アシックス担当者がスニーカーを語る『GEL シリーズ』まとめ(ゲル カヤノ、ゲル クウォンタム、ゲル ライト)
普段から多くのシューズに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのシューズについて聞く “担当者がスニーカーを語る” シリーズは開始から約3年。これまで、複数のメーカーさんより、数多くのシューズをご紹介していただきました。そこで、これまで登場したシューズの数々を、各メーカーごとにまとめてご紹介していきます。
今回のメーカーは『アシックス(asics)』より、GELテクノロジー搭載のランニングシューズの数々を紹介していきましょう。
(1)ゲル カヤノ5 OG<GEL-KAYANO 5 OG>「ボリュームあるソールが人気」
初心者から上級者まで幅広いラインナップを誇るアシックスのランニングシューズ。これまで様々な“GELテクノロジー”を搭載したシューズが登場してきました。GELテクノロジーとは、スポーツ時に体に与える負担を軽減し、全体的なクッショニングと性能を向上するために開発され、その機能性の高さには定評があります。
まずは2019年8月に紹介されたゲル カヤノ5 OG<GEL-KAYANO 5 OG>について、アシックスPRチーム(当時)の山本さんにおススメコメントを聞きました。
「ゲル カヤノ5 OGは、昨年末(2018年末)に復刻して以来、ボリュームあるソールが人気でファンも多いです。新色はトレンドのクリーンホワイトをベースに、かかと、ソール、シュータンに配したピンクがポイント。バックスタイルに個性が現れるよう計算したカラー配置となっているのも特徴的ですね。昨今、流行りのスタイルであるスポーツミックスを気軽に取り込みたい時には、ぜひ、このスニーカーをオススメします」
同じく、ゲル カヤノ5 OGについて、同社PRチームの長沢さんも、2020年2月に語ってくださいました。
「1999年に発売されたゲル カヤノ<GEL-KAYANO 5>の復刻モデルですが、当時一般的だったボリューム感のある形状、衝撃緩衝材GEL™や、着地時の安定性を高める高硬度のDUOMAXなど、機能を視覚化したデザインを踏襲しつつ、ライフスタイル向けに軽量化。ボリューム感のある足元でキメたいときにピッタリの1足ですね」
ゲルカヤノ 28 ライトショー<GEL-KAYANO 28 LITE-SHOW>
ゲル カヤノ 5 OGは、2022年6月現在も変わらず人気のランニングシューズ。「疲れにくい」「足馴染みが良い」といった声が聞かれます。ゲル カヤノシリーズは1993年に第1号が発売されて以来、長年愛されてきたシューズですが、28代目となるゲルカヤノ28も人気のモデルです。
ゲルカヤノ 28 ライトショーは、安定感のある走りをサポート。反射材を使用することで、暗い場所でランニングする時の視認性を高めます。FF BLASTが履き心地のやわらかさとバウンス感のある反発性を発揮。スムーズで安定感のある走りを提供します。新しい形状のGELを搭載し、着地時の衝撃緩衝性の向上を追求しました。
ゲルカヤノ 5 360<GEL-KAYANO 5 360>
90年代後半のバルキーな形状のゲル カヤノ 5のアッパーと、ゲルクォンタム 360 のソールを組み合わせたハイブリッドモデル。ミッドソールの周囲に配置したGEL™によりクッション性を高め、快適な履き心地です。90年代によく使われていたオーバーレイの素材使いや刺繍のアシックスストライプなど、当時のディテールを取り入れつつ、トレンドに合ったデザインで、過去と現代のデザインの融合を感じさせる一足です。
(2)ゲル クウォンタム 90 2<GEL-QUANTUM 90 2>「アクティブにもタウンにも対応」
ゲル クウォンタム 90 2<GEL-QUANTUM 90 2>は、GELテクノロジーを搭載したソールにより、足裏のクッション性を高めたライフスタイルシューズです。シューズの紹介記事は、2020年6月に公開。アシックスジャパン株式会社、スポーツスタイル事業部フットウェアMD(当時)の御所野さんが語ってくれました。
――『ゲル クウォンタム 90 2』はどんなスニーカーですか?
「ゲル クウォンタム 90 2は、アシックスのクッション性の象徴でもあるGEL(ゲル)テクノロジーを、ソール周囲に90度搭載したソールにより足裏のクッション性を高めたライフスタイルシューズ。軽量で通気性に優れ、軽いランニングやジムでのトレーニングなどのアクティブシーンはもちろん、タウンユースにも対応します。
今作は、ソールは左右非対称のグラデーションカラーを採用。1986年からアシックスのシューズに搭載されているGELは、足にかかる衝撃を緩衝するアシックス独自の優れたテクノロジーで、素材は防振材・衝撃吸収材としても用いられるシリコーンを主原料とする軟質なゲル状素材。これを着地衝撃の大きいかかと部に搭載しています」
――譲れないお気に入りのポイントは?
「原型がかなりスポーティーなルックスなので、本格的なスポーツのためのシューズという印象が強いのですが、様々なライフスタイルシーンでも履いていただけるように、アッパー全体のデザインはシンプルに仕上げています。しかし、シンプルな単色のシューズは市場にも溢れているので、それではインパクトに欠けてしまいます。
このシューズの特徴を活かしながら、インパクトとライフスタイルシーンでの着用を両立する視点で、最終的にこのデザインに落ち着きました。シンプルなアッパーの随所にゴールドカラーのアクセント、ソールとシューレースはグラデーションカラーを採用し、遊び心も感じられるデザインをうまく表現できたところが気に入っています」
(3)ゲル クウォンタム 180<GEL-QUANTUM 180>「デザイン性と機能性を併せ持つ」
GELテクノロジーを搭載し、デザイン性と機能性を併せ持つ一足、スポーツにも街履きにもぴったりなゲル クウォンタム 180<GEL-QUANTUM 180>については、2021年2月に長沢さんが語ってくれました。
――『ゲル クウォンタム 180』はどんなスニーカーですか?
「アシックスのライフスタイルカテゴリー『ASICS SportStyle(アシックススポーツスタイル)』から、デザイン性と機能性を併せ持ち、アクティブシーンにもライフスタイルシーンにもおすすめの1足、ゲル クウォンタム 180<GEL-QUANTUM 180>が登場しました。
これまでも、このゲル クウォンタム<GEL-QUANTUM>シリーズは、さまざまなブランドとのコラボレーションシューズのベースモデルとして採用されたり、インライン商品としても人気モデルとして注目されてきました。ビビットなカラーが目を引くモデルから、モードファッションにも合うモノクロカラーまで、カラーバリエーションも多く、デザインアップデート、マテリアルアップデートを重ねてきました。
また、衝撃緩衝材のGEL(ゲル)をミッドソールに多く配しているため、高いクッション性も特徴で、その履き心地の良さも人気の理由の一つだと思います」
――譲れないお気に入りのポイントは?
「ゲル クウォンタム 180は、ミッドソールのかかとから中足部にかけてGELを搭載することで、高いクッション性を実現しています。また、アッパーのベース素材をシームレスな構造にしながらも、スエードなどのクラシックなパーツがステッチダウンされている一方、全体の色を合わせることで違和感がうまく調和されたデザインになっていることが、このスニーカーのポイントです。
素材使いにこだわりがあり、モダンなアッパー構造の中にスエードなどのクラシックな要素が足され、過去と現代が融合したような素材使いだなと感じています」
ゲルクォンタム 360 4<GEL-QUANTUM 360 4>
ゲルクォンタム 360 4は、靴底全面に配置されたGELにより高いクッション性を実現したランニングシューズ。ユニークなメッシュと360°GELテクノロジーによって、快適な履き心地を追求。ランニングシーンだけでなく、カジュアルとしても履ける優れた1足です。
(4)ゲル ライト 3 OG<GEL-LYTE 3 OG>「かつてない斬新な機能とデザイン」
ゲル ライト 3 OG<GEL-LYTE 3 OG>の紹介記事が掲載されたのは、2020年11月。2020年はアシックスでゲルライト3が誕生して30周年を迎えた年でした。かつてない斬新な機能とデザインのシューズであるゲル ライト 3 OGについては、マーケティング統括部PRチームの長沢さんが語ってくれました。
――『ゲル ライト 3 OG』はどんなスニーカーですか?
「今回ご紹介するゲルライト3 OGは、“OG=オリジナル”という意味に込められているように、90年に発売したランニングシューズとしてのゲルライト3をベースに今年復刻したモデルです。
ゲルライト3は、ランニングシューズに使用される衝撃緩衝材“GEL”によるクッション性は維持しつつも、スタイリングの決め手となるデザイン進化をとげてきました。ベロ部と足首部を一体化させ、縦に大きく2分割する独自のスプリットタンが特徴。甲部分を包み込むようにフィットさせるため足入れ感が良く、履いている時もベロ部がズレにくい設計です。このスプリットタンの機能性の高さは、見た目以上に履いた時の感動が大きく、もし気になっている方がいれば、ぜひ試着していただきたいです」
――『ゲル ライト 3』の誕生秘話を教えてください。
「2020年はアシックスでゲルライト3が誕生してから30周年を迎える年で、グローバルレベルでこのアニバーサリーを盛り上げています。SNSでも過去に発売したゲルライト3の中から、自分の好きな1足を投票するキャンペーンを展開したり、とても大きな反響をいただきました。
30年前デザイン案を提示した当初は、一般的なデザインプロセスと異なり構造的にも複雑だったことから、実現するのはチャレンジングであると周囲から言われ、生産技術者からも理解を得られず、現場が混乱することもありました。しかし、常識にとらわれず信念をもって取り組む、当時のデザイナーの姿勢は最終的に受け入れられ、ゲルライト3の特徴的なシルエットとなった“スプリットタン”構造が実現し、かつてない斬新な機能とデザインのシューズが誕生しました」
(5)ゲル ライト 3 OG(オールレザー仕様)「アシックスってすごい」
オールレザー仕様のゲル ライト 3 OGについては2021年10月に、スポーツスタイルカテゴリー部(当時)の利川さんが語ってくれています。
――特におススメしたいポイントは?
「ベロ部と足首部を一体化させ、縦に大きく2分割する独自のスプリットタンが特徴のゲル ライト3なのですが、足入れがよく、とても履き心地が良いんです。その上脱ぎやすい。あと、今回のカラーは白と黒どちらもベーシックな色で、オールレザー。コーディネートを選ばずマッチしてくれるので、活躍の頻度が高いです! 見た目以上に履き心地が良く、シーンを選ばないので、ぜひたくさんの方にお気に入りのコーディネートと合わせていただきたいです」
――『ゲル ライト3 OG』とのストーリーを教えてください。
「アシックスに入るまで、普段履くスニーカーには特にこだわりもなく、興味もありませんでした。でも、アシックスに入社してゲル ライト3と出会い、「こんな形のシューズがあるんだぁ」と、初めて興味を持ったのを覚えています。オシャレな上に履き心地も良いところも気に入って、「アシックスってすごいなぁ」と(笑)。もうかれこれ何足、何色履いたか思い出せないくらい履いていますが、毎シーズン様々なカラーが出てくるので、自分の気分に合わせてカラーを変えたりして愛用しています。個人的にはこのオシャレかつ履き心地の良いゲル ライト3を、女性の方にももっと履いてもらいたいと思っています」