実物“呪いのわら人形”展示で「写真OKでも撮れない…」の声、『マジカル・アジア』を見逃さない!!
東京・上野の東京国立博物館で、とある“展示物”がネットを中心に大きな話題を集めています。その展示物とは、憎い相手を呪うために作られる“呪いのわら人形”。しかも、このわら人形は釘が打ち付けられた状態で、実際に使用されたものだというのです。これは、東京国立博物館に展示される、国内外の貴重な文化財の数々にも決して引けをとらない“他にはない貴重さ”がありそうです。
そんな呪いのわら人形はどんなものか、ネットの反応は? 更に、わら人形が展示されているイベントについて調べてみました!
呪いのわら人形を見た人も、まだ見ていない人もザワザワ…
現在、東京国立博物館・東洋館に展示中の呪いのわら人形こと『呪咀人形』。10月15日(日)まで開催中の『マジカル・アジア』というイベントにおける、展示物の目玉のひとつになっています。
この呪咀人形は、イベント開催前から大きな話題を呼び、主にイベントのチラシの写真を見た人たちの間で、Twitter上がザワつきました。
「ネット越しに見ただけでもヤバそう」
「インパクトありすぎ」
「展示しちゃっていいの?」
そしてイベントが始まると、実際に呪咀人形を見た人々がツイッターに感想を投稿しています。
「写真OKでも撮れない…」
「写真の3倍は怖い」
「釘が刺さったまま!!」
図録がフルカラー500円。これにもびっくり。今まで買った美術展の図録は2500円とか3000円が普通だったから。あと、展示物を撮影可能なのにも驚いた。目玉?の呪いの藁人形。あれを保存した学芸員さんは凄い。 >>マジカル・アジア pic.twitter.com/gXnsYY6ruY
— せんり (@MsSenri) 2017年9月18日
など、実物を前にした多くの声が寄せられました。いわくのありそうなこの人形は、いつどこで見つかったものなのでしょうか…?
上野で実際に使われた呪いのわら人形
この呪咀人形は1877年(明治10年)、上野公園のイチョウの樹に打ちつけてあったものを、当時の帝室博物館の職員が資料として採集したものです。
1089ブログ(東京国立博物館の公式ブログ)によると、現状では6本の釘が確認できるものの、釘は7本刺さっていたという記録が残っているのだとか。では、もう1本はどこへ……?
憎い相手を呪うために、わら人形を五寸釘で木に打ち付ける、いわゆる“丑の刻参り”は、7日で満願とされているので、願いが叶ったということを意味しているのでしょうか。その真意のほどは、この人形を作り、木に打ち付けた方のみが知るミステリーです。
魔除け・呪い……アジアの不思議が満載!
マジカル・アジアは、呪咀人形のほかにも見どころが盛りだくさん! アジア各地の吉祥、魔除け、呪いなど、目に見えない不思議なパワーにまつわる様々な作品を紹介しています。
同イベントは、“マジカル”をテーマにした3つの特集で構成されています。各特集の展示物の目玉をご紹介していきましょう。
(1)チベットの仏像と密教の世界 (東洋館12室、~2017年10月15日(日)まで)
この像は17~18世紀、中国・清時代のヴァジュラバイラヴァ父母仏立像。父母仏とは、男女が抱擁する姿の仏像のこと。この2人から他の仏が生まれると考えられていました。チベット密教は、仏教の最終形態といわれていて、見る者を圧倒する特異な姿の仏像が信仰を集めていたそうです。
(2)アジアの祈り(東洋館13室、~2017年10月15日(日)まで)
呪咀人形は、この特集の展示物です。呪術や迷信、民間信仰にまつわるアジア美術のひとつとして展示されています。写真の『肖像頭蓋骨』は、亡くなった首長の頭蓋骨に霊魂が宿ると考えられ、生前の姿を再現したものです。
こちらは、19世紀の中国・清時代の銭剣。銅のお金をひもで結び付けて剣にしました。“妖怪キョンシーを退治する道具として有名”とのことなので、子どもの頃キョンシーに熱狂した世代には必見です。
(2)唐三彩 (東洋館5室、~2018年2月4日(日)まで)
こちらの三彩鎮墓獣は、7~8世紀の中国・唐時代のもの。唐の貴人の墓におさめられた人面と獣面のコンビ。恐ろしい形相でお墓の守り神として鎮座していたのでしょう。このほかも、手厚い埋葬が流行した唐の時代の“三彩”を中心に展示しています。
3つの特集のほかにも、見ごたえのある様々な“マジカル”な展示物があります。
来世における再生を信じ、肉体をミイラにして保存した古代エジプト人。遥か昔、確かに実在していた人物のミイラからは、不思議なパワーを感じざるを得ません。
こちらの眼の偶像は、シリアのテル・ブラクにて出土。紀元前3800~前3600年頃、北メソポタミアの神殿に奉納された小像です。見つめることで呪いをかける魔力・邪視を遠ざける効果があったとされているそうです。見つめられるだけで呪われるなんて…。
研究員によるマジカル・アジアへの想い
1089ブログでは、研究員の方によるマジカル・アジアへの想いが語られています。
「マジック」と聞くと、手品ショーを思い浮かべるかもしれませんが、 ここでは魔術、呪術、不思議な力という意味の「マジック/magic」です。
魔術となると、今度は怪しげな呪術師の世界を想像してしまいますが、 実は私たちの日常にも「マジカル」な振る舞いは存在します。
(中略)
健康を維持し、災厄から身を守ろうとするとき、特に、現在のような形で科学や医学の知識が広まっていない社会の人々にとっては、「マジック」が必要不可欠かつ現実的な手立てでした。
東洋館に展示されている作品の多くには、アジアの人々の「マジカル」な願いと行為が込められています。
医学や科学が発達した今の時代でも、一種の“マジカル”的な想いは残っているので、このイベントに心惹かれる方も多いのでは。
写真を見るだけでは伝わらない迫力を感じたい! という方は、10月15日(日)まで東京国立博物館で開催中の『マジカル・アジア』に出かけてみませんか。
INFO /
博物館でアジアの旅『マジカル・アジア』 開催概要
期間…2017 年 9 月 5 日(火)~ 10 月 15 日(日)開館時間…9:30~17:00
※金・土曜日は 21:00 まで
※入館は閉館の 30 分前まで
休館日…月曜日
※ただし10 月 9 日(月・祝)は開館
観覧料…一般 620 円(520 円)/大学生 410 円(310 円)
※( )内は 20 名以上の団体料金
※高校生以下、および満 18 歳未満と満 70 歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください
※障がい者とその介護者 1 名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください
※特別展は別途観覧料が必要