ニューバランス『M1300CL』の物語【ニューバランス担当者がスニーカーを語る】
スニーカーの数だけ物語がある。また、そのスニーカーを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのスニーカーに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのスニーカーを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のスニーカー、今回はアメリカ・ボストンで生まれたシューズブランド『ニューバランス(NEW BALANCE)』の『M1300CL』です。
アッパーは即完売を繰り返す人気モデルを踏襲、クッション性と安定性を両立したソールを組み合わせたというこのモデルについて、株式会社ニューバランスジャパン・マーケティング部PRシニアスペシャリストの小澤真琴さんに語っていただきました。
ニューバランスジャパン
マーケティング部PRシニアスペシャリスト
小澤真琴さん
2020年はニューバランス『M1300』イヤーに
――『M1300CL』はどんなスニーカーですか?
M1300CLは、1985年にオリジナルが発売されたM1300の派生モデルとして誕生したモデル。アッパーはオリジナルの1300を踏襲しながら、ソールはM577という、トレイルランニングの系譜にあるモデルに採用されているクッション性と、安定性を両立したソールが組み合わされています。
オリジナルのソールは、ミッドソール全面がPU素材の中にクッション材を封入したENCAP(エンキャップ)構造ですが、このM1300CLは踵(かかと)部分のみがENCAP構造となり、前足部はニューバランスのクッション素材C-CAP(シーキャップ)が採用され、屈曲性を高めているのが特徴です。
オリジナルのM1300は、5年ごとに復刻されては即完売を繰り返していますが、このM1300CLは継続的に販売している人気の1足です。2020年は、オリジナルのM1300が発売から35周年で復刻されたことを皮切りに、M1300CLのカラーバリエーションが登場したり、様々なコラボレーションも登場するなど、ニューバランスにとってはM1300イヤーとなっています。
ひっそりと存在し続けるニューバランス『M1300CL』
――譲れないお気に入りのポイントは?
M1300CLは、復刻する度に大注目を浴びるM1300の“派生モデル”として、ひっそりと存在し続けている独特の立ち位置のモデルなんです。
アメリカ国内に5つあるニューバランスの自社工場のうちの一つで、現在も製造が続けられています。M1300ならではのブルーがかったグレーは、スティールブルーと呼ばれ、ファンが多いカラー。ニューバランスのグレーにはいくつか種類があり、例えば同じく、Made in USAのM996のグレーは少しベージュがかったような温かみのあるグレー、M990v5はまた違った系統のグレーです。個人的にはニューバランスのグレーの中では青みがかったこのM1300、M1300CLのスティールブルーが好きです。
足運びがしやすそう。歩きやすそう。
――『M1300CL』とのストーリーを教えてください。
実は、まだ履いたことがありません!! M577も履いたことが無いので、このソールは未経験。オリジナルM1300は、ソール全体がPUに包まれているので、若干硬さを感じますが、このM1300CLはまた違った履き心地だろうなと想像します。踵は安定しているけど、前足部がソフトでクッション性があるので、足運びがしやすそう。オリジナルよりもさらに歩きやすいのではないかと思っています。
長年ニューバランスにいますが、まだまだ定番モデルでも履いたことが無いモデルがあるのは楽しいです。M1300CLの他にも、興味がありながらも日本でウィメンズ向けの小さいサイズ展開がなかったり、機会を逃して履けていない名品がいくつかあります。M1300CLは何となく、今まで近くて遠い存在だったので、今年1足買ってみようかなと思っています。