キャンプシューズに白を選んだ理由【山城さくらのアウトドアと靴】
平日は会社員、週末は山へでかけるライフスタイルをはじめて約2年という山城さくらさん。この連載は、アウトドアをより楽しく快適にしてくれる靴やアイテムを、キャンプ好きの山城さんの視点で紹介していきます。
お洒落な友人に教えてもらったシューズケアセット
日々の慌ただしい毎日から離れ、おだやかな心をとりもどすためにキャンプへいくように、心を整えるための儀式として持ち物のお手入れに時間をかけるようになった。
きちんとアイロンされたハンカチを持ち歩くこと、定期的にメイクブラシを洗浄すること、新しい器をおろすときにお米の研ぎ汁で目止めをすること、革製品にラナパーを塗りこむこと。どれも誰かに気がついてもらうためのものではなく、自分だけがわかる自分のためのお手入れであり、自分が大人になったなと嬉しくなる時間でもある。
お恥ずかしながら30歳を過ぎるまで、洋服にアイロンをかけることもなければ、(そもそもアイロンが必要な手間のかかる服はクリーニングに出すか、選ばなかった)、ファンデーションのパフを週に1度洗うことすら面倒に感じていた。
可愛いものもきれいなものも好きだったけれど、大切に使い込まれたものの美しさに気がついたのはまだ最近のこと。写真家のマーク・パワー氏が都営交通の整備現場を映した写真集の帯にあるように、美しいものが美しいのではなく、美しく使われているものが、美しいのだ。美しく使うためには、日々のメンテナンスは欠かせない。
靴のお手入れもそのうちの一つ。これまでの靴のお手入れといえば、買ったその日に適当に防水スプレーをかけて、汚れたらごくたまに洗う程度。(それも洗濯洗剤で!)以前少しお高めな靴を買ったときににお洒落な友人に教えてもらったことをきっかけに、最近ではずっとジェイソンマークのシューズケアセットを使っている。
成分の98.3%が天然素材で構成されているというプレミアムシュークリーナーは環境にも私の手にもとてもやさしい。洗濯後の手のつっぱりや、いつまでもとれない洗濯洗剤特有のぬるぬる感もなく香りも良い。それでいて、洗浄力が高いのだから、やっぱりお洒落な友人の助言はいつだって偉大なのだ。
その成分の優しさゆえに、レザー、スウェード、キャンバス、ナイロン、コットン、メッシュ……など、逆に何なら使えないかのかと突っ込みたくなるくらい色々な素材に使用できるから、バッグや帽子の手洗いにも使っている。(さすがにレザーは怖くてできない)
気分が上がるシューズケアセット。使い方は?
使い方は簡単で、専用ブラシを濡らし、クリーナーを適量つけたらまた濡らし、泡立てるようにこするだけ。ブラシは柔らかい豚毛を使用しているので泡だちがよく軽くこするだけでしっかり汚れが落ちるので生地を傷めないのもありがたい。ただ、毛足が長いので細かい部分が少し洗いにくいのと、泡がかなりの勢いで飛び散るので洗面所よりも風呂場での使用を全力でおすすめしたい。
泡が黒くなり、少しずつ白さがよみがえる瞬間が堪らない…!好きだ~。これまで汚れるからと避けていた白い靴をキャンプシューズとして選べたのも、靴をしっかりお手入れできる自分になれたことが大きいと思う。
しっかり泡を流しきり外で乾かしたら、最後はまた防水スプレーを満遍なくかけていく。防水スプレーも同じくジェイソンマークのものを愛用。人間工学に基づいて設計されたという非常に持ちやすいレバーを軽く引くと、防水液が細かいミスト状となって出てくるので、何も考えずにふりかけても均一でムラなくかけることができる。非常にありがたい設計である。
ジェイソンマークのシューズケアシリーズは市販のクリーナーに比べて、ややお高くも感じるが、使うだけで気分が上がるので仕方がない。なんてことのないケア商品では、ただの面倒な作業に成り下がり、これまで通り頻繁に洗うのは少し……いやだいぶ難しくなってしまうと思う。そのくらい気分を上げなければ、靴のお手入れなんて頻繁にできるもんじゃない。
もう少し付け足すと、使わないときだって出しておいてもサマになるから、ふと目があったときにそろそろ洗うかなんて気持ちにもなれる。ジェイソンマーク、あっぱれ。
こうして蘇ったスニーカーは、真っ白だけれど「くたっと感」がでて新品よりも馴染みいい。キャンプ道具も思いきりガシガシと使い、手入れを重ねて唯一無二の味がでてくるように、スニーカーだって自分で手間をかけた分だけ、愛着もひとしお。
水温とか、洗い方とか、乾かし方とかまだまだ研究することは多いけれど、少なくともお手入れをする楽しみを知れたことで、キャンプで白いアイテムを使えるようになった。これは、ほんとうに嬉しいこと。
次のキャンプも、この真っ白な靴を履いて思い切り遊びたい。
ダナー『トレイル2650』名前の由来とその機能は?
名前の由来はカリフォルニア州からカナダへと続く全長2650マイルのPacific Crest Trail。トレイルランニングではなく、トレイルトレイナーというコンセプトのもと、Vibramと共同で開発したVibram 460ソールを使用。どんな天候化でもグリップ力を発揮するMegagripを使用。非常に軽量なEVAのMidsoleと、通常内部に配置されているヒールカウンターを外部に出し、更なる軽量化とサポート性を追求。メッシュアッパーに、LININGにはGORE-TEXを使用することで、通気性と高い防水性を実現している。ボトム構造は、インソールにはOrtholiteのクッションインソールを搭載。Trailguard製法で靴の屋台船であるTPUのシャンクを外に出す事で、より軽量化し、安定性を高めている。
山城さくら
1988年静岡県生まれ。BRIGHTLOGG.INCに所属し、企業・ブランドのプロモーション企画やブランドデザインのディレクションに関わる。また、キャンプ好きが講じ様々なメディアでコラムを執筆。週末はたいてい山にいます。
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