コンバース『レザー オールスター クップ OX』の物語【コンバース担当者がスニーカーを語る】
スニーカーの数だけ物語がある。また、そのスニーカーを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのスニーカーに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのスニーカーを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のスニーカー、今回は『コンバース(CONVERSE)』のレザー オールスター クップ OX<LEATHER ALL STAR COUPE OX>です。
コンバースジャパン株式会社、企画本部企画部マーケティング課の田中周平課長が、定番スニーカーをドレッシーにアレンジし、カジュアルすぎないオシャレを演出してくれるレザー仕様のスニーカーについて語ってくれました。
コンバースジャパン 企画本部企画部マーケティング課 課長
田中周平さん
定番のオールスターを、キレイ目にアレンジ
――『レザー オールスター クップ OX』はどんなスニーカーですか?
ソールの形状を表す『カップ』のフランス語を採用した名前の通り、従来アメリカンカジュアルの代表格のオールスターを、ドレッシーにアレンジしたシューズです。
元々オールスターは、1917年にバスケットボールシューズとして発売以降、現在まで幅広いお客様に愛されておりました。ただ、ビジネスカジュアルや少しドレッシーなコーディネートにおいては、足元の“外し”の役割を担うことが多いと感じておりました。
お客様の様々なライフスタイルに提案をしていく中で、オールスターを少しキレイ目にアレンジしたデザインが提案出来たら、きっとお客様に喜んでいただけるのではないかという考えの元、2018年にデビューしました。
アッパーに上質なレザーを使用し、従来のバルカナイズド製法ではなく、ラバーのカップソール仕様に仕上げ、ハトメのないシューホールや切りっぱなしのタン、ゴールドの箔プリント仕様のロゴを採用することで、ドレッシーさを追求。また、軽量性とクッション性に優れたE.V.A.カップインソールを採用しており、快適な履き心地も実現しております。
コンバースにしか出せないドレススニーカー
――譲れないお気に入りのポイントは?
ディテールの全てがお気に入りなのですが、1つ挙げるとしたらソールではないでしょうか。
先ほど触れたように、ラバーのカップソール仕様を採用しているのですが、そこに革靴などで用いられるマッケイ糸を入れることで、ドレスシューズ感というものをアップさせている点がお気に入りのポイントです。
また、オールスターのつま先に見られるトウガード(つま先の補強のための模様のついたラバーテープ)を一体のデザインとして組み込んだこともポイントです。オールスターらしさを付加することで、コンバースにしか出せないドレススニーカーという雰囲気を一層演出しています。
その他にも、タンとインソールに採用しているゴールドの箔プリント仕様のロゴもさりげなく大人の雰囲気を醸し出すのに一役買っている点にも注目です。
“オールスターらしさ”を残し、ストリートからラグジュアリーまで
――『レザー オールスター クップ OX』とのストーリーを教えてください。
オールスターの要素を残しつつも、きれいに履いていただけるようにデザインの取捨選択に苦労したことが、今となっては良い思い出です。例えば、オールスターはハトメという金具の付いたデザインですが、オールスター クップに関しては、カジュアルさを排除するためにシューホールにハトメを使用しないデザインを採用しました。また、オールスターらしさを残すため、トウキャップは残したデザインに仕上げました。
こうしてあらゆるディテールにおける“らしさ”と、履いていただきたいお客様像と常に照らし合わせながらパーツを組み合わせていったことが非常に大変な作業でした。そんな苦労の甲斐もあり、ストリートからラグジュアリーまで、幅広いスタイリングにマッチするバランスの良いデザインに仕上がりました。
「スニーカーを履きたいけど少しカジュアルすぎる」と思っていらっしゃる方にはぴったりのシューズだと、自信を持ってオススメいたします!