グランピングの意味が変わる居酒屋『たぬきや』に行ってみた
世の中には、居酒屋の数だけその特徴がある。そんな中、お酒好きの人から“天国にもっとも近い居酒屋”と評されるお店があります。京王線・南武線『稲田堤駅』から徒歩10ほどの所にある『たぬきや』。天国を感じさせる居酒屋とは、一体どのような場所でしょうか。週末に気の合う仲間と共に行ってきました。
天国にもっとも近い居酒屋って?
駅に到着すると河川敷への一本道を進みます。こちらのお店、ホームページや電話番号がないため、当日、開店しているかどうかは、行ってみないとわかりません(強風や大雨の時も臨時休業する場合があります)。
土手を超えると、やっていました。『営業中』ののぼりが視界に入ってきてひと安心。14時頃にお邪魔したのですが、もうすでに飲んでいらっしゃる方が多数。浴衣を着たグループや、友人らと集まって来たグループが屋外の席に座っており、想像よりも若い年齢層に驚き。奥には、多摩川をサイクリングしていた方や、地元の方と思われる方々がしっぽりとコップを傾けていました。
キャッキャとはしゃぐ声が聞こえたの振り返ると、どれだけこのお店が天国に近いのか、『たぬきや』を楽しむ先輩たちが言葉を発することなく教えてくれました。
昭和10年から営業をされている『たぬきや』。当日、お店にはお母さん1人しかおらず、当然セルフサービスで楽しみます。
瓶ビール(550円)や缶ビール(350円)は自分たちで取り出し、返却も自分たち。実家でお母さんのお手伝いをしながらお酒を飲んでいる感じに近い。チューハイやサワーなどは、お母さんが作って席まで届けてくれます。
夏の終わりの週末に、河川敷で飲むビールは、わかっていたけどやっぱり美味しい。気の許せる仲間と一緒に行くと、確かに天国。同店は角打ち的な一面もあるし、バーベキュー的な一面も。そして、感じ方によってはグランピング的でもあります。非常にリッチな空間が『たぬきや』にはあるのです。
瓶ビールをコップで5杯を飲むころには、一緒に訪れた関西人の発する「最高やな」が、10回目を超えようとしていました。
モツ煮込み(450円)やら、焼き鳥盛り合わせ(500円)、枝豆(350円)をつつきながら過ごす。
驚いたのはそのボリューム。値段の割にしっかりお皿にアテが乗っていると、それだけでテンションが上がってしまいます。
ほかにも、お新香(400円)をはじめ、おでん(450円)、焼きそば(400円)、カレーライス(500円)などがあります。
ビールの次に、チューハイやサワー(350円)を飲もうとするころには、もう家には帰りたくなくなるほど、居心地が良くなっていました。トマトサワー、青リンゴサワー、梅サワー、チューハイといただきました。
先ほどの『たぬきや』先輩たちが声をかけてきました。
『たぬきや』の開放的な雰囲気がそうさせたのか、“腕相撲”をすることに。「なぜ、今、ここで腕相撲なのか」、誰も疑問を抱きません。
女性は2人ともサウスポーだった。
負けられない戦いがそこにはある。
絶対に負けられない戦いがそこにはある。
勝負が終わったら称え合うし、ハイタッチも交わします。
このような楽しみ方も同店の魅力の一つなのでしょう。
グランピングの意味が変わる『たぬきや』
気がつくと随分と日が落ちてきていました。周囲が少し静かになり、すぐ近くを走る京王線の電車の音が目立つように。
お店は19時までということでしたので、飲んだものや食べたものを返却口に返し、テーブルを拭いたりして後片付け。
稲田堤にある『たぬきや』は、わかる人にはすぐわかる名店。わからない人には、どう説明して良いのかわからない、そういった複雑なお店だと話しながら帰り支度。確かに噂通り、天国に近い居酒屋でした。
そんな『たぬきや』は、赤提灯好きにとってのグランピングと言えるのではないでしょうか。グランピングは、グラマラスとキャンピングの略。キャンプ場の高級バージョンで、ベッドや洗面所、冷暖房が整います。もちろん、ここ『たぬきや』には、そういった設備はありませんが、満足度はそれと同等のものがありました。
グランピングの意味が変わる『たぬきや』。赤提灯好きは、同店でリッチな時間を過ごしてみませんか。