靴を基準にキャンプ地を選んでみる。Danner ウィメンズトレイル2650【山城さくらのアウトドアと靴】
平日は会社員、週末は山へでかけるライフスタイルをはじめて約2年という山城さくらさん。この連載は、アウトドアをより楽しく快適にしてくれる靴やアイテムを、キャンプ好きの山城さんの視点で紹介していきます。
キャンプを楽しむために重要になるのがキャンプ場選び。夜景を一望できる場所で焚き火を楽しみたいのか、湖畔で水面を眺めながら過ごしたいのか、はたまた子供も楽しめるようにアスレチックなどがある場所がよいのか。気分やその日のテーマで決めてもいいし、行くメンバーによって決めるのも良い。どこも同じ「野外で寝泊まりできて焚き火ができる場所」に変りはないが、キャンプ場によって楽しみ方は千差万別。どこを選ぶかでその日のキャンプが満足いくものになるか、大きく左右される。
キャンプ前日。明日はソロだからこの焚き火台にして、テントはこれで、景色がいい場所に行くからコーヒーセットも持っていこう……なんてことがあっても「この靴を履いて行きたいからキャンプ場はあそこに行こう」と準備を始めるのは初めてかもしれない。
今回の主役は『ダナー(Danner)』ウィメンズトレイル2650<WMNS TRAIL 2650 MESH GTX>。はじめてキャンプ道具として迎えた靴だったりする。
簡単に機能を説明すると、防水性と通気性が高く、グリップ力がしっかりしているのでどんな天気でも歩きやすい、らしい。つま先とヒールにプロテクターが入っているので安全性も高く、なんと言っても軽い、らしい。整備されたキャンプ場でのんびりとしたキャンプしかしない私には少し高機能すぎるかもしれないとも思ったけど、アウトドアの幅が広がるかもしれないと少しだけ期待を込めて。そして“いかにも”な、アウトドアシューズすぎないミニマルな見た目に惹かれて、はじめての一足はこの子に決めた。
この日のために少し履き慣らしたダナーと行くのは、いつもの整備されたキャンプ場ではなく、もう少しダイナミックに自然を感じられるキャンプ場。普段はだらーっとするためにキャンプに行っているようなもんだから、極力歩いたり疲れることはしたくないけれど、今日はこの靴を頼りにいつもと違うことをしてみたい、けどちょっと不安……。
車を降りて少し歩くことも想定して、荷物は極力少なめにすることに。たくさん動いて美味しいビールをぐいっと飲みたい。
キャンプが趣味だというとアクティブ人間だと思われがちだけれど、実際はそんなことはなくまさに真逆の人間だ。運動は苦手だし、できればずっとお酒を飲みながら火をながめたり昼寝したり漫画を読んでいたい。俺はこういう人間だ。でもそれを休日に家でやると、日曜の夜に決まってやってくるのが謎の罪悪感であり、これを避けたいがためにキャンプに来ていると言っても嘘じゃない。まったく同じ行動をしていても「でもキャンプに行ったし」で怠惰な時間はすべて帳消し。一気に有意義な休みになるからキャンプの効果はすごい。あと、やっぱり外で食べるご飯は美味しいし山は気持ちがいい。四季を見逃さずにいられるのもキャンプのおかげだと思う。
というわけでキャンプ場に到着。いつもならキャンプ地に車を横付けしてほいほいっとイスを出してもうビールを飲んでいるころだけど今日は違う。荷物を背負って歩く。歩く。歩く。万年運動不足の私でも山の美しさや気持ちよさを感じる余裕があるのは、この靴のおかげなのか、それとも大半の重たい荷物を夫が背負ってくれているかならのか。どちらにせよ足取りは軽い。
岩場に登ってもグリップ力がしっかりしているので滑りにくく踏ん張りがきく。自分の運動神経の悪さは重々承知しているので普段なら絶対に無理はしないが、トレイルシューズなら大丈夫かなと挑戦したい気持ちになる。一般的に見たら挑戦というほどの岩場でもないんですけどね。街歩きだけでは「軽くて歩きやすいな~」と思ったくらいで、私には高機能すぎるかなと思ったけど、山に来てみてその実力を実感。
岩場でいただくなんて、なんかすごくキャンプっぽい。いい、すごくいい。圧倒的な大自然を前にして語彙がなくなるもやむを得ない。
靴は少し羽目を外しすぎたからか、ちょっと汚れたがそれもまたいい。他のキャンプ道具と一緒に、帰ったらお手入れしよう。
ダナー『トレイル2650』名前の由来とその機能は?
名前の由来はカリフォルニア州からカナダへと続く全長2650マイルのPacific Crest Trail。
トレイルランニングではなく、トレイルトレイナーというコンセプトのもと、Vibramと共同で開発したVibram 460ソールを使用。どんな天候化でもグリップ力を発揮するMegagripを使用。非常に軽量なEVAのMidsoleと、通常内部に配置されているヒールカウンターを外部に出し、更なる軽量化とサポート性を追求。
メッシュアッパーに、LININGにはGORE-TEXを使用することで、通気性と高い防水性を実現している。
ボトム構造は、インソールにはOrtholiteのクッションインソールを搭載。Trailguard製法で靴の屋台船であるTPUのシャンクを外に出す事で、より軽量化し、安定性を高めている。
山城さくら
1988年静岡県生まれ。BRIGHTLOGG.INCに所属し、企業・ブランドのプロモーション企画やブランドデザインのディレクションに関わる。また、キャンプ好きが講じ様々なメディアでコラムを執筆。週末はたいてい山にいます。
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