
“街にも馴染む”トレッキングシューズ、「ダナーフィールド ロー」。写真家・根本絵梨子さん「仕事に趣味に愛用したい!」
「あの人、素敵」。東京では、思わず振り返ってしまう人と出会うことがある。どんな活動をしているの? どんなシューズを履いてるの?……。DOORでは、そんな「素敵なあの人」にインタビュー。今回話を聞いたのは、写真家・根本絵梨子さん。仕事柄、機能重視のアウトドアシューズを履くことが多いという彼女が最近気になっていたという、機能派でありながらもクラシックなデザインがおしゃれに映えるダナーフィールド ロー<DANNER FIELD LOW>。先日開催された写真展「Tramping Te Araroa and more!」を訪れ、実際に着用してもらった感想も聞いてみました。
“瞬間”に集中できる。だからフィルムで撮る
2023年の年末から年をまたいで70日間、ニュージーランドでのトランピング(泊まりがけのハイキング)にて1,400km歩いたときに出会った景色や人々を、フィルムカメラで切り撮った写真展「Tramping Te Araroa and more!」。大きな窓から駒沢公園の自然を見下ろす穏やかな空間で、写真家・根本絵梨子さんの旅の軌跡を感じることができました。写真を眺めているうちに、まるで旅をしているような感覚にーー。
――とても素敵な写真ですね!
「今までは、風景の写真が多かったんです。でも今回は、実際に出会った人たちも撮影させてもらいました。写真を見てくれる人が実際に旅しているような気分になるような、より想像力をかきたてられるような、そんな写真展にしたかったんです」
――老若男女、さまざまな出会いがあったのですね。
「80代のハイカーのおじいちゃんもいました。ニュージーランドのロングトレイル『テアラロア』は全長3,000kmほどの道のりですが、『95歳までに歩けたらいいな』と、少しずつ歩いているそうです。ニュージーランドのローカルの方々は、テアラロアを一気に歩くというよりも、何年もかけて少しずつ歩くという人も多いんです。いろんな国の人と出会いました。野生の動物もたくさん。シカやヤギ、鳥は本当に色々な種類のものに出会いましたよ」
――根本さんは、ずっと山の写真を撮っているのですか?
「もともとは、ファッション系の撮影を多くしていました。山に登り始めたのは2015年で、ちょうど10年になります。最初は趣味で始めたんですが、2016年に独立して自分の時間ができてから、もっと山の写真を撮りためたいと思うようになり、山に通うようになりました。2017年の夏には山小屋で働いたのですが、そのときに今回持っていったハッセルブラッド(フィルムカメラ)を買ったんです。そこから風景を撮影し、自分でプリントすることを始めました」
――ファッションから風景の写真に移行されたのには、何か気持ちの変化が?
「私は群馬出身で、子どもの頃からよく山に行っていました。根本的に自然が好きなんだと思います。でも、自分ではそれに気づいてなくて、ファッションの写真を撮りたいという思いで上京しました。忙しく働くうちに、『リセットしたい』『癒されたい』と思うようになり、ふと『山に行きたい』と思うようになったんです。最初は幼なじみに誘われて山に行って、写真を撮りに行くという感じでもなかったんですけどね。
私はいつでもどこでもカメラを持っていきます。最初は山には、コンパクトなフィルムカメラを持っていっていました。独立して山に行く回数が増えるにつれて、『こんなに美しい風景の写真を、ちゃんとしたカメラで撮りたい』という気持ちが芽生えて。仕事にできたらいいなと思いつつ、とにかくたくさんの写真を撮っていました」
――写真家になったきっかけを教えてください。
「ずっとカメラが好きでした。大学生のとき、建築の写真を撮る機会が多かったんです。ちょうどそのときフィルムカメラブームで、トイカメラを買いました。その姿を見た写真好きの父が『それ、フィルムカメラなの?』と興味を示してくれて。すると、ゴソゴソと箱を持ってきて、その中にはカメラがいっぱい入っていたんです。ああ、そういえば父もカメラ好きだったな、と思い出したんです。父とはよく山にもに行っていて、そのときに撮影した写真が家にたくさん飾ってあって、それを眺めるのが好きでした」
――写真好きはお父さん譲りなんですね!
「はい。父親が『このカメラ、使ってみなよ』と、一眼レフのフィルムカメラを貸してくれました。そうしてら、もう全然トイカメラとは映りが違って、それでハマりましたね! そんな私を見て、父がさらにいいカメラを貸してくれて……。どんどんのめり込んでいきました」
――根本さんが考える、フィルムカメラの魅力は?
「写真を『撮っているとき』が一番好きなんです。編集などいろいろな工程があると思いますが、やっぱり撮る瞬間が一番楽しい。フィルムカメラで撮影するときは、フィルムの枚数が限られているのでかなり集中します。現像が上がってきたときのワクワク感も、たまらないんです。タイムラグがあってもう一回撮影した瞬間に戻れるのも、すごく楽しいんです」
――フィルムだからこその趣きもありますね。
「父親が貸してくれた当時のカメラの写りが、本当にすばらしくて。今使っているフィルムカメラは『ハッセルブラッド』というものなんですが、本当に写りがきれいなんです。風景は影と光のコントラストが強いことも多く、デジタルではなかなか映りきらないこともあるんです。ハッセルブラッドだと、陰影が強くてもちゃんと写っていて、その場の湿度感や空気感までも映し出しているように感じます。まさに目で見たままが写っている感覚で、風景の細かい描写が、とても美しいんです」
クラシックで機能派。念願の『ダナーフィールド ロー』
――「ダナーフィールド ロー」を履いてみた感想を教えてください。
「ずっと気になっていた靴なんです。クラッシックなデザインなのに、アウトドアでも使えるところが素敵だなと思って。私、何でもクラシックなものが好きなんです。山の道具も機能性を重視して新しいものを買ったりしますが、古い道具もつい集めてしまいます。カメラも古いものが好きです。だから、この『ダナーフィールド ロー』のクラシックなデザインに惹かれました」
――履き心地はどうですか?
「革だから最初は硬いかなと思ったら、履くとすぐ自分の足になじみました。ほかの革靴よりも、なじむのが早かった気がします。ニュージーランドの方々は、山登りのときにクラシックな革靴のトレッキングシューズを履いている人も多くて。普通の靴だと、すぐ破れてしまうんですよね。川で濡れたり泥の中に入ったりするので、どんどん劣化してしまうんです。テアラロアを歩いているときに、履いていた靴が2日で破れてしまったことがあって……。しっかりとしたクラシックな革靴のトレッキングシューズをはいて川を渡るという、ニュージーランドの方々のスタイルには憧れますね」
――「ダナーフィールド ロー」はどんなシーンで履いてみたいですか?
「街での撮影のときですね! 私、持っている靴がスポーティーな仕様のものばかりなので『ダナーフィールド ロー』はオシャレに履けるのがいいですね。しかもゴアテックス搭載なので、雨の日でも安心して履けるのもうれしいです。あと私、『ビブラムソール』には、めっちゃ信頼を置いています(笑)。趣味のフライフィッシングにも履いていきたいです。クラシックなフィッシングベストにも、似合いそう!」
――ソールの張り替えもできるので、長く愛用していただくことができると思います!
「それはうれしいです。ずっと大切に履き続けていきたいと思います」
――普段のファッションも今日みたいな雰囲気が多いですか?
「そうですね、パンツを履くことが多いです。自転車にもよく乗るので、これからの季節は短パンで履くのもかわいいですよね。そうしたらラインソックスとか合わせたいですね」
また必ず、ニュージーランドで撮りたい
――今後、写真家として挑戦してみたいことはありますか?
「本当に行きたい山がいっぱいあるんですが……。今回の写真展の舞台となったニュージーランドには、また必ず行こうと思っています。ニュージーランドは本当にすばらしくて、街も近くにありながら山奥にも入っていけるんです。水がとてもきれいで、『レベルが違う!』と感じました。散歩程度のトレイルでも、すばらしい自然に出会えるんですよ」
――季節によっても、見える景色は全然違うんでしょうね。
「そうですね。次は、お花が咲く時期に行ってみたいです。山だけじゃなくて、街も楽しみたいなと思っています。最近は山ばっかりだったので……。でも街に行っても、結局はまた山へ行きたくなっちゃうんですけどね(笑)」
【撮影協力】
e2 gallery(イーツーギャラリー)
東京都世田谷区駒沢4-14-13 2F