スタイリスト・Remi Takenouchiさんがエアマックス 30年の歴史とともに振り返る、時代別の流行ファッション&プレイリスト!
今年、誕生30周年を迎えた『ナイキ(NIKE)』のエアマックス<AIR MAX>。ビジブルエアと呼ばれる革新的なシステムで世界中に熱狂的なファンを生んだ伝説的シリーズは、時代の最先端で人々の注目を浴びてきました。今回は、水曜日のカンパネラをはじめ数多くのアーティストやファッション誌でスタイリングを務めるRemi Takenouchiさんが、エアマックス史をプレイバックする企画。エアマックスが誕生した1980年代から2010年代までを4つの時代に分け、その年発売されたエアマックス×各時代を象徴するファッションの楽しみ方・当時を思い起こさせる音楽の3つの要素から、Remiさんの視点でエアマックスの歴史と流行を紐解いていきます!
Remi Takenouchi
2007年からロンドンにてフリーランススタイリストとして活動開始。日本帰国後ファッションやアートにおけるスタイリングディレクションを始め、エッジーかつストーリーを感じる世界観のスタイリングで雑誌・広告・CM・ミュージックビデオなど幅広いジャンルにて活動。傍ら週間ファミ通での連載を夢見ながらゲームをライフワークとしている。 website
1980年代
「AIR MAX LIGHT(1989年)」×「ギーク/ストリート」×「Cyndi Lauper/『The Goonies ‘r’ Good Enough』」
世間はバブル絶頂期。お金をかけてファッションを楽しむ若者たちが増え、【DCブランド】や【ボディコン】が街を席巻、【渋カジ】なども流行しました。そんなトレンドが多く生み出された時代でRemiさんが注目するのは、豊かな世相が反映された【ギークファッション】と【ストリートファッション】。
1989年にはエアマックス ライト<AIR MAX LIGHT>が発売。機能性・デザイン性の高さがファッションに敏感な人々の所有意欲をかき立てました。
Fashion
【ギークファッション】
「これでもかというフリル。これでもかというレイヤー。これでもかというオーバーサイズ。当時は“とにかく可愛く、とにかくボリューミー”でしたが、今取り入れるなら丸メガネを加えてギークファッション度を上げつつヘアメイクは辛口モードスタイルに、シンプルかつカッコよく着こなして」
【ストリートファッション】
「今、個人的に注目のオーバーサイズダサニットにレギンスコーデ。愛好家が数多く存在するダサニット! たくさん探してお気に入りのダサニットを見つけて欲しいです。合わせるのはレギンス、もちろんカラフルなもの! レッグウォーマーも忘れずに、エアマックスとのバランスを楽しんで」
Music
【Cyndi Lauper/「The Goonies ‘r’ Good Enough」】
奇抜なファッションとハイトーンボイスで愛されるポップアイコンシンディー・ローパー<Cyndi Lauper>。Remiさんの思い出の1曲『The Goonies ‘r’ Good Enough』は、1985年にリリースされたスティーブン・スピルバーグ監督作品『グーニーズ』の主題歌。「初めて買ったCD。当時歌声もファッションも全てが衝撃的で永遠のミューズの中の1人です」
1990年代
「AIR MAX 95 BRAZIL」×「ギャル/ストリート」×「宇多田ヒカル『Autmatic』」
バブリーな空気も薄れた90年代後半は、お金をかけないカジュアル志向に。【B系】【グランジ】【裏原系】など、多種多様なトレンドが生まれましたが、特にこの時代を象徴するのがRemiさんも注目する【ギャルファッション】。茶髪・厚底・ガングロメイクなど、独自の流行が世間を賑わせました。
1995年に登場したおなじみのエアマックス 9<AIR MAX 955>の中でも、Remiさんが気になったのは、2006年開催のFIFAワールドカップを記念したエアマックス 95 ブラジル<AIR MAX 95 BRAZIL>。ブラジルカラーのラインを配した美しい1足です。
Fashion
【ギャルファッション】
「90年代ファッションの代表・アムラーを始め、モーニング娘。も着たりして大流行りしたプリーツミニスカート。着こなしには大まかに3つの派閥があり、タートルネックを合わせカッコよく決める派とパーカーを着てガーリーに着こなす派、スクールガール風にシャツに合わせる派合わせる派。エアマックス 95 ブラジルに合わせるなら断然グレーのプリーツスカート。白シャツやグレーのスウェットを合わせてクールに!」
【ストリートファッション】
「全体的にルーズなシルエット、古着のダメージデニムやロンTでメンズライクに。キャップやサングラス、ロングのガチャベルトなどで今風に味付けするのが正解。ロンTに光沢のある生地のワンピースを着れば、スニーカーと絶妙なバランスも楽しめます」
Music
【宇多田ヒカル/「Automatic」】
音楽的にも多様性に溢れた90年代。Remiさんは、そのなかでも99年に彗星のごとく現れた宇多田ヒカルのデビュー曲をセレクト。「当時は誰もが聞いて、どこでも流れていた。私にとっても影響が大きかったアーティスト。特にこの曲はMVにおいてもキャッチーで新鮮で、今でも色あせない素敵な曲!」
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