニューを指示すると、生徒たちがそれに従います。ここでは『0時間体育』のメニューとして、ランニングが紹介されています。

ランニングと言っても、ただ、やみくもに走るわけではありませんし、また、誰かと競争することもありません。生徒たちがトラックを走ることは間違いありませんが、皆、心拍計を装着。その心拍計を見ながら平均心拍数を185以上にあげることを目標として走るのです。

ですので、走り終わる時間は、皆それぞれ。当然、速い生徒も遅い生徒もいます。一方先生は、のんびり走っている生徒を叱り飛ばすことはありません。なにせ、平均心拍数を185以上にあげることを目標としているので、そこさえクリアすればOKなのです。生徒にはそれぞれの能力があるので、タイムが違って当然。見た目のスピードや順位は、ここではそう大きな問題ではないのです。あくまで、その生徒自身の心拍数が上がるかどうかに、こだわっているのです。

授業がはじまる前の『0時間体育』での運動が、脳に与える好影響とは

運動が脳に与える影響とは

なぜ同校ではこのような0時間体育を取り入れるのでしょうか。その理由が同書にあります。

近年の研究によって、運動が生物学的変化を引き起こし、脳のニューロンを結びつけることがわかったからだ。脳が学習するには、そうした結びつきが作られなければならない。逆に言えば、脳はそのように新しい結びつきを作れるからこそ、変化に対応できるのだ。神経科学者がこのプロセスについて探究するうちに、運動がなによりの刺激となって、脳は学習の準備をし、意欲をもち、その能力を高めることがわかってきた。とくに有酸素運動は『適応』に劇的な効果を及ぼす。

(『脳を鍛えるには運動しかない』、ジョン J. レイティ・エリック.ヘイガーマン、NHK出版 【2009/3/20】、ISBN-10: 4140813539、ISBN-13: 978-4140813539)

運動を取り入れることで、脳にも良い影響を与えることが近年わかりつつあるのです。では、実際にこの運動を授業前に取り入れたネーパーヴィル・セントラル高校では、どのような効果が得られたのでしょうか。

学期の最後に行われたリテラシー力(読み書き)と理解力のテストでは、普通の体育のみの参加の生徒は成績が10.7%向上。一方で、『0時間体育』を取り入れた生徒は17%もの伸びをみせたのです。

それだけではありません。同校の生徒が世界の約23万人が参加するTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)でも好成績を残すことに(1999年)。当時、アメリカの生徒はこれらの教科で日本をはじめ他国よりも成績が劣っていました。しかし、同校の生徒は数学で世界6位、理科では世界1位という好成績をおさめたのです。これは素晴らしい結果です。

授業がはじまる前の『0時間体育』での運動が、脳に与える好影響とは

これまで、ボンヤリと『運動は身体に良い』と認識はしていましたが、脳にも良い影響を与えるなんて嬉しいですね。大事な会議やプレゼン、テストがある時は、『0時間体育』を取り入れて、この有酸素運動の恩恵を受けてみてはいかがでしょうか。

もちろん、無理をして体調を崩しては本末転倒。程良い付加を体に与えることで、脳の活性化を目指してみましょう。

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