
BLUE LUGスタッフに聞くサイクリングのススメ!街乗りや通勤におすすめの自転車×ファッション×ヴァンズ
コロナ禍におけるライフスタイルと移動手段の変化から需要が高まっている自転車! さらに暖かくなる春に向けて、通勤&通学を目的に自転車を購入する方や、乗らずに放置していた自転車のメンテナンスをする方が増えています。そこで今回は東京の人気バイシクルショップ『BLUE LUG』幡ヶ谷店のスタッフが、街乗りにおすすめの自転車やファッションをご紹介。さらに、自転車乗りとの相性が抜群な『ヴァンズ(VANS)』の新作スリッポン〈ヴァンズ BMX スリッポン バイ ダコタ・ローシュ(Vans BMX Slip-On by Dakota Roche)〉の履き心地を体感してもらいました。
ライフスタイルと遊び心をさまざまな形で表現するショップ
東京を代表するバイシクルショップ・BLUE LUGは2006年にオンラインストアとしてスタートし、翌年には路面店をオープン。その後は独自のセレクトが人気を呼び、さらに2000年代後半から巻き起こったストリート界隈での自転車ブームも追い風となって急成長。独自のコネクションを日本中・世界中と築き、多種多様な自転車はもちろん、パーツ・アパレル・バッグ・雑貨などの豊富さは東京でも群を抜いています。
現在ではバイシクルショップの3店舗(幡ヶ谷店、上馬店、代々木公園店)に加えて、飲食店の『LUG HATAGAYA』、カスタムペイントショップの『COOK PAINT WORKS』、さらに昨年には『HUB』という名の床屋もオープン! 自転車乗りのライフスタイルと自分たちの遊び心をさまざまな形で表現するショップとして支持されています。
今回訪れたのは、BLUE LUGの中で最も歴史のある幡ヶ谷店。そしてレクチャー役を務めるのは、自転車の専門学校を卒業後に入社し、高校生のときに三味線を引いていたことからニックネームが付いたというシャミさん(4年目)と、大阪の自転車ショップ勤務後に上京し、知人の繋がりもあって仲間入りしたダイチさん(1年目)。ふたりは同じ25歳で、仕事でもプライベートでも多くの時間を共有している仲です。




片道10km圏内をリラックスしたポジションで乗れる自転車
さまざまな自転車とグッズをそろえるBLUE LUGには、これまでも自転車を買うのが初めてのお客さんは多かったそうですが、昨今の情勢からその数は急増中!
シャミ「最近は通勤を電車から自転車に切り替えている方が多く、その方たちが都内の片道10km圏内をリラックスしたポジションで乗れるような自転車を多く組んでいますね。あとは、家で放置していた自転車を引っ張り出して修理する方も増えました」
“日常生活に溶け込む自転車”はBLUE LUGの強み。加えておふたりがここ最近で特に心掛けているのは、「専門的になりすぎずに提案すること」だといいます。
左:ダイチさん 右:シャミさん
ダイチ「お客さんとの会話の中にヒントがあることも多いです。話しているうちに自分に合った自転車が決まってきたり、逆に欲しいと思っていた自転車が自分のライフスタイルに合っていないことがわかったりすることもあるので。その人に合った自転車を知るために、まずはしっかりとお客さんにヒアリングしますね」
最近の傾向では、初めてのスポーツ自転車を選ぶ場合にシンプルな見た目を好む方が多く、中でもよく選ばれるのは変速機がない“シングルギア”の自転車。
シャミ「BLUELUGがオリジナルで展開している<フェアウェザー(FAIRWEATHER)>というブランドはフレームが細くて見た目もシンプルですし、通勤10km圏内で乗る方にはおすすめです。あとやや攻めた自転車に乗りたい方は、ニューヨークに拠点を置いている<アフィニティーサイクルズ(AFFINITY CYCLES)>をぜひ。こちらもシングルギアですが、『Lo Pro(ロープロ)』と呼ばれるモデルはハンドルに向かって前下がりのフレームが特徴で、ストリート系のインパクトのある見た目に惹かれる方が多いです」
ダイチ「自転車に楽に乗りたい方は、前傾姿勢になるドロップハンドルよりもフラットなハンドルの方が乗りやすいので、まずはそれで乗ってみて自分に合った方向性を決めていくのがいいかと。あと自転車に乗るときに荷物を極力持ちたくないという方は、自転車にバッグやラックを付けるカスタムをすると移動中も楽ですよ」
〈BIKE CHECK〉シャミさん
【AFFINITY CYCLES】Lo Pro
シャミ「入社2年目に組んだので2019年ぐらいから乗っていて、最初に組んだときからほぼ同じ形ですが、フォークだけカーボンに変えています。特に気に入っているのは、フレームは前下がりだけどハンドルは手前に戻っているところ。意外とこのポジションがいい塩梅で疲れすぎず、なおかつスピードもしっかり出る。雨が降っているときや刺激のある自転車に乗りたいとき以外は、暖かくなってからはほぼこれですね」

〈BIKE CHECK〉ダイチさん
【MASH】MASH STEEL
ダイチ「このフレームが発売されたのが2020年の秋ぐらいで、日本でピストバイクを流行らせたといっても過言ではないMASHというクルーが作っている自転車です。太めのタイヤを履かせることもできるのですが、僕は街乗りでスピードを出せる仕様にしたかったので細めのタイヤに。カラーは3色ありますが、グリーンは入荷も少なかったかと。全体的にパーツはすべてアメリカのブランドで統一して組みました」

春は体温調整がしやすいファッション&パンツの裾に注意!
サイクリング初心者にとって自転車選びと同様に難しいのが、自転車に乗る時のファッション。普段とは異なる動作をするサイクリング時にはそれに合った服装を選ぶのが大事で、加えて1日を通して気候や気温の変化が激しい春は注意が必要です。
シャミ「春のサイクリングは、日中は暑くなってくる一方で夜は急に冷えたりするので、アウターはプルオーバーではなくフルジップにするなど、体温調節がしやすい方がいいかと。あと僕はよくキャップを被るのですが、風が強い時には飛ばされたりするので、被ると防寒にもなるフード付きのウェアをよく着ますね。あとお客さんからは『通勤で汗をかく時期には着替えを持っていく』という話もよく聞きます」
さらに、自転車乗りのファッションにおける注意事項として挙げられるのがパンツです。剥き出しのチェーンに裾が触れない&絡まないように対策することはマスト!
ダイチ「細めのパンツを履くのはひとつの手ですが、毎日自転車に乗ることを考えると『ディッキーズ(Dickies)』のようなタフなパンツの方が良かったりもするので、その場合は裾をロールアップするか、靴下の中に入れるなどする。あと通勤はスーツなのでロールアップできないという方は、アンクルバンドを付けるといいですよ」
シューズ選びは形&ソールの厚さ&ペダルとの相性がポイント
自転車乗りのファッションにおいてもうひとつ重要なのがシューズ。自転車によってフラットペダル、ペダルとシューズを固定するトゥークリップペダルなど違いはありますが、シューズの形やソールの厚さ、アッパーの素材感などポイントがいくつかあります。
ダイチ「僕はスニーカーをそれほど買い替えるタイプではなくて、長く履くことで柔らかくしてなじませることが多いですが、その中でも重要視するのはシューズおよびソールの厚さ。トゥークリップを装着している場合、厚すぎると入らなかったり、逆に薄いとホールド感がなかったりするので。あと極力ひもはない方がいいですね。あと表面は急な雨で濡れるときもあるので、ある程度の防水性はあった方がいいと思います」
シャミ「いろいろなスニーカーを履いて自転車に乗ってきましたが、お世辞抜きで個人的に自転車に乗る時に調子がいいスニーカーはヴァンズ。ソールの分厚さもちょうど良くて、どのペダルとも相性がいいと思います。逆にNGなのは革靴やヒール。あと物にもよりますがハイカットのシューズは足首の動きを邪魔してしまうので、そういう意味ではローカットのシューズの方がペダルを漕ぎやすいかと思います」
ヴァンズが初めて“Waffle cup”を搭載した新作スリッポン
そんなおふたりに今回履いてもらったのが、Vans BMXのチームライダーである<ダコタ・ローシュ>のシグネチャーモデルであり、ヴァンズが初めて“Wafflecup”を搭載したスリッポン<ヴァンズ BMX スリッポン バイ ダコタ・ローシュ>。
ライディング時のグリップ感は確保しつつ、トゥークリップペダルの際は足の抜き差しが容易に。さらにインソールは厚く&アウトソールは薄くすることで、ペダルの感覚を足の裏でしっかりと感じられるのも特徴です。加えてアッパーのヌバックは擦れても劣化しづらく、アンダーレイには耐久性のある”DURACAP”、つま先にはゴム製のラバーを施しているため、自転車に毎日乗るサイクリストでも安心のタフさが魅力。
デザインとしてはブラックとホワイトのツートーンはどんなコーデにも合わせやすく、発色のいいカラーのソックスと合わせるのも良さそう。そして、アートセンスに長けたダコタのオリジナル・ドローイングがヒールとタンに落とし込まれています。
ダイチ「自転車に乗っているときに身体が触れる部分はハンドルとサドルとペダルだけなので、その3点はしっかりと自分に合ったアイテムを使うことが大事。特に足は力が一番掛かるので、その意味でもスニーカー選びはすごく重要ですね。それとスリッポンはバッグに入れてもそれほどかさばらないと思うので、スーツで通勤する方は自転車に乗るときだけスリッポンを履いて、会社で履き替えるのもいいと思います」
シャミ「クリップに足を入れたときのホールド感がかなり良かったですし、今までのヴァンズよりも足の出し入れがしやすかった。ソールもちょうどいい厚さと固さで、つま先のラバーやアッパーのヌバックもガシガシ乗る自転車乗りにはありがたいですね」
暖かくなる春は絶好のサイクリング・シーズンなので、これまで自転車に乗らなかった方も、しばらく乗っていなかった方も始めるなら今! お気に入りの自転車を手に入れ、サイクリングに合ったファッション&シューズで街に走り出せば、これまで見えてこなかった景色や、感じることのなかった香りがあなたの五感を刺激するでしょう。
INFO / 取材協力:BLUE LUG HATAGAYA
住所 / 渋谷区幡ヶ谷2-32-3
TEL / 03-6662-5042
営業時間 / 12時 – 19時
定休日 / 火曜日, 水曜日(祝日の場合 翌日)
公式サイト/ https://bluelug.com/
interview&text by ラスカル
photo by kohichi ogasahara