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つらい靴擦れを防ぐには?原因と解決方法を伝授!

2021.09.20

せっかく新しい靴を履いてお出かけしたのに、靴擦れで辛い思いをした経験は誰にでもあるはず。痛さでショッピングやイベントなどが楽しめなかったり、お仕事に支障をきたしてしまったり……。出先だとすぐに対処できずに困ることもありますね。今回はシューエデュケーション®の研究者・吉村眞由美さんのアドバイスを交えて、靴擦れの原因と対策、応急処置方法をご紹介します。

つらい靴擦れを防ぐには?原因と解決方法を伝授!

吉村眞由美
【専門分野】人間工学と靴医学に基づいた、子どもの健全育成ならびに安全・事故予防を可能とする総合的教育システム“シューエデュケーションⓇ”の構築、ならびにその指導者“シューエデュケーターⓇ”の育成を行っている国内初の研究者。【略歴】博士(学術)。元 金城学院大学生活環境学部 教授。現 早稲田大学人間科学部通信教育課程教育コーチ、実践女子大学非常勤講師、白梅学園大学非常勤講師、道灌山保育福祉専門学校専任講師。【学会活動ならびに役職】日本靴医学会 小児の足と靴を考える委員会委員長・評議員、日本外来小児科学会 代議員、日本レジャー・レクリエーション学会 常任理事、公益財団法人 日本学校体育研究連合 足育調査研究委員ほか。【著書・教科書】ななみ書房「知っておきたいヨーロッパ流子どもの足と靴の知識」(監修翻訳)、建帛社「コンパス保育内容(健康)」ほか。
official site研究者情報

靴擦れが起こる主な原因3つ

①靴のサイズが大きい

靴擦れは靴がキツいから起こる、圧迫されて擦れる、と思っている方も多いはず。しかし実際は靴が大きいせいで起きることが大部分。靴が足のサイズに合っておらず、靴の中で足が動いて靴擦れの部位に何度も擦れることによって起こります。

つらい靴擦れを防ぐには?原因と解決方法を伝授!
特に女性には買いたてのパンプスやサンダルでかかとに靴擦れができるイメージがあるかもしれません。パンプスは前傾しているため、試着した時は合っていると感じても実際に履くと靴の中で足が前に滑ってかかとに隙間ができてしまいます。この隙間は一歩踏み出すたびにかかとに寄ったり、つま先に寄ったり、100歩歩けばかかとやつま先は100回強く摩擦と圧迫を受けることになります。この繰り返しで患部が赤くなったり、水ぶくれになったり、破れて傷になったりということが起き、靴擦れができるのです。

また、スニーカーや革靴などのフラットシューズでもサイズが合っていなければ靴擦れは起こります。パンプスと原理は同じです。

靴擦れを起こす人の中には本来の自分の足に合ったサイズより大きいサイズの靴を履いていた、という人も少なくありません。ちょっとゆとりのある大きめの靴に安心感があるのは日本人が子どもの頃から親に大きめの靴を買い与えられることが理由の一つ。大人になってもちょうどいいサイズをキツいと感じる靴感覚(※)が当たり前になってしまい、適正サイズより大きい靴を選んでしまう傾向があります。

※靴感覚…靴を履いている時の足の感覚のこと(シューエデュケーション®用語)

②足型に合っていない

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足の長さや幅、甲の高さは人によって違いますが、自分の足のプロポーションを知らない人は意外と多いと思います。特にかかとの幅が細めの方はその分靴の中でかかとが浮きやすいため、靴擦れが起こりやすいです。

③細い甲ベルトやかかとのベルトによる足への圧迫

甲やかかとのベルトが細めのサンダルは、太めの物に比べて足への荷重が集中して足のトラブルが起きやすくなります。スニーカーなど足全体を包み込む形状の靴であれば足の甲全体で圧力を受け止められますが、細いベルトのサンダルだとベルト部分に強い圧力がかかるため、より靴擦れが起こりやすい状態になります。また、伸縮性に乏しく、硬い素材のものも、より摩擦が起こりやすいので注意が必要です。長時間や長距離の使用を避けるように心がけると良いでしょう。

靴擦れを防ぐ方法って?

自分の足のプロポーションにあった靴を選ぶ

自分の足にフィットするサイズや形状を知り、合った靴を選ぶようにしましょう。そのためには試し履きによるチェックがとても重要です。シューフィッターの方に足幅が細めなのか太めなのか、また甲の位置は高いのか低いのかなど、自分の足のプロポーションを教えてもらい、それに合わせて靴を選ぶのもおすすめの方法です。ひとりひとり顔が違うように足の形も人それぞれなので、自分の個性に合った靴の情報を靴屋さんでアドバイスをもらってぜひ集めてみましょう。

ベルトを調節してフィットさせる

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留め具やベルトがある靴の場合、足に合わせてフィットさせられるチャンスです。ぜひ足に合わせて調節をしましょう。例えば甲ベルトやかかとベルトがフィットする位置にホールがない場合は自分にぴったりのマイホールを開けるのがおすすめです。そうすると足が動かなくなるため靴擦れも起こりにくく、また疲れにくくなります。特に足幅の細い人が注意して頂きたいのはベルトが長すぎる状態で履いてしまうことです。その他、足の左右差があることも少なくないので、必ず左右別々に確認をして、ぜひぴったりの長さでホールの位置を決めてみてください。特に注意が必要なのはヒールの高いパンプスです。例えるなら滑り台の上に立っている状態なので、必ずベルトを合わせて、足が前滑りしないよう調節をしましょう。

困ったときの応急処置方法!

靴の中&足の汗を拭いてさっぱりさせる

つらい靴擦れを防ぐには?原因と解決方法を伝授!

パンプスやサンダルなどヒールに高さがある靴は、足が前滑りを起こし、小指やかかとが靴先に押し込められて小指の横などに水ぶくれや靴擦れを起こすことも考えられます。また、ストッキングを履いているとより足と靴が滑りやすくなります。これを防ぐには、湿り気を抑えて足を動きにくくすることも一つの方法。一回靴を脱ぎ、足をウエットティッシュなどで拭いてさっぱりさせましょう。さらに靴の中が湿りすぎていると滑りやすいので、濡れてツルツルするようなら乾いたティッシュなどで拭き、足が靴の中で踏みとどまれるような状態に戻します。もし靴擦れが起こってしまったら絆創膏などでケアするのが良いでしょう。

パンプスインソックスで吸水性とフィット感をアップ

つらい靴擦れを防ぐには?原因と解決方法を伝授!
特におすすめなのがパンプスインソックスです。出先で買うことができれば一枚履くだけでも、フィット感が大きくアップします。足の汗も吸収してくれるので前に滑りにくくなります。その他、滑り止め機能のあるインソールを爪先やかかとに入れたり、中敷で調整したりするのもおすすめの対処法です。

革靴は靴紐の結び直しが有効

革靴やビジネスシューズを履いて起こる靴擦れには靴紐を結び直すことが有効です。特に男性の靴はフラットですので、しっかりとかかとを着き、指で蹴る歩き方になるため、靴紐が緩むことが多いようです。もし靴紐が解けてきてしまった場合は正しい履き方をしてみましょう。かかとをトントンと地面に打ちます。靴の後端にかかとをぴったりにつけた状態で靴紐を締め直してみましょう。また、汗で靴の中が濡れると足が靴の中で滑りやすくなるためマナーやシーンに合う範囲で、吸湿性のいい綿混や麻混紡の靴下を履くことで滑りにくくするのがおすすめです。

靴擦れしにくい靴選びを参考に、自分に合った好きな靴でおしゃれやお出かけを楽しみましょう!

text by 石角友香
photo by Kohichi Ogasahara

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