【街に馴染むあの頃の定番スニーカー】普遍的かつ丈夫・ヴァンズ『オールドスクール』
例えば、1990年代ごろの、その昔。僕たち私たちを魅了してやまなかった、あのブランドのあのモデルのスニーカー。カッコよくって光輝いていて、手に入れるために必死に頑張ったっけ。
……と、エモな思い出が蘇ってくる世代も、当時はまだ幼かった若者世代も。
あの頃のスニーカーには、どこか特別な意味がある。だから今もなお愛され、リバイバルするのだろう。
本特集では、そんなスニーカーを愛用している、“kicksラバー”にインタビュー。愛してやまない“あのモデル”について、たっぷりと話を聞きました。
あの頃の定番スニーカー・ヴァンズ『オールドスクール』の魅力
今回話を聞いたのは、『ヴァンズ(VANS)』のオールドスクール<OLD SKOOL>を愛用している@stankey8436さん。
――購入した理由やキッカケは?
もちろん昔から存在は知っているし、カッコいいなとは思っていたんですが、10代20代の頃はどちらかというと今でいう「ハイプ」なモノ、限定モノや注目を集めるようなスニーカーを集めていて、いつでもどこでも買える定番のインラインって、何となく手に取らなかったんです。ですが20代後半になった10年ほど前、そういった普遍的なもののよさに気づけるようになり、ようやく手を出したという感じでした。
――お気に入りのポイントは?
シンプルにデザインが好きです。トゥの形やシューレースとのバランス、スエードとキャンバスの組み合わせ、主張しすぎないけどアクセントになるジャズストライプ。前からも、横からも、シルエットがシュッとしていて、完成されてるなと思います。あとはやっぱりルーツがエクストリームなだけに、丈夫なところ。履き潰したらまた同じの買おうとずっと思っていますが、普通に履いて10年経っても、全然潰れない……(笑)
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは?
ヴァンズはちょっと汚れてる位がカッコイイなと思っていて、手入れもキレイになりすぎないように。形的にはクラシックで、色も黒白なので、何にどう合わせても、どう履いてもハマってくれます。デニムやチノなどのカジュアルはもちろん、ウールのトラウザーズと合わせても程よい気楽さを出してくれるので、重宝しています。
――kicksラバーになったキッカケは?
中学1年の頃は、エアマックス 95<AIR MAX 95>が社会現象化して、スニーカーが一大ムーブメントを巻き起こした時期でした。当然、エアマックス95は雲の上の存在として、ただ、何が何でもビジブルエアのハイテクスニーカーが欲しい、とお小遣いを握りしめて自分で初めて買いに行ったのが、『ナイキ(NIKE)』のトライアックス<TRIAX>です。それに合わせるナイキのウインドブレーカーを買ってみたり、チャンピオンのスウェットを買ってみたり。ダサダサの中坊だった自分が、ファッション自体に興味を持ったきっかけでもあります。
――あなたにとってスニーカーとは?
心躍るモノです。
数あるファッションアイテムの中でも靴、特にスニーカーは、手に入れたときの喜びが群を抜いてるんですよね。アウターやパンツを試着して買っての高揚感はあっても、家に帰って今一度手に取って眺めたりはしない。ただスニーカーだと、それが何度も手に取って眺めてしまう。そういった魅力が世界中にコレクターをつくり、スニーカーブームという熱狂を生み出すのだと思います。
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
自分は80年代生まれで、スニーカーはじめファッションに色気づくタイミングが90年代後半でした。当時は◯◯系という言葉が乱立した時代で、古着系、モード系、B系、サーフ系、裏原系……と、情報の発信源はファッション誌と芸能人で、流行り廃りのサイクルも今より早かった。自分も次々提案されるトレンドに影響を受けて、欲しい服や買うスニーカーの系統が、毎年変わっていきました。
大人になって何となく好きな方向性が固まってきましたが、今もその名残で、古着一辺の日もあれば、ストリートに寄せてみたり、ナチュラル系な日があったり。今は学生時代と比べて余裕も出てきたので、日替わりでファッションテイストの幅を楽しめるようになってきました。なので、スニーカーも定番から最新モデルまで、幅広く楽しんでいきたいですね。
あの頃の定番スニーカー・ヴァンズ『オールドスクール』とは
スケート・ストリートカルチャーをリードするスニーカーブランド『ヴァンズ』の代表的なモデル。スニーカーラバーなら誰しもが1足以上は所有、特段そうでなくともその履きやすさと合わせやすさから愛用しているという人も多い、あまりにも有名すぎる逸品。デビューは、1977年。創業者のポール・ヴァン・ドーレンによるランダムなスケッチからデザインされ、ヴァンズのアイコンでもあるシグネチャーラインがはじめて採用されました。デビューも多くのスケーターたちの支持を受け、スケートボードで磨耗しやすいパーツに補強を入れたりとモデルチェンジを重ね、アップデートし続けています。