ライフセーバーの森新太郎とサッカニーとめぐる、東京マラソンEXPO 2018レポート!
マラソンランナーを支援すべく、100社以上の企業やメーカーが最新アイテムを発表する場として「東京マラソンEXPO」が開催されているのをご存知でしょうか?
今回は、東京ビッグサイトで2月22日(木)から24日(土)にかけて開催された「東京マラソンEXPO 2018」をレポート! 案内役は、同イベントにも出展しているスポーツブランド『サッカニー(SAUCONY)』からスポンサーを受けているライフセーバーの森新太郎さん。東京マラソンEXPOやブースのレポートに加え、自身の仕事についてのインタビューもたっぷり伺った。
ランナーによる、ランナーのための日本最大級の展示会!
東京マラソンEXPOはランナーの受付を行うと同時に、すべてのランニングを愛する人たちに向けた、日本最大級の展示会として開催されている。
会場では協賛各社がブースを出展し、新商品の発表や会場限定アイテムの展示・販売に加え、最新のランニングマシンを使った体験型ブースなども楽しめる。スポーツブランドだけでなく、旅行会社や飲食メーカーなど、幅広い意味でランナーをサポートする場となっているのが特徴だ。
「良いアイテムがあったらライフセーバーの仕事に活かせるなと思って、毎年東京マラソンEXPOには来ています。ここで新たな繋がりができたらという気持ちもありますし、自分自身も広告塔になってライフセーバーというものを世の中に広めていきたいと思っているので、東京マラソンEXPOはその”きっかけ”を作る場ですね」(森さん)
アボット・ワールドマラソンメジャーズの展示エリアでは、サッカニーを履いたランナーを発見! サッカニーが世界のランナーにとって特別な存在だということを感じた瞬間だった。
誕生120年の名門ブランドがRUN YOUR WORLDを発信
アメリカ・ペンシルバニア州の小さな町、カッツタウンにあるサッカニー川の近くで産声を上げた誕生120年の名門ブランド、サッカニー。ランニングシューズに特化したブランドとして世界中のランナーから圧倒的な支持を得ている。今期からブランドのキーメッセージを「RUN YOUR WORLD」とし、ランナーの世界観を100%サポートするブランドとして新たなスタートを切った。
今回の東京マラソンEXPO 2018ではサッカニーの代表的モデル・キンバラ 9<KINVARA 9>や昨年デビューした高次元クッショニングモデル・フリーダム アイエスオー<FREEDOM ISO>などのシューズの展示・販売に加え、ブースにはサッカニーのテクノロジーを生かしたカジュアルテイストのウェアもラインナップされていた。
「サッカニーさんと出会ったのは2年前の東京マラソンEXPO。終わる15分前ぐらいに、ブースに飛び込んだんですよね。アメリカで最古のランニングシューズのブランドだと聞いて驚きましたし、サッカニーがプロダクトとして持つ強みと、僕のビーチスプリントで求める要素が合致したんです。そこからはずっとサッカニーさんにはお世話になりっぱなしです」
当日、森さんが履いていたのはリバティー アイエスオー<LIBERTY ISO>。高いクッション性と反発生を発揮する“EVERUN”をトップソール全体とミッドソールに採用。さらに安定性を生む“MEDIAL POST”も搭載したこのモデルは、「ブランド史上、最高レベルの安定性」と謳われているイチ押しモデルだ。
「履くとリハビリされているような感覚ですね。砂浜の競技って1ヵ月トレーニングしたものでも、身体が傾いたり、踏み方が変わったりすると1日で壊しがちなんですよ。トレーニングしながらリハビリができる――これはそんな感覚のシューズです」
また今回のEXPOでは、日本の和をコンセプトにしたフリーダム アイエスオー ジャパン リミテッド<FREEDOM ISO JAPAN LIMITED>も登場。市松桜と流行りのチェッカード模様を掛け合わせ、クリアなアウトソールにもチェッカー柄をプリント! このモデルは今後、アジア圏でのイベント会場でも発売されていくという。
ライフセービングとリハビリの根本はコミュニケーション
森さんがライフセーバーの仕事を始めたのは大学生になってから。高校までは野球をやっていたが、肘を壊してしまったことで断念することになってしまった。
「大学の頃、自分の力を誰かのために活かせる部活はないかと考えていた時期に出会ったのがライフセービングでした。もともと海は見るのは好きでしたが…泳げなかったんですよ。地元は神奈川県なんですけど、東京寄りで海沿いではなかったんです。最初は50mプールを40秒ぐらいかかってましたけど、すぐに上達しましたね」
森さんはライフセーバーをやりながら、リハビリセンターでも働いている。そこでの経験は、ライフセーバーにも活きているという。
「やっぱり患者さんとトレーナーの信頼関係があるからこそ、リハビリの効果も上がるんです。そういう意味では、ライフセーバーもどれだけお客さんとコミュニケーションを取れるかが大事で、それによって海の楽しさと怖さ、その両方をしっかりと伝えられる。あと逆にライフセービングでは人を運んだり、持ち上げたりを訓練でやるんですが、リハビリセンターでは脳卒中の患者さんも多いので、そういう時などにライフセービングの技術は活きてきます」
森さんにとってのライフセーバーの醍醐味、それは“笑顔”。
「子どもとかが楽しんでいる姿を見るのが一番嬉しいですし、何事もなく1日が終わればよかったな…って充実感があります。やっぱ笑顔で帰ってくれるのが一番ですね」
ライフセーバーは2年に1回、世界大会があり、毎年日本で開催される国際大会もある。
「海外のライフセーバーたちは日常的に海に近い場所に住んでたりするので、僕はその分を埋めるトレーニングを積んでいかなきゃなとは常に考えています。今年は11月末に世界大会があるので、ビーチスプリントとビーチフラッグの2冠を目指します。ただ6月の全日本選手権があって、そこで勝たないと日本代表にはなれないのでそこがまず目標ですね」
期待と興奮を胸に本番を待ちわびるランナーが集った東京マラソンEXPO。そこにはそんなランナーたちのために、さまざまな企業、メーカー、ブランドが最新&最高のアイテムをラインナップして待ち受けていた。
マラソンはみんなで走り、楽しむ醍醐味がある。その点において“サポートの精神”は、この競技の大事なエッセンスなのかもしれない。サッカニーはランニングシューズを通して、森さんはライフセーバーやリハビリを通して「誰かをサポートする」。そんな人々のポジティブで清々しいオーラをたっぷり浴びて、東京ビッグサイトを後にした。
INTERVIEW / TEXT:ラスカル(NaNo.works)
PHOTO:Masaru Kato