〈スニーカーで通勤する、あの人の朝の過ごし方 vol.1〉アパレルPR・平沼久幸さんの一日を自分らしく過ごすルーティーンとファッション
2017年10月からスポーツ庁がスタートさせた、歩くことを楽しく、健康的なものにしようという取り組み『FUN+WALK PROJECT』。DOORでは、施策のひとつであるスニーカー通勤に着目し、スニーカーでカジュアルに通勤しているさまざまな職業のひとに朝の時間の使い方や通勤時のこだわり、日々のルーティーン、通勤ファッションなどについてインタビューしていきます。今回は、F/CE.®、so far、ROOTなどのアパレルPRとして働く平沼久幸さんへインタビュー。数ブランドの担当を掛け持ちする多忙の毎日で、オン/オフの切り替え方や、気持ちの上げ方、整え方を伺いました。
実は目覚ましをかけたことがないんです
——早速、“朝について”お話を伺っていきたいと思います。まず、朝は何時に起きていますか?
僕、実は目覚ましをかけたことがないんです。前日の夜に飲んでもピタッと起きるように体内時計が整ってて、8時までには必ず目が覚めます。毎日寝る前には自分にプレッシャーをかけてるから(笑)、遅刻もしないですね。
——すごい(笑)。起きてからの朝のルーティーンはどうしていますか?
まず、シャワーを浴びます。夜もお風呂に入るんですけど、朝のシャワーは欠かさないですね。代謝が良いから寝汗をスッキリさせたいのと、リンパ節に温かいシャワーをあてることで、流れを良くする意味もあって。次に朝ごはん。食べるものはパンだったり、その日によって変わりますが、甘いものを絶対に取り入れるようにしています。前職がハードワークすぎて、毎日タクシー通勤だったんですけど、車の中で朝ごはんを食べながら血糖値を上げておいて、職場に着いたらすぐに仕事!っていう毎日だったせいかもしれません。
——着いた瞬間にもう、切り替えられるんですね。
出勤するまでの朝の時間は、自分の時間として考えています。仕事の準備というよりは、自分を整えるためにギリギリまで使っているので、仕事モードにはパッと切り替えられますね。
INFO/取材協力:GORILLA COFFEE 渋谷店
住所:東京都渋谷区神南1-20-17 1F・2F
TEL:03-5784-2747
営業時間:平日/7:30~22:00 土日祝日/10:00~22:00
定休日:不定休
公式サイト
通勤はその日のファッションに合わせて自転車かバスで
東京の通勤電車の空気がどうも苦手で(笑)、今は自転車かバスで通勤しています。ここ7、8年は電車で通勤をしていないですね。
——東京での通勤で、バスを選ぶのは意外ですね。
バスは電車に比べて景色が見えるし、座りやすいんですよね。割と職場に近い場所に住んでいるので、電車を使ったほうが逆に遠回りなんです。自転車だと小道に回れたりもするので、そっちのほうが速いときもあるし。
——自転車とバスをどのように使い分けているんですか?
起きたときの気分で決めるときが多いかもしれません。それに、服やシューズに合わせるときもあります。特にスニーカーは、アクティブな気分のときに選ぶので「じゃあ今日は自転車にしようかな」とか。パンツのシルエットやコートの長さによっては、自転車だと動きづらいときもあるので、バスを選んでます。
——ファッションによって通勤手段が変わるのは、平沼さんらしいですね。必ず身に付けるものはあるんですか?
お尻の右ポケットに、毎日違うバンダナを入れています。こういう仕事をしてると、何十枚と持っているので、気分で柄や色を決めて。手を拭いたりするのにも使えるし。イタリアの人がスカーフを持ち歩いているように、アメカジ出身の人だったら、結構持ってる人いるんじゃないかな。チラっと見せて主張したいというか。
——確かにスカーフは見かけたことはありましたが、バンダナは初めて聞きました。ちなみに、通勤で何かエピソードはあったりしますか?
そういえば、この間道端でおばあちゃんを助けました。突然仰向けに倒れちゃったからびっくりして。幸い脈があったので、救急車を呼んで、遅刻覚悟で付き添うことにしたんですけど、結局周りの人たちも手伝ってくれて出勤には間に合いましたね。
——人を助けて遅刻って、かっこいい!
でも自分からは言えないですよね。証明するものもないから、「それ嘘だろ」って言われちゃうだろうし。今ここで初めて言いました(笑)。
1日は、スニーカーで一歩踏み出すことから始まる
——バンダナのお話を聞いていると、ワンポイントでの気分の上げ方がオシャレだなと思いました。ファッション全体で変化を出したり、こだわったりすることはないんですか?
全体的なこだわりはそこまでないんですけど、パンツに対してバンダナやシューズなどの小物の色は被らないようにしてますね。
——スニーカーの選び方にこだわりはあるんですか?
履き心地を一番重視しています。『ヴァンズ(VANS)』だったら、ウルトラクラッシュかプロを選ぶことが多いですね。中敷きにクッション性があって、踏み出しやすいんです。気に入ったものであれば、履き心地にかかわらず買うこともありますね。でも、やっぱり見たことがないモデルに惹かれちゃうかな(笑)。
——その気持ち、わかります。人と違うものを選びたくなっちゃいますよね。
ファッションの業界にいると、シューズってやっぱり注目するし、されるんですよね。時計・アクセサリー・スニーカーとか、小物のほうが話題になりやすい気がするなあ。ちなみに、販売だとヴィンテージのスニーカーはNGなんですよ。先輩に「ソールが黒いのなんて履いてくるな」って言われたこともあって。だから、いつも消しゴム持ってました。
——消しゴム、ですか?
バックヤードにあるダンボールなんかに擦れちゃうと、スニーカーのソールってすぐに黒ずんじゃうんですよ。だから店頭に出る前に、消しゴムで擦ってはこまめにヨゴレを取ってました。
——そんな涙ぐましい努力が(笑)。最後に、スニーカーの魅力ってどんなところにあると思いますか?
やっぱり、「一歩踏み出しやすいところ」ですかね。レザーのシューズだと、カチッとした場面に行くだとか意識をしっかり持たないといけないけど、スニーカーだとその日その時の気分のまま、軽いフットワークでどこへでも行けるところが好きですね。
慌ただしい毎日のなかで朝に自分の時間をしっかり作り、日々変わる気分に合わせてファッションを選ぶ平沼さん。「今の気持ちのままに動き出せる」ようにと、スニーカーを選ぶ理由からも自分らしさ大切にしている姿勢がにじみ出ていました。たまの休みで羽根を伸ばすのも楽しいですが、好きな格好や移動手段、スニーカーで小さな“気持ちよさ”を日々積み重ねることも忘れずにいたいですね。
この日の自転車通勤スタイル
ベレー帽:mountain research
コート:neuterm
パーカー:quarter gray
パンツ:F/CE.®
ソックス:坩堝 x I&ME
スニーカー:VANS
グローブ:F/CE.® ※プリントはカスタム
バッグ:F/CE.®