DJ HAL×アディダスの名作モデル・キャンパスのファッションコーデスナップ!DJスタイルやスニーカー歴について聞いてみた@渋谷 HARLEM
年間300本を超えるクラブオファー、ライブをこなすDJ HAL。現在はLDH所属グループ・DOBERMAN INFINITYの専属DJ、さらに『+hesocie+y』『Sunkak Eyewear』のプロデューサーとしても活躍している。そんなDJ HALに、『アディダス(adidas) 』のキャンパス<CAMPUS>を取り入れたファッションをコーディネートしてもらい、今年20周年を迎える、渋谷のレジェンドクラブHARLEMでシューティング。インタビューでは、自身のファッション経歴やキャンパスの印象、そしてDOBERMAN INFINITYのメンバーとの交流やDJへの想いなどを語ってもらった。
HARLEMカラーとファッションの原体験
――撮影の様子を見ていて、改めてHALさんにはHARLEMが似合うなと思いました。壁や階段、ソファ、すべてのシチュエーションがハマりますね。
ありがとうございます。HARLEMの赤と黒に合うかなと思って、今日のファッションも考えました。
――DJを始めたのが14歳ということですが、当時はどんなファッションが流行ってましたか?
DJをしてる高校の先輩とかは、NAUTICAのジャケットにハンチングを被って、昔のTHE ROOTSみたいな格好をしてましたね。中2の時に、上野で初めてティンバーランド(Timberland)を買いました。制服にそれを履いて、RALPH LAURENのオーバーサイズのカーディガンに、リュックはKING OF DIGGIN’のアーミー。リュックに入らないものはManhattanRecordsのレコード袋に、DMRの透明な袋を入れて強度を高めて…体育着とか入れてました。体育着も逆に着て「クリス・クロス!」とかやってましたね。
――ヒップホップIQの高い中学生ですね。HALさんのファッションのこだわりは?
今は仲間に恵まれているのもあり、友達が作ってる服を着たりして一緒に宣伝できたらっていうのはあります。身近なものを着てかっこいい人の方が良いし、その服にあるストーリーを語ってくれたら「すごいかっこいいな」と思います。あとは、誰も持ってなさそうなアイテムを探すのも好きですね。
――HALさんはDOBERMAN INFINITYの皆さんとともに、ファッションアイコンとしても注目されてますね。
みんなファッションへの感度が良いし、人としても尊敬してます。例えばSWAYはスター性が強いし、P-CHOさんは僕以上に毎日新譜をチェックして、それをみんなに共有してくれる。GSさんは気遣いが素晴らしい人だし、KUBO-Cさんはリーダーで常にみんなをまとめてくれる存在。KAZUKIは一番年下ですけど一番努力してるし、セクシーさを持っている。僕は僕で、夜の現場で培ってきたものを共有して、みんなで高め合っていきたいなっていうのはあります。
――DJをする時とプライベートとで、ファッションに違いはありますか?
DJをしている時は、結局Tシャツが一番ラクなんですよね。プレイしてる時は邪魔になるので、なるべく手に何も付けたくないですし。そういう意味で、オフの時にドレッシーな格好をしてみたりはします。基本的にはお気に入りのアイテムに合わせてコーディネートを考えてミックスしてますよ。
アディダスとの出会いとオールドスクール感
――HALさんがスニーカーを選ぶ時のポイントは?
やっぱデザインじゃないですかね、あとはその時の気分次第。シンプルなのも派手なのも履きますし。やっぱりB-BOY的にはナイキ(NIKE)のエア フォース 1<AIR FORCE 1>のホワイトはいくつになっても履き続けられるモデルだと思います。
――アディダスとの出会いはいつ頃ですか?
B-BOYたちの中でキレイめブームが来た時ですね。スーツにGUCCIのローファー、BURBERRYのマフラーにロングコートみたいな。その時にアディダスのジャージがめちゃめちゃ流行ったんですよ。印象的だったのが、とんねるずの番組にROCK STEADY CREW(JAPAN)が出て。KANGOLのハットにアディダスのジャージ、足元もシューレースが太いアディダスだった。録画したのを擦り切れるまで見て、ブレイクダンスを練習したのを覚えてます。
――アディダスのスニーカーを買ったのもその時ですか?
そうですね。ジャージブームの時に、上下アディダスなのに足下がナイキはダメでしょってなって、スーパースター<SUPERSTAR>を買いました。その後にスタンスミス<STAN SMITH>がオシャレみたいになって…。
――今日履いているキャンパスの印象はいかがですか?
まさにアディダスって感じ。プーマ(PUMA)もナイキも細いじゃないですか? そのフィット感も好きですけど、アディダスのこの独特な“ぺったんこ感”も好きですね。チノパンとかに合わせたらかっこよさそう。オールドスクールなイメージなので、ファッションもそういう感じで着こなしたいですね。チノパンにちょっと大きめのRALPH LAURENのシャツ、あとはKANGOLのハットとか。変わらない魅力があるスニーカーなので、僕も変わらないスタイルで履きたいです。
120%で結果を出すDJ HALのスタイル
――変わらないスタイルという点は、HALさんのこれまでのキャリアに依存しない、現時点での圧倒的な現場数にも現れていると思います。これだけ動き続けていると、目標を立てる暇もないんじゃないですか?
目標はあまり立てないようにしてますね。とにかく目の前にあることを、がむしゃらに、120%で結果を出す。一番頑張んなきゃいけないのは、今。そこを頑張れるかで、明日が変わってくる。どこにチャンスが転がってるかわからないので、電話が鳴ったら寝てても行くし、DJが終わった後は仲間とお酒も飲むし、メシも食う。それでやっぱみんながハッピーだと思うんですよ。
――120%で結果を出すという言葉を聞いて、HALさんが今の位置にいる理由がわかった気がします。
DJって音楽をミックスするだけじゃなくて、人と人を繋げることも出来るし、自分次第でいろんなものを取り入れられると思う。僕らが頑張ってメイクマネーして、かっこいいところを見せることで、若いDJたちに「頑張ればここまでいけるんだ」って思わせたいですね。
華々しいキャリアの裏に隠された、地道かつ人間臭い努力。DJ HALはそれを“恥ずかしい”と決して周囲の人間に見せることはないだろうが、ほぼ毎日のように現場に立ち続けるストイックな姿勢が、彼のファッションをより輝かせているのだろう。コーディネートされたウェアに身を包み、キャンパスで踏み締めるHARLEM。屋上で夜の渋谷をバックにした彼の姿は、この街で誰よりも自由で、誰よりもキマっていた。
ストリートカルチャーの歴史と共に歩んできた、アディダスのキャンパスシリーズ
スウェードとカレッジカラーのシンプルなデザインを特徴とするキャンパスは、1983年に誕生したアディダスの名作モデル。1990年代に入り、ニューヨーク出身のヒップホップトリオ・Beastie Boysのメンバーが愛用したことで脚光を浴び、その後はスケーターカルチャーなども巻き込みながら熱狂的なファンを獲得。入手困難な時期を経て、再販、キャンパスⅡ<CAMPUS Ⅱ>の展開、さらには80年代に生産されていたモデルを復刻したキャンパス80s<CAMPUS 80s>の誕生などにより定番モデルの地位を築く。現在は、過去の名作を現代にアップデートするアディダスオリジナルスより展開中。
INFO / 取材協力:HARLEM
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INTERVIEW/TEXT:ラスカル(NaNo.works)
PHOTO:Seiya Uehara