ランニングのプロに聞く! 大人のランにふさわしいシューズの選び方 Vol.4 ニューバランス 武田信夫編
楽しく美しく走れる方法を、ランニングのプロに尋ねるスペシャル対談。今回は、ウルトラマラソンやトレイルランニングも楽しむニューバランスジャパンの商品企画 GBUプロダクト部 ランニングチームでマネージャーを務める武田信夫さんと、母校のフィールドホッケーのコーチを務める西永彩乃さんが、学生時代の運動経験を経てランニングを始めた面白さについて語り合います。
ホッケー部の後輩に衰えたと思われるのがイヤで……
――早速ですが、西永さんがランニングを始めたきかっけから教えてください。
西永「社会人4年目に入ったところですが、学生時代はずっと運動をしてきたんですね。6歳でテニスを始め、12歳でバスケをやり、高校から大学まではフィールドホッケーにのめり込んでいました。けれど就職した途端、運動する機会がパタッとなくなり、もうストレスが溜まっちゃって……」
武田「そのパターンの人、少なくないですよね」
西永「しかもフィールドホッケーは、社会人になると楽しむチャンスが減ってしまう競技なんです」
武田「チームスポーツはメンバーを集めるだけでも苦労しますしね」
西永「ええ。そこで、元から長距離が得意だったことと、体育大出身の父がランニングを趣味にしていたことと合わせて、自分でも走ってみようと思いました」
武田「お父さんのランニング歴は?」
西永「40歳過ぎで始めて現在51歳なので、約10年でしょうか。毎年フルマラソンに参加しています。今年の東京マラソンも走ったんです。家族で応援に行きました」
武田「それはスゴいなあ」
西永「走る理由はもう1つあって、出身大学のホッケー部のコーチをやっているんですね。指導する立場だから自分は動かなくても良いんだけど、体力で後輩に負けるのが悔しくて。現役時代の私が長距離を得意にしていたことは後輩も知っているので、衰えたと思われるのがイヤなんです」
武田「それで体力づくりで走っていると。負けず嫌いなんですね(笑)」
――普段はどれくらいの頻度でランニングしていますか?
西永「最低でも週1回は近所の公園の周回路を2周から5周。距離にすると4㎞から10㎞です。父ともよく一緒に走ります」
武田「なんてステキな父娘でしょうか」
ニューバランスのテクノロジーが結集したフレッシュフォーム ザンテ
――西永さんはすでに『ニューバランス(NEW BALANCE)』を履いていますが、なぜニューバランスを選んだのですか?
西永「父が履いていて調子が良いと聞いたからです。でも、ランニングをするまでのニューバランスは、オシャレなカジュアルシューズという印象しかありませんでした」
武田「確かにこれまでのニューバランスは、フットウェア専門のイメージが強いブランドでしたが、近年はウェアにも力を入れ、総合的なスポーツブランドへとシフトしています。元々、歩行が困難な方向けのインソールを提供するところから始まった会社なので、成り立ちが特殊ではありますね」
西永「それは初めて知りました。だから機能的なんですね。とても軽くて履き心地が良いし、見た目がやっぱりオシャレなので気分が上がります」
武田「西永さんが履いているのはフレッシュフォーム ザンテ<FRESH FOAM ZANTE>です。ビギナーから日常的に走るランナーまで対応するこのシューズは、ニューバランス独自のテクノロジーが結集しています。名前にあるフレッシュフォームはミッドソールの名称そのままです。これまでのソールは、荷重がかかる場所ごとに特定のパーツを装着していましたが、そのせいで乗り心地を若干犠牲にしてきました。しかしこのフレッシュフォームは、ソールを一体型にして安定感と快適性を高めています。しかも荷重をソフトに受け止めてほしい外側は、表面に凹のデザインを多くし、変形しやすくすることでクッショニング効果を発揮します。逆に踏ん張ってほしい内側は、凸のデザイン多くし、変形しにくい形にしてあります」
西永「本当だ! ソールの内外で形状が異なるなんて、今初めて見ました……」
武田「アッパーのメッシュ素材も注目です。足の動きに合わせて伸びてほしい部分、しっかりホールドしてほしい部分等、アッパーでも個所によって機能や用途が異なりますが、これもソール同様、異なる素材の組み合わせではなく、1枚の生地で仕上げました。フィット感は格段に向上しています。エンジニアードメッシュと呼んでいます」
西永「実は私って、何だかとてもスゴいシューズを履いていたんですね。知らなかったです」
武田「なのでこういう機会にしゃべらせてもらいました。それ以前に、履き心地が良いと言っていただければ何よりです」
ランニングの達成感は、自分で決められる。
――ところで武田さんは見るからにランナー体型ですが、よく走っているんですか?
武田「西永さんに対抗するつもりはありませんが、僕も6歳でサッカーに出会い、大学を卒業するまで続けました。社会人になってからチームをつくりましたが、1人抜け2人抜けと、団体競技を継続させる難しさに直面して、それで1人でもできるランニングを始めました。もちろん、ランナーのマインドを理解するという職業上のメリットも享受したかったわけですが」
西永「今はどれくらい走られるんですか?」
武田「週に2回から3回ですね。大会にもよく出ます。ウルトラマラソンやトレイルランニングも楽しんでいます」
西永「ストイックですねぇ」
武田「自分でもニッチな方向に偏り過ぎているとは思います(笑)」
――競技における団体と個人ではどんな違いを感じていますか?
武田「達成感の解釈が変りました。サッカーだと試合の勝ち負けに意識が向きますが、ランニングの勝敗というか達成感は自分で決められるんですよね。たとえば、昨日は5㎞を30分で走ったけれど、今日は気温が2度高いのに同じ距離を同じ時間で走れたとなれば昨日よりイケてるだろうと。そんな解釈が継続の力になったり、新たな目標を見つける糧になったり」
西永「それ、わかります。気分的にとても楽ですよね、好きなときに好きなだけ楽しめるランニングは。でも、どこかで勝負したい気持ちは沸いてきて、公園で走るときはおじさんランナーについて行って最後で抜く、みたいな」
武田「スポコンだなあ(笑)」
西永「ランニングって、シンプルな分奥が深いなあと思って。ブラインドサッカーのマネージャーもやっているんですが、皆さん走り出すとキラキラするんです。その姿を目の当たりにすると、走るって本当に素晴らしいと感動します」
――お2人とも、今後ランニングでの目標はありますか?
武田「40歳になりましたから、自分の体とどう向き合いながら走るかを考えるのは新しいステージと言えるかもしれません。それと、サッカーをやっている2人の男の子がいるので、彼らに負けない体力は維持したいですね」
西永「私はマラソン大会に出たいです。父といっしょに走って、あわよくば勝ちたい」
武田「その負けん気の強さ、尊敬します(笑)」