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“あえて”の大きめサイズの靴はいいの?悪いの?靴のコンサルタントが指南

2018.11.21

皆さんは靴を買う際にどのようなサイズを選んでいますか? 全身のコーデを考えた時や、バランスを考えた時、小さめの靴だと足元がやや寂しく見えてしまうことも。靴好きの方の中には、“あえて”大きめの靴を選ぶ方もいますよね。ただ、大きめのサイズ選びは、足のトラブルの原因になることも!足への悪影響をご紹介します。

足のトラブルのほとんどは“大きすぎる靴”のせい


靴選びの際、大きめサイズの方がゆとりもあって、足にとっても楽なのではと考えがちです。もちろん窮屈な靴で一日中、足を締め付けていることはよくありませんが、この大きめサイズも気を付けなくてはなりません。

「足のトラブルのほとんどは“大きすぎる靴”のせい」

こう指摘するのは、靴を売らない靴屋として6年間で3500名以上の足を計測し、アドバイスを行なっている靴のコンサルタントであり、シューフィット・神戸屋の西村泰紀さんです。自著『その靴、痛くないですか?』の中で、上記のように足のトラブルの原因の多くに、大きなサイズの靴が影響しているというのです。

足のトラブルというと、開帳足や外反母趾、内反小趾、タコ、靴擦れといったもの。西村さんのところに相談に来る方の多くが、ご自身の足の幅が狭いことに気付かず、その足に合っていない靴を選んでしまっているとのこと。

“あえて”の大きめサイズの靴はいいの?悪いの?靴のコンサルタントが指南

大きすぎる靴では筋肉が正しく使えなくなる


自身の足幅よりも大きな靴を履いていた場合、靴の中ではどのような動きになっているのか、想像してみましょう。本来、靴のサイズと足幅のサイズがちょうどの場合、きっちり固定されていて靴の中で足が動くことはほぼありません。ですが、細い足幅に対して靴の方が大きかった場合、足が前にすべって靴先の捨て寸部分にまで足が入り込んでしまいます。

大きすぎる靴を履くことで心配なのが、「筋肉が正しく使えなくなること」だと西村さんは警鐘を鳴らします。

ぶかぶかの靴を履いていると、靴の中で足の指は靴をつかむような動きをします。そうでもしないと靴が脱げてしまいそうになりますもんね。

「筋肉は一度にひとつの動作しかできないので、足の指が靴を『つかむ』動作をすると、歩くときの足の指の役目である『地面を蹴る(押す)』という動作ができなくなってしまいます。

歩くときには、足指の筋肉→足裏の筋肉(足裏のアーチ)→ふくらはぎの筋肉、と筋肉は足の指から体の上に向かって連携して働いています。

最初に起こる足指の『蹴る』動作ができず、『つかむ』動作をしてしまうのです。すると、それに続く足裏からふくらはぎ、ひいては太ももや上半身までつながる筋肉の動きがスムーズに伝わらなくなってしまい、正しい歩き方ができなくなります」

(『その靴、痛くないですか?』、飛鳥新社、B01LXV05WG、2016/8/31)

本来ならば、足の裏の骨や筋肉が連動して、綺麗な歩き方となっているのですが、大きなサイズの靴を履くことによって、バランスを崩してしまうんですね。また、足の指が靴をつかむ動きをしなければ、靴を引きずるような歩き方になってしまい、これはこれでみっともない。

“あえて”の大きめサイズの靴はいいの?悪いの?靴のコンサルタントが指南

いかがでしたでしょうか。足元にボリュームを持たせた方が、オシャレに見えることもあるのですが、実際には、正しい歩き方ができなくなり、不恰好になってしまうのです。自分の足にあった靴を見つけることが、オシャレへの第一歩なのかもしれませんね。お店のスタッフに相談しながら最適の靴を選ぶと良いでしょう。

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