ニューバランス『デニムパック』の物語【ニューバランス担当者がスニーカーを語る】
スニーカーの数だけ物語がある。また、そのスニーカーを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのスニーカーに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのスニーカーを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のスニーカー、今回はアメリカ・ボストンで生まれたシューズブランド『ニューバランス(NEW BALANCE)』の『デニムパック』です。
3つのモデルをデニムで表現したこだわりの限定パックについて、株式会社ニューバランスジャパン・マーケティング部PRシニアスペシャリストの小澤真琴さんが語ってくれました。
ニューバランスジャパン
マーケティング部PRシニアスペシャリスト
小澤真琴さん
人気の3モデルをデニムで表現した限定パック
――『デニムパック』とは、どんなスニーカーですか?
今回ご紹介する『デニムパック』とは、ニューバランスが今年注力している3つのモデルをデニムで表現した限定パックです。それぞれのアイテムに合わせてデニムのあしらいを変えたこだわりのシリーズ。選ばれた3つのモデルについて詳しくお伝えします!
ニューバランスのアイコニックモデル『574』
まずは世界中で一番多くの人に履かれてきたニューバランスシューズである『574』。1980年代に誕生したオフロードシューズ『576』を元に生まれたニューバランスのアイコニックモデルです。大きめのNロゴのシンプルなデザインは、皆さんがニューバランスと聞いて一番に思い浮かべるデザインなのではないでしょうか。
シーズンごとに様々なカラーや素材でデザインされてきた『574』を今回は2種類のデニムで表現しています。一見ワントーンに見えるデニムですが、実は微妙な色の差をつけています。オーバーレイには深みのあるダークデニムを、アンダーレイには同じく深みがありながら、ほんの少しだけ薄めのトーンのデニムを採用し、わずかなコントラストを付けています。
タンラベルとヒールタブには高品質のフルグレインレザーを採用。デニムパンツに見られるレザーパッチからインスパイアされたデザインです。シューレースホールにはデニムのリベットをイメージしたアンティーク加工を施したアイレットを採用。ディテールにまでこだわった1足です。
過去の名作をアレンジした『5740』
『5740』は、今年新たに生まれたモデル。呼び方は『フィフティセブンフォーティ』です。80年代をルーツに持つ『574』に90年代のウェービーなソールデザインやボリューム感を組み合わせて“今”の時代にシフトさせて誕生しました。昨年登場し話題となった『327』のように、大きなNロゴが特長のデザインです。
ニューバランスのライフスタイルカテゴリーのシューズは、過去のランニングシューズなどを復刻したものが多いのですが、昨年の『327』やこの『5740』は全く新しくデザインされたモデルなんです。過去の名品からデザインインスピレーションを得て、現代に向けてアレンジを加えています。昔からのファンを裏切ることなく、新しさを表現することは至難の業でしたが、新たに誕生した『5740』みなさんいかがでしょうか。
今回はこの『5740』をデニムで表現するにあたり、アッパーにはウォッシュドデニムとヌバックを組み合わせています。オーバーレイにはニュアンスのある薄いブルーの模様を感じるヌバック、アンダーレイは濃く深みのあるデニムを採用。タンにはソフトなシンセティックレザーを採用し、フィット性も向上しています。Nロゴとヒールにはシルバーの再帰反射素材を採用し、ニューバランスのクラシックなランニングシューズをイメージしています。2層になったミッドソールは白とライトグレーに色分けされ、ウェービーなソールデザインを強調しています。
シンプルなデザインながら、異素材をミックスした『BB480』
ニューバランスは、NBAで活躍するLAクリッパーズ所属のカワイ・レナード選手をTeam NB(ニューバランスが応援するアスリート、コーチ、トレーナーグループ)のアスリートとして迎え、2019年NBAオールスターゲームで彼のシグニチャーモデルを発表し、再びバスケットボールカテゴリーに参入しました。そして2020年2月にはNBAとオフィシャルマーケティングパートナー契約を締結。「NB HOOPS」という呼称でバスケットボールシーンに様々なプロダクトを提案しています。
今回の『BB480』は、1980年代にアメリカで発売された競技者向けのバスケットボールシューズの復刻のローカットバージョン。クラシカルなこのシューズは、今年ファッションアイテムとして様々なカラーで提案していますが、このデニムパックでは、デニムとピッグスキンスエードを組み合わせています。オーバーレイには質感が高く程よく毛足の短いウルバリン社製のピッグスキンスエードを採用。アンダーレイにはデニムを採用し、トーンを合わせた濃紺の中にも異なる質感の素材を組み合わせた味のあるデザインです。バックタブにはブラウンレザーを採用し、アクセントに。Nロゴとミッドソールはオフホワイトでカジュアル感をプラスし、抜け感を持たせています。シンプルなデザインながら、異素材をミックスしたこだわりの1足です。
今までのニューバランスとは一味違うコーデを
わたしは白いロングスカートやワンピースに5740に合わせたいなと思っています。深いカラーの574デニムは、パンツの裾との間に足首をちらりと見せて抜けを作ってあげるとバランスが良さそうです。BB480は、ピッグスキンスエードの風合いが秋にも合いそう。デニム素材を全身コーディネートのスパイスに効かせて、ぜひ楽しんでいただきたいです。
それぞれに異なる仕様でデニムを表現したこだわりのシリーズ。お気に入りを見つけて、今までのニューバランスとは一味違うコーディネートを楽しんで頂けたら嬉しいです。