“コーヒーは足元から!”のバリスタソックスが可愛い! おしゃれコーヒー店『COFFEE SUPREME』
2017年、渋谷区神山町に日本初出店したニュージーランドのコーヒーショップ『COFFEE SUPREME Tokyo(コーヒー スプリーム トウキョウ)』。カフェ激戦区の渋谷のなかでも一線を画したマイペースな雰囲気に惹かれて、COFFEE SUPREME JAPAN代表取締役社長の松本浩樹さんに会いに行きました。スタッフの9割が『ヴァンズ(VANS)』か『コンバース(CONVERSE)』のオールスター<ALLSTAR>を愛用していて、主力商品は“コーヒーがもたらすコミュニケーション”という『COFFEE SUPREME Tokyo』、彼らのコーヒーへのスタンスや働くスタイルには、日常を少し楽しくするヒントがありました。
コーヒーカルチャーに壁は無い。“コーヒーは足元から”バリスタソックス
ニュージーランドの首都ウェリントンで1993年に誕生した『COFFEE SUPREME』。現在は、ウェリントン本店のほか、オーストラリアのメルボルンとブリスベン、渋谷でカフェを展開しています。
いわゆる“喫茶店のコーヒー”は苦味のある深煎りで、それに慣れている日本人が浅煎りコーヒーを飲むと酸っぱく感じることも。でも、『COFFEE SUPREME Tokyo』のコーヒーは中浅煎りで、フルーティーな豆の味を抵抗なく楽しめます。また、ニュージーランド発祥のフラットホワイトは、カフェラテよりもミルクの量が少なく、ミルクとコーヒーの味をバランス良く味わうことができる人気メニュー。
『COFFEE SUPREME』の特徴のひとつが、マグカップ・トートバッグ・Tシャツ・靴下などのユニークなオリジナルアイテムたち。マグカップの底に“BACK TO WORK”、“SAME AGAIN?”などチャーミングな一言が書いてあったり、バリスタ専用ソックスをつくったり……。こんなユニークなアイテムをつくりはじめたきっかけを、松本さんに聞きました。
「『COFFEE SUPREME』のグッズは、朝食や休憩時間、会議中や読書中など、コーヒーを飲む様々なシチュエーションで使われることを意識してつくっています。
例えば、ワインや香水などの香りを表現するときに使われる“note”という単語は、コーヒーの香りを表す時にも使われています。そのnoteにメモ帳のnoteをかけてコーヒーのテイスティングを書きこむノートと鉛筆をつくったり、スタッフが好きなスケボーをテーマにTシャツをつくったり。
靴下は、“美味しい珈琲を入れるには、足元のお洒落は欠かせない。バリスタは、足元のお洒落を忘れると全てが台無しになる。 足元に気を使わないと、アンバランスな酸味・口当たりの悪さ・ぼやけたラテアートといった平凡な一杯になる。そこで、世界一のバリスタソックスクリエイターからの提案です”っていうジョークからはじまって、これまでに4種類の靴下を販売しました」
バリスタソックスには、『ISSA(International Speciality Socks Association)』という、COFFEE SUPREMEのつくった架空の“国際靴下組織”のロゴが入っていて、ISSA認定バリスタソックスと銘打って販売されています。
バリスタの世界大会があったときは、ニュージーランドのバリスタ代表Dove氏とエアロプレス代表Lee氏を応援するため、『Dove&Lee』と書かれたプロエディションチェッカーフラッグ柄バリスタソックスが販売されたそう。ちなみに、『ISSA』は、『SCA(Specialty Coffee Association)』という実際のスペシャルティコーヒー組織をもじったもの。愛嬌のあるジョークがすてき。
「スペシャルなコーヒーを入れています! 美味しいです! と主張するよりも、コーヒーの敷居を下げて、多くの人に僕たちのカルチャーを楽しんでもらいたい。コーヒーカルチャーへの入り口はいろいろあって良くて、“靴下かわいい”が来店の動機になってもいいと思うんです。ただ“Coffee”って描いてある靴下をつくってもツマラナイので、そこは全力で遊び心のあるデザインにして僕たちの表現を入れています」
バリスタ直伝、バリスタソックス履きこなし術
赤白ボーダーのバリスタソックスは、コーディネートのポイントになりそう。松本さんとバリスタの小杉さんに、バリスタソックスのおすすめコーディネートを聞きました。
「今日はリーバイス501とムーンスターのシューズライクポタリーです。靴下が派手なので靴は黒にしました。COFFEE SUPREMEは、ニュージーランドのスタッフも含めてスケートやストリートカルチャーを好きな人が多くて、9割はヴァンズかコンバースを履いています。バリスタソックスに合わせる最強の1足を選ぶなら、ヴァンズのオールドスクール<OLD SKOOL>のネイビーですね」(松本さん)
「僕は、古着のパンツにヴァンズのエラ プロ<ERA PRO>です。スケボーをするのでソールの厚いエラ プロなんですが、これはソールがオフホワイトで気に入っています。ヴァンズはクラッシックな格好よさがあって、“スニーカースニーカー”している感じが好きです。僕は、ヴァンズで歩いている人を見ると、ラバーソールの色をチェックするくらい、ソールの色にうるさいです」(小杉さん)
自然と調和して生きる? ニュージーランドの朝事情
最後に、現在もニュージーランドで暮らす松本さんに、ニュージーランドのコーヒー事情を聞きました。
「ニュージーランドのカフェは基本的に7~16時で開いています。向こうの人は、暗くなったら寝て、太陽がのぼったら起きる……自然と調和して生きていますね(笑)。朝外食の文化が発達していて、様々なカフェからその日の気分で朝食を食べる店を選べます。
向こうは深煎りコーヒーはほとんどなくて、浅煎りか中浅煎りのコーヒーとトーストを食べながら新聞を読むのがポピュラーな朝時間です」
最近の『COFFEE SUPREME Tokyo』の主力商品は、コーヒーがもたらす会話やホスピタリティーなど、人とつながる体験にあると話す松本さん。今回、取材に応じてくれた小杉さんもオーストラリアで暮らしていた経験があり、オセアニアのコーヒー事情やスケボーに詳しくて会話が楽しい!
コーヒーの多様性を伝える手段はいろいろありますが、『COFFEE SUPREME』のように遊び心のあるメッセージがあると、コーヒーをもっと楽しめそう。大人が真面目に楽しいことを追求して成果を出す……こんなユーモラスな仕事のスタンス、ちょっと真似してみたくなりませんか?
INFO / 取材協力:Coffee Supreme
住所 / 東京都渋谷区神山町42-3-1F
営業時間 / 8:00~18:00
公式サイト / instagram / facebook / オンラインストア
INTERVIEW / TEXT:石川歩