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松久淳さんの著書『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』から読み解くマラソンの魅力

2019.12.31

2020年3月に開かれる東京マラソンの一般申し込み者数は29万3275人、定員2万6370人に対して11.1倍の倍率だったそうです。すっかりブームが定着したマラソン。運動神経の良い人やスポーツ経験のある人がやるスポーツだと思っていませんか? そんなイメージを覆したのが小説家・松久淳さん。雑誌『Tarzan』の人気連載をまとめた『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』から、マラソンの魅力を紐解きます。

松久淳さんの気づき1. マニアはマラソンに向いている

松久さんは小説家として日中部屋でパソコンと向き合い、真夜中から朝までお酒を飲み、昼過ぎに起きるといったライフスタイル。マラソンとは程遠い生活を送ってきました。

しかし、度重なる体調不良、自律神経失調症により、45歳にして運動を決意します。距離を伸ばし、約2年後にはフルマラソンの大会に出場するまでになった様子をコミカルに描いた『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』。松久さんはどのようにしてマラソンにハマったのでしょうか?

松久さんが走り始めてから気付いたのは、実は小説家はマラソンに向いているということ。マニア癖のある人ほど、マラソンに向いているというのです。

一人でいることが苦にならない。目標を立てて、黙々とそれを遂行できる。コンプリート癖、マニア癖がある。
これは全てが小説家の素質でもある、というとなんかかっこいいが、まあ簡単に言うと、団体行動が嫌いなマニアは、意外にランニングに向いていた、ということになる。
そしてまだこの時期には知らなかったが、やがて、今日は何キロ走ろう、どこまで走ろう、月に何キロ達成しようとモチベーションを上げて走るようになる。まさにこれはフィジカルな問題よりも、マニア体質に直結しているような気がする。体が欲して走るよりも、ラン用アプリの結果を見るのが楽しみで走るという、健康的な本末転倒ぶり。

(松久淳、『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』、山と渓谷社、2019年、14-15ページ)

マラソンは、何かに熱中し集中しやすい方や目標を達成していくのが好きな方にぴったりのスポーツ。今はランアプリがたくさん出ているので、自分の記録を測りやすくなり、ますますその魅力が増しています。誰かと競争するスポーツではなく、自分のタイムやキロ数を伸ばして楽しむことができるので、意外にスポーツ未経験者におすすめのスポーツなんです。

松久淳さんの著書『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』から読み解くマラソンの魅力

松久淳さんの気づき2. 同じ景色は飽きる。そんな方におすすめの街ラン

松久さんがマラソンのお供に使用したのが、ラン用アプリとネットの『地図で距離計測』。地図でクリックした地点と地点の距離を計測できるもので、そこで距離を予め計測してルートを決めることができます。先にルートを決めておけば、迷子になってとんでもない距離を走る羽目になった、ということもなくなります。

また、近所が飽きたらなくなってきた松久さんは、電車で移動してから走って戻ってくる『電車でラン』を編み出します。時にはレインボーブリッジを渡ったり、神奈川県まで行った結果戻れなくなったりというハプニングも。普段は電車や車ですぐに過ぎてしまう場所の景色を走りながら堪能できるのも、マラソンの魅力ですね。

3. もっと気軽にマラソンを

インドア派の方にもおすすめのマラソンの楽しみ方をご紹介しました。実は、街ランはマラソンランナーも取り入れている走り方。様々な街並みを楽しむことができるので、走る楽しみが増えてタイムも伸びやすくなります。ぜひ気軽に、日々の生活の中にマラソンを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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