スポーツとしての“けん玉”世界大会Vの17歳「選手になるなんて想像していなかった」
7月21日、22日に広島県廿日市市にて、“KENDAMA WORLD CUP Hatsukaichi 2018” が開催されました。スポーツ界のトレンドとして、ストリートを中心に盛り上がりを見せている“けん玉”。日本の伝統的な玩具であり、老若男女問わず楽しめるのが大きな魅力で、近年では、“スポーツ”としての知名度が高まっています。
今回紹介するのは、世代も国境をも越えて楽しまれている“けん玉”のスタープレイヤー・金田奏さん。17歳という異例の若さで、日本を代表するトッププレイヤーにまで上り詰めた経歴者です。2017年に行われたけん玉の世界大会では、並み居る選手を実力でねじふせ、見事優勝。日本の強さを証明する、そんな若きけん玉プレイヤー・金田 奏氏に、彼のけん玉への熱い“思い”を伺いました。
けん玉の選手になるなんて思ってもいなかった
――今日はよろしくお願いします。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
――まず、金田さんが“けん玉”を始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
「始めたきっかけは些細なもので、テレビ番組で芸能人がけん玉をしている姿を見たから、ですかね。楽しそうだなぁと思い、ちょうど家にあったけん玉を手に取ったところ、すごく楽しくハマってしまいました」
――初めてけん玉を触ったのは、いつ頃ですか?
「小学校3年生の時に、初めてしました。飽きっぽいこともあり、当時は飽きてはハマっての繰り返しでしたね。選手になるなんて、思ってもいなかったです」
――まさか、世界的な選手になるなんて。本格的にけん玉をやろうと思ったのはどんなタイミングですか?
「中学2年生の時に、YouTubeの動画で“けん玉の世界大会”を観たんです。何の気なしに観ていたんですが、想像をはるかに超えるトリックが目白押しで。衝撃でした。それから、僕もこうなりたいと憧れるようになり、今に至ります」
けん玉の楽しさは、世代や国籍を問わず、楽しさを共有できるところ
――なるほど。金田さんにとって、けん玉の“楽しさ”とは何ですか?
「練習を重ねて、それまではできなかった技が決まった時が、一番楽しくて嬉しいですね。けん玉にはさまざまな技があり、できることが増えるとすごく嬉しいです。また、世代を問わず、大人の方や海外からの方など、多くの人と楽しさを共有できるのも良い点だと思っています」
――努力が実を結ぶ瞬間、素敵ですね。では、“難しさ”はどこにあると思いますか?
「時が経つにつれて、新たな技が開発されていきます。それについていくのが大変ですね。一つできるようになれば、すぐにまた新しい技が生まれて。なので、instagramなどのSNSを通じて、海外の選手のプレー動画などをチェックし、自分にできそうなものを吸収するようにしています。自分でオリジナルの技を編み出すこともあるんですよ」
練習は短時間集中型。ライバルはアメリカ人
――オリジナルの技なんてあるんですね! 練習時間はどれくらいなんですか?
「平日は、学校から帰ってきてから、15分の練習を4セットほど行います。また、休日は20分を6セットほど行います。練習自体はそれほど多くないですが、1回の練習に物凄く集中して行っていますね」
――例えば、友達と一緒に練習することもあるんでしょうか? ライバルの存在はいますか?
「いますね。今回の大会で惜しくも敗れてしまった、アメリカの“ニックギャラガー”という選手です。また、同じアメリカの“ブライソンリー”という選手も僕のライバルです。2人とも、世界大会の表彰台に上がる選手。同じチームメイトであり、最高のライバルです」
――仲間であり、ライバル。熱い思いが感じられます。これからの活躍、期待しています!
「ありがとうございます。これからも、今まで以上に頑張っていきたいと思います」
まだ若いながらも、真摯な気持ちで“けん玉”に対して向き合い、努力を続けている金田さん。きっと、これからのけん玉界を担うひとりになっていくことでしょう。今大会では、惜しくも2位という結果に終わってしまいましたが、きっと彼はもう、この先を見据えているはずです。昨年の優勝に引き続く、2連覇とはいきませんでしたが、次の大会ではまた新たな姿を見せてくれそうですね。これからの彼に、期待しましょう!