バスケと音楽によって作られた王道スニーカー、アディダスのスーパースター
トレンドの移り変わりが大きいシューズ業界において、流行に左右されない王道のスニーカーをご紹介。今回は、『アディダス(adidas)』の王道と呼ばれるスーパースター<SUPERSTAR>。その名前からも王道の雰囲気が漂っていますね。
スーパースターはまさに名実ともに流行を超えた定番のスニーカー。しかし、その大ヒットの裏には意外な歴史が!?今回は、このスーパースターについて掘り下げていきます!
NBA優勝の立役者!?バスケットボールシューズとしてデビューしたスーパースター
アディダスがスーパースターをリリースしたのは1969年、バスケットボールシューズとしてコートにデビューしました。スーパースターの売りは、高いフィット感と頑丈な耐久性。「足に靴がプリントされているよう」とNBA選手が絶賛したこともあるそうです。
その高い性能から、NBA選手の間で徐々に人気が出ました。そして1974年、スーパースターを履いた選手が多く所属するチームがNBAで優勝すると、その人気は最高潮に!その人気ぶりは、スニーカー雑誌『MONOQLOスニーカー』ではこのように書かれています。
70年代半ばには「NBA選手の約75%が着用していた」と言われるほど、定番スニーカーへと登り詰めた。
こうしてスーパースターはバスケットボール界において、王道のシューズとしての地位を築きました。しかし、当時はまだストリートで履く人は多くありませんでした。今のように普段履きのスニーカーとして愛されるまでに、もう1つきっかけがあったのです。
音楽がストリートとスーパースターを繋いだ
スーパースターがストリートで普及したきっかけ、それは意外にも音楽でした。不思議な縁がスーパースターを多くの人々へ広めていったのです。
それは、ニューヨーク出身のヒップホップグループがスーパースターを履いて歌っていたことに始まりました。しかし、ただ普通に履いていたわけではありません。彼らはなんとスーパースターを紐なしで履いていたのです!その斬新な履き方は大きな反響を呼び、たちまち若者の間で話題になりました。
それからヒップホップバンドの真似をして、ストリートでスーパースターを履く若者が急増しました。いつの時代にもカリスマは存在するものですね。
スポーツ用のシューズがファッションアイテムになる例はよくありますが、このスーパースターはその中でも特殊な例と言えるでしょう。
バスケットボールをプレイするのにも耐えられるほどの強度と、気持ち良いフィット感はストリートにも最適でした。こうしてスーパースターは、バスケットシューズからファッションアイテムとしての定番スニーカーとして時代とともに変わっていったのです。
1969年の発表以来、45年以上経っても輝き続けるスーパースターの魅力、それを一言で表せば『クラシカルな主張』だと思われます。スーパースターの3ストライプ(3本線)は存在感が強く、すぐにそれとわかります。
ただその存在感が良いんですよね。例えばコーディネートが控えめになってしまったとき、スーパースターを履くとそれがファッションのポイントアイテムとなって、上手くまとめることができます。コーディネートの主役にもなれるスニーカーなのです。
もちろん、その主張も決して下品なものではありません。昔の技術が匂わせる上品な雰囲気、王道のスニーカーにふさわしいクラシカルな雰囲気がスーパースターの魅力です。コーディネートがまとまらない方は、一度合わせてみると面白いかもしれませんよ。
これからも王道のスニーカーであり続けるスーパースター
今まで長く愛されてきたスーパースターですが、これからも多くの人々に愛されていくことは間違いないでしょう。時代が経つにつれて、その『クラシカルな主張』は更に魅力を増していくはずです。
名実ともに定番で王道のスニーカーと言えるスーパースター。ぜひあなたのスニーカーコレクションに加えてみてはいかがでしょうか?