アシックス『ゲル クウォンタム 90 2』の物語【アシックス担当者がスニーカーを語る】
スニーカーの数だけ物語がある。また、そのスニーカーを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのスニーカーに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのスニーカーを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のスニーカー、今回は『アシックス(asics)』のゲル クウォンタム 90 2<GEL-QUANTUM 90 2>です。
アシックスジャパン株式会社、スポーツスタイル事業部フットウェアMDの御所野良紘(ゴショノ ヨシヒロ)さんが、アシックスのクッション性の象徴、GEL(ゲル)テクノロジーを搭載した最新モデルについて語ってくれました。
アシックスジャパン スポーツスタイル事業部 フットウェアMD
ゴショノ ヨシヒロ
御所野 良紘さん
アクティブシーンはもちろん、タウンユースにもぴったり
――『ゲル クウォンタム 90 2』はどんなスニーカーですか?
『ゲル クウォンタム 90 2』は、アシックスのクッション性の象徴でもあるGEL(ゲル)テクノロジーを、ソール周囲に90度搭載したソールにより足裏のクッション性を高めたライフスタイルシューズ。軽量で通気性に優れ、軽いランニングやジムでのトレーニングなどのアクティブシーンはもちろん、タウンユースにも対応します。
今作は、ソールは左右非対称のグラデーションカラーを採用。1986年からアシックスのシューズに搭載されているGELは、足にかかる衝撃を緩衝するアシックス独自の優れたテクノロジーで、素材は防振材・衝撃吸収材としても用いられるシリコーンを主原料とする軟質なゲル状素材。これを着地衝撃の大きいかかと部に搭載しています。
遊び心を感じられるデザインがお気に入り
――譲れないお気に入りのポイントは?
原型がかなりスポーティーなルックスなので、本格的なスポーツのためのシューズという印象が強いのですが、様々なライフスタイルシーンでも履いていただけるように、アッパー全体のデザインはシンプルに仕上げています。しかし、シンプルな単色のシューズは市場にも溢れているので、それではインパクトに欠けてしまいます。
このシューズの特徴を活かしながら、インパクトとライフスタイルシーンでの着用を両立する視点で、最終的にこのデザインに落ち着きました。シンプルなアッパーの随所にゴールドカラーのアクセント、ソールとシューレースはグラデーションカラーを採用し、遊び心も感じられるデザインをうまく表現できたところが気に入っています。
当初のデザインは、やりすぎだった…
――『ゲル クウォンタム 90 2』とのストーリーを教えてください。
GELをランナーなどの競技者だけでなく、もっとハードルを下げた一般の方の足元を支えるライフスタイルシューズとして届けたいという思いが元々ありました。
そこから2020年に向けて、このシューズの企画がスタートしたのですが、当初は全く違うデザインでした。アッパーがシンプルなイメージというのは変わっていませんが、ソールはもっと派手でした……。様々な事情でそのデザインは実現されなかったのですが、今思うとやりすぎだったと思うので、個人的には今作に落ち着いて結果良かったと思っています。