スリッポンは履き方次第で印象自由自在! スタイリスト・坂野陽子が教える履きこなし術&ママ世代コーデ特集
サンダルじゃラフすぎるけど、パンプスやスニーカーではキマリすぎる……。そんなときにオススメしたいのは、意外とどんなコーデにもぴったりフィットしてくれるスリッポン! 履きやすいうえに、ソックスとの合わせ方次第でキレイ目にもカジュアルにも振れる万能アイテムなのです。今回は、多方面で活躍中のスタイリスト・坂野陽子さんが、3パターンのスリッポン・コーデを考案、自ら着こなしを披露してくれました。ソックスとの合わせ方やトレンドの取り入れ方など具体的なポイントを押さえつつ、今季すぐに取り入れたい「スリッポンを使った大人のオシャレ」を提案します!
坂野陽子
スタイリスト。2007年横浜ビューティーアート専門学校 卒業、金子綾氏に師事後に独立。株式会社 f-me(ホーム)所属。VERY、GINGER等、女性誌を中心に活躍する人気スタイリスト。女らしさのなかにトレンド感をミックスしたスタイリングに定評あり。
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スタイリング①:素足風で魅せる、こなれ感たっぷりのかっちりコーデ
今季注目のデッキシューズ風スリッポンを取り入れた、ちょっぴりマニッシュな上級者コーデ。子どもの発表会やお呼ばれなどに着ていきたい、ワザありスタイルです。
「白×ベージュのトップスに黒のパンツを合わせた安定感のあるコーディネートです。素足風に見えるカバーソックスとアンクル丈のパンツを合わせることで、足首がしっかり見えてスッキリとした印象に。靴下が見えるくるぶしソックスだとスポーティな印象になってしまうので、カバーソックスは浅履きタイプのものがオススメ。今回合わせたレースアップのスリッポンのように、カジュアルなスタイルはもちろん今回のようなかっちりしたアイテムとの相性もいいので、コーデの幅が広がる便利なアイテムだと思います」
こんな合わせ方も!インスタグラマーの素足風スタイリング
簡単にオシャレ感が出せるビッグサイズTシャツ&スキニーパンツの王道シルエットに、Vヴァンズの代名詞・チェッカーフラッグ柄スリッポンをサクッとONしたラフなスタイル。素足風に履くことで足元に軽さが出せるうえ、スリッポンの存在感もより引き立ちます。
ピンクのワンピースを1枚でさらりと着こなすコーディネート。キレイ目な印象のワンピーススタイルを、モノトーンなスリッポンがしっかり引き締めています。ロング丈スカートと素足風のバランスも◎。
スタイリング②:素材感を意識した今っぽさ満点のキレイめコーデ
女性らしいシルエットと素材感でつくるキレイ目コーデに、あえてブラックのスリッポンをON。レディな雰囲気は崩さず、肩の力の抜けたリラックス感のあるスタイルに。
「ブラック一色のスリッポンをモードに履く、がテーマ。親しい人とのディナーに着ていきたいコーデをイメージしました。ツヤ感のあるブラウスと夏らしいリネンっぽいマキシ丈スカートで女性らしい雰囲気に。足元にもシアー素材のソックスを合わせることで、今っぽさを出しています。今夏のトレンドは、色×色。たとえば、パープルのアイテムなら同じ系統のブルーを合わせるとまとまりが出ますし、反対色のイエローを合わせればメリハリのついたコーデになります。今回は、上下が同系統の落ち着いたカラー&足元がブラックと一見重ためな印象になりがちな色使いなので、それぞれの素材感を変えることで軽さと立体感を演出してみました」
こんな合わせ方も!インスタグラマーの無地ソックススタイリング
白Tに細身デニム、足元はくるぶし丈の無地ソックスとスリッポンでアクセントを。ニットキャップとサングラスでストリートっぽく味付けしたカジュアルスタイル。トップスとソックスの色を揃えることでコーデの統一感がUP。自分らしい色に差し替えてみるのもオススメです!
スタイリング③:定番アイテムでつくる大人顔のカジュアルコーデ
Tシャツ&デニムスカートにスリッポンを合わせた正統派カジュアルコーデは、カラーバランスと小物使いで大人顔のデイリースタイルにアップデート。
「どんなコーデにも合わせやすい真っ白なスリッポンが主役のカジュアルコーデ。こういったカジュアルなもの同士を組み合わせるとご近所感が出てしまいがちですが、モノトーンを軸に落ち着いた色みで全体をまとめることで大人カジュアルを作ってみました。服自体のデザインがシンプルなぶん、小物使いでメリハリを。一番のポイントは、ラインソックス。カラー次第ではポップな印象になるアイテムですが、今回選んだカーキ×イエローのようなダウントーンのものであれば、程よいアクセントになってくれます。可愛い雰囲気をプラスしたいときはドット柄ソックスもオススメ、秋冬なら千鳥格子柄のソックスも相性◎! Tシャツやソックスの色を変えることで、気軽に自分らしいスタイルを楽しむことができると思います」
こんな合わせ方も!インスタグラマーの柄ソックススタイリング
ベージュのトップスと迷彩柄ソックスで、落ち着いたトーンながらストリート感のあるスタイルに。実はよく見るとバッグも迷彩柄! 小物同士の色柄や素材感を揃えるのは、取り入れやすいオシャレテクニック。ここでもチェッカーフラッグがアクセントとしていい仕事をしています!
シンプルなモノトーンコーデに白スリッポンでスッキリまとめつつ、あえてタイダイ柄ソックスを差し込んでポイントを。真っさらな無地のスリッポンは、柄ソックスとの相性抜群。ボーダーやストライプ、レース素材など、ソックスで個性を主張してみるのも楽しそう!
スタイリスト坂野さんにインタビュー!大人コーデのポイントは?
──スリッポンをコーデに取り入れるときのポイントを教えてください。
大人の女性がスリッポンを履くときに意識したいのは、ズバリ足首。スリッポン以外にも言えることですが、足の中で一番細い足首にポイントを置くことでコーデ全体にメリハリがつきます。たとえば、ソックスを合わせるなら足首丈のものを。太さが際立ってしまうふくらはぎ丈のソックスは避けたほうが無難です。また、素足風でスリッポンを履きこなすなら、足首がスッキリ見えるアンクル丈のパンツがオススメ。手持ちのパンツをロールアップしても可愛く履きこなせると思います。足が太く見えてしまう中途半端な丈感はNG。今年トレンドのショートパンツもぜひスリッポンと合わせてみて欲しいアイテムです。
──今回、撮影で履かれたヴァンズスリッポンの履き心地・デザインなどいかがでしたか?
どれも柔らかな足あたりで、履き心地が良かったです。一番しっくりきたのはレースアップのスリッポン。普段パンツスタイルが多いのですが、パンツに合わせやすいところと今回の3足の中でも一番カジュアルになりくいデッキシューズ風のデザインが気に入りました。私物でも『ヴァンズ(VANS)』のレザー素材の厚底スリッポンを持っているんですけど、モードな雰囲気にも合わせられるので重宝しています。
──今回提案していただいた3パターンのコーデから、改めてスリッポンの万能ぶりを感じることができました。
合わせるソックスや小物によって変化をつけやすいのが、スリッポンの魅力。ベーシックなスタイル〜かっちり目なスタイルにも合う便利なアイテムだと思います。履き続けることで足にしっくり馴染んでくるのも嬉しいですよね。スリッポンとひと口に言っても、様々な素材感やデザインがあるので、自分らしいスタイルを演出できる1足があるとファッションがもっと楽しくなると思います。
バリエーション豊富なヴァンズスリッポン
ヴァンズのクラシックラインの代表モデルであるスリッポンにシューレースをつけた、<レイシー(LACEY)>のコンフォートシリーズ。コーディネートしやすい絶妙なカラーリングと大人なパンツスタイルにもぴったりのデッキシューズ風デザインが目を引く1足です。インソールにはORTHOLITE素材に活性炭を配合。軽量・低反発性にプラスして消臭効果も兼ね備えたカップインソールが生み出す軽やかな履き心地も人気の理由です。
<SHOKUNINSLIP ON>は日本製素材を採用した、ジャパン・オリジナルを提案するコレクション。アーティスト、シェイパー、床屋、タトゥーアーティスト、シェフなど、“新しく何かを生み出す職人のためのシューズ”をコンセプトにしています。アッパーには撥水・防汚キャンバス、インソールにはカップソールを使用し、防滑リバースワッフルソールやカップソールを採用したインソールが足元をしっかりサポート。職人の足元をサポートする機能的なアイテムです。
<オールドスクール(OLD SKOOL)>や<エラ(ERA)>と並んで不動の人気を誇る<SLIP ON(スリッポン)>。シーズンカラーも発売毎に好評ですが、定番カラーは1足は持っておきたいスニーカー。ヴァンズのクラシックラインのアイコンモデルです。ワッフルソールとシンプルなデザインが特長で、スタイルを選ばず幅広いシチュエーションで活躍してくれる1足です。
歩きやすさと脱ぎ履きのしやすさ、そしてなによりオシャレであること! 忙しいママ世代のシューズ選びの絶対条件を備えたスリッポンは、1足あると重宝すること間違いなしのアイテムです。ぜひこの夏からファッションに取り入れてみては?
text by 野中ミサキ(NaNo. Works)
photo by 高見知香