キャンプ芸人・うしろシティ阿諏訪泰義が教える、ベランダや近所で楽しめる“プチアウトドア”&ファッション!
夏のアウトドア・レジャーの定番といえばキャンプ! 本格的なお泊まりキャンプだけでなく日帰り・デイキャンプも人気ですが、さらに気軽に&なかなか遠出のできない方でも、自宅のベランダや近所の公園などで楽しめるプチアウトドア(&キャンプ)が注目を集めています。ピクニック以上・デイキャンプ未満のコンパクトなスタイルで楽しむプチアウトドアは、キャンプ初心者でも真似しやすく、ちょっとした気分転換にオススメ。今回はお笑い界屈指のキャンプ芸人・うしろシティの阿諏訪泰義さんにプチアウトドアの魅力を教えてもらいました。
阿諏訪泰義(うしろシティ)
2009年に金子学と「うしろシティ」を結成。コンビ活動では「キングオブコント」で3回決勝進出を果たしている。近年は年に1回単独ライブの全国ツアーを行っており、今年も「うしろシティ第11回単独ライブ~できたてのバランス~」を11月末に開催予定。個人活動では趣味の「料理」「キャンプ」を生かしてテレビやラジオで活躍、2018年に「うしろシティ阿諏訪の簡単&絶品!キャンプ料理」(ぴあ)を刊行している。
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芸人になってからハマったキャンプは“秘密基地作り”
──まず、阿諏訪さんがアウトドアやキャンプを好きになったきっかけを教えてください。
子どもの頃は親に連れて行ってもらっていたのですが面白いとは思っていなくて、ハマり始めたのは芸人を始めてからです。最初は芸人仲間とレンタカーを借りて山に行って1泊するとか、よくあるベタなキャンプをしていました。「楽しいね!」ってみんな言うんですけど、俺はその10倍ぐらい楽しくて。それで「また行こう!」って誘うんですが、夏が終わるとみんな行かなくなって、結果的にひとりで行くようになったんですよね。それが20代中盤ぐらいです。
──アウトドア・アクティビティの中でもやっぱりメインはキャンプですか?
キャンプですね〜。やっぱ秘密基地作りといいますか、なかなか非日常な楽しみですね。「え!? 俺、今日ここで寝るの?」って思うとテンションが上がります。「ここはご飯を食べるところ、ここは寝るところ……」みたいな感じで、自分の基地を作っている感じがすごく楽しい。
──アウトドアで使う道具は徐々に集めていきましたか?
はい。最初はよくわからないのでAmazonのレビューで評価の高いものを買っていました。ただ少しずつこだわりも増えていって、海外のものや「京都のガレージブランドが作る〜」みたいなものまでチェックするようになって、徐々に自分の道具が決まっていきましたね。
──キャンプはひとりとみんな、どちらが多いですか?
まあその時々ですがどちらもですね。ひとりで行くとみんなで行きたくなるし、みんなで行くとひとりで行きたくなります。ただ僕はブッシュクラフト的なできるだけ現地のものを利用するスタイルが好きなので、一番良く行っていた頃は海沿いに行って、ポールなどは使わずに木で作って、魚を釣って、夕飯も現地で……っていうキャンプを頻繁にやっていましたね。
──これまでの思い出の中で、特に印象に残っている場所はありますか?
沖縄の無人島ですね。キャンプ仲間のヒロシさんやバイきんぐの西村さんとかと、3年前から毎年お正月に無人島キャンプをやっていて。元日から行ったり2日から行ったり、だいたい3泊4日とかなのですが、みんな無人島待ち合わせで集まるんですよ。無人島はもちろん何も買えないので、最初に買っていったものでその期間を過ごすのも楽しい。ここ最近は、毎年その無人島で仲間たちに「あけましておめでとうございます!」を言うので特に印象に残っています。
手軽な料理&ベランダや公園などでプチキャンプ
──阿諏訪さんはもともと料理人でレシピ本(「うしろシティ阿諏訪の簡単&絶品!キャンプ料理」)を出されていて、あと最近ではオンライン料理教室も好評ですね。
BS日テレの「極上!三ツ星キャンプ」という番組に出演する時はどちらかというと凝った料理ばかり作っているのですが、もともとは「この3つだけで作れる!」みたいな手軽に作れる料理が好きなので、今やっていることもその延長ですね。キャンプ場にいろいろな調味料だとかを持っていくのは大変なので、「インスタントで温めればできるものと野菜2つでできます!」というような感じで今はベランダキャンプとかもやっています。
──“プチアウトドア”なスタイルでのキャンプで定番の料理はありますか?
いろいろあるのですが、例えば昔はキャンプ場で「アヒージョ作るんですよ」って言うとすごく驚かれていろいろなところで作りましたが、今はもう「ああアヒージョですね」みたいな感じ。手軽に作れますし、キャンプでも定番化したんでしょうね。
──アウトドア&キャンプ初心者にオススメの楽しみ方はありますか?
今ってキャンプ場が平日でもけっこういっぱいなんですよね。あといろいろな事情でなかなか遠出ができない人は、ベランダがあればそこにテーブルやイスを出して、夕飯やちょっとしたおつまみなどを準備してプチキャンプみたいな感じでするのも手かなと。あとは混んでなければ近場の公園とか。外でご飯を食べるだけで気分はすごく変わるので、まずは簡単に楽しめる方法としてオススメです。
──このタイミングで料理を勉強したり、道具をそろえたりするのも良さそうですね。
確かに。あとはキャンプ技術を上げるとか。例えば紐の結び方を3種類ぐらい覚えておくとキャンプ場に行った時にすごく便利ですし、ほかにも火の起こし方とかも。今はYouTubeとかを見ればお金を掛けずに学べますし、昔と比べて情報はたくさんあるので、キャンプを始めやすい環境だと思いますよ。
──阿諏訪さん自身もYouTubeチャンネルを持っていますが、発信するに当たって日頃からキャンプ仲間の芸人さんたちと情報交換はしていますか?
しますね! やっぱり同じ趣味を持つ仲間たちとの情報交換が一番刺激になります。道具とかに関しても「そんなの絶対いらねーよ!」みたいなものが流行ったりするんですよ。例えばバイきんぐの西村さんが、お風呂を沸かす時に使うような火吹き棒を最初に持ってきた時はみんな笑ったんです。でも、今はみんな持ってますね。あとこの間は、じゅんいちダビッドソンさんがキャンプ用のドラム缶風呂を持ってきて。それもみんな笑ったんですけど……たぶんそれは誰も真似しないですね、ハハハ!
ソロ向きのミニマムな道具&アースカラーのファッション
──キャンプ初心者は最初にどういった道具からそろえたほうがいいでしょうか? あと阿諏訪さんがオススメする“プチアウトドア”道具があれば教えてください。
最初はイスとテーブルとテントぐらいじゃないでしょうか。今日持ってきたイスはネイチャーハイク(Naturehike)というブランドのフォールディングチェアです。こういうタイプのイスの中では対荷重が大きくて、足回りも頑丈にできている。あと値段もリーズナブルで、個人的に落ち着いたカラーも好きなのでオススメです。僕はリュックひとつで行くことがほとんどなので、なるべく道具もコンパクトがいい。そういう意味で小さく畳めるのは便利ですね。
こっちはファイヤーボックス(FIREBOX)というアメリカの会社が作っている焚き火台。これもコンパクトで、デザインもカッコ良くて、鉄も厚めなので壊れにくい。あとこれは使っていくうちに味が出て愛着が湧く道具ですね。ガスバーナーではなく焚き火で使うのですが、ちょっとお湯を沸かしたり、ちょっと缶詰を温めたりするのにちょうどいい。ソロキャンプの調理器具兼焚き火器具です。
──あとはキャンプを始めた頃のファッションはどんな感じでしたか?
何にも考えてなくてすごくダサかったですよ、ハハ! 汚れてもいいような格好でいくので、普段着ないようなTシャツとか靴とかで行っていたので、今見返すと震えます。
──今はそれも変わっていると思いますが、ファッションに関して阿諏訪さんの好みや、あとキャンプ初心者にアドバイスがあればお願いします。
ファッションは僕もいろいろ知識を身に付けていく中で変わっていきました。例えば夏でも長袖があった方がいいとか、冬はとにかく防寒すればいいってわけではなく、薪割りとかしてなんだかんだ動くので体温調節しやすいように4枚ぐらい重ね着して、脱ぎ着がその都度できる方がいいとか。そういうことを考えて今は服を買っています。あとは個人的な好みだと色。日本は山が多くてアウトドア=山とすぐ繋がって、遭難した時用に派手な色のアウトドア・ウェアが主流なんですが、北欧とかでは平地が多いので、色合いが変わって自然に溶け込むアースカラーが多い。僕はそっちの方が好きですね。
──ファッションで言うと、阿諏訪さんは今日着ているフェールラーベン(FJALL RAVEN)のアンバサダーを務めていますね。
フェールラーベンはもともとブランド・コンセプトが大好きだったんです。“手間が掛かったとしても自然に優しい服を作ろう”という考え方のブランドで、例えば防水加工って化学薬品を使って水が玉のように落ちるようにするアウトドア・ブランドもあるのですが、フェールラーベンは「それをすると空気が汚れるからやりたくない」と。なのでこれはすべて人の手で天然のワックスを塗っているんですよ。ただ洗濯すると10回ぐらいでワックスが落ちるので、このブランドの店舗には石鹸のようなワックスが売っていて、それを塗って温めるとなじむ。使い方の説明に「温めるのはドライヤーでもいいし、アイロンでもいいし、“焚き火”でもいい」とあって、それを読んで「カッコイイ!」と思ってすぐに買い、「アメトーーク!」のキャンプ芸人の時に全身フェールラーベンで行ったんです。そうしたら日本の代理店の方が見てくれて、アンバサダーのお話をいただきました。なのですごく思い入れのあるブランドです。
軽量かつ包み込まれる履き心地が最高なレインシューズ
『ダナー(DANNER)』の大人気モデル<ラップトップ(WRAPTOP)>をアップデートしたレインシューズ。軽量かつ蒸れを軽減させるライニングパターンを施した1足は、甲から履き口に採用したネオプレーンが高い防水性を確保し、接地面が広いアウトソールは湿地帯などのぬかるんだ環境下で効果を発揮する。そして“包み込まれるような履き心地”も大きな魅力! 加えて脱ぎ履きのしやすさはキャンプでも重宝するだろう。TREE CAMOやOLIEVE、BLACKといったアースカラーを始めとする全6色からあなた好みの1足をぜひ。
「ダナーは4足ぐらい持っていて、中には5年程履いているものもあります。このラップトップはめちゃくちゃ履きやすいですね。キャンプ場って意外と靴を脱ぎ履きするんですよ。川に入る時やテントの中に入る時、トイレとかでもそうで、そういう時にブーツはめんどくさい。だけどこれだったら脱ぎ履きが楽ですし、ラップトップもサンダルっぽく履けていいですね。あとこういうアウトドア系の靴は『履いていくうちになじんでくる』みたいなことが多いんですが、これは履いた瞬間にすでに履き心地が良かった。この靴から『絶対に靴擦れしないぞ』という強い意志を感じましたね」
また、クッション性と高弾性という相反する作用を両立させたミズグモフォーム(MIZUGUMOFOAM)により、まるで“水の上に立っている”ような新感覚を味わえるダナーのサンダルもオススメ! <ミズグモ フリップ(MIZUGUMO FLIP)>は立体的に作られたフットベッド部分や土踏まず部分のアーチサポート、弾力性のある素材が足を優しく包み混むことで指が痛くなりにくいのが特徴。<ミズグモ スライド(MIZUGUMO SLIDE)>も同様の素材感で、スライドタイプのアッパーは素足でも靴下でも着用できます。どちらのモデルも従来のモデルから10%軽量化されているため持ち運びにも便利で、キャンプなどで前出のレインシューズなどから履きかえることでリラックス効果も得られるでしょう。
なかなか遠出ができない時でも、自宅のベランダや近所の公園などにお気に入りのアウトドア・グッズを広げて、ちょっとした料理を作り、好きな人との時間を楽しむだけできっといい気分転換になるでしょう。阿諏訪さんに今回紹介してもらったキャンプの楽しみ方や手軽に作れる料理、ミニマムに使える道具やこだわりのウェア、そしてキャンプにぴったりなダナーのシューズなども参考にして、キャンプ初心者の方も今年の夏はまずプチアウトドアからぜひ始めてみてください!
text by ラスカル(NaNo.works)
photo by Kohichi Ogasahara