選手との距離が近い! Bリーグが“最高のエンタメ”と言える理由を探る
2018年5月26日、2年目のBリーグ決勝戦のこの日、12,000人を超えるファンが横浜アリーナに集まりました。決勝戦のカードは、田中大貴選手・竹内譲次選手などの日本バスケットボール界のスターが集まる『アルバルク東京』と、B1リーグ18クラブ中、2年連続観客動員数NO.1という熱狂的ファンが支える『千葉ジェッツ』。一発勝負、この試合に勝ったチームが今シーズンのナンバーワンチームに。
試合開始前のお祭りムードからは想像できないほど、選手たちの意地と意地がぶつかり合う真剣勝負の連続。息が止まるほど見入ってしまい、勝負が決まった瞬間の歓喜と落胆に胸が詰まる最高のエンターテインメント。そして、なんといってもBリーガーたちが背が高くて筋肉質でかっこいい……! (女性ライター目線)今回は、“ミーハー上等!”のDOOR的視点で、Bリーグ決勝戦をレポートします。
ビールに肉まん&チアとマスコット、試合前から飽きないBリーグ
よく晴れた決勝戦当日、開場前からたくさんのファンが並び、2時間後のTIP OFF(試合開始)を待ちます。チアやマスコットの出迎えをうけて、会場限定のグッズを見て回って、ビールをのんでいたら2時間はあっという間。
遠近感が狂う背の高さ! 鍛え上げた体に見とれるウォーミングアップ
試合開始の1時間前、選手たちがコートに出てきてウォーミングアップスタート。基本的なステップやシュート練習、ストレッチなど流れるように動く選手はリラックスした様子です。シュート練習では、ゴールでボールの渋滞状態になっていて面白い。プロのシュートはこんなに入るのかと感動します。
選手の足元に注目すると、この日のユニフォームに合わせているのか、アルバルク東京の選手は黒いバッシュ、千葉ジェッツは赤いバッシュが多い。ユニフォームはルールで決まっていますが、スパッツ、靴下、バッシュなどは選手の自由なので、各選手の好みのスタイルがわかって面白い。スパッツに覆われた長い足もセクシーですが、やっぱり鍛えられたふくらはぎを見ると気分が上がります。
千葉ジェッツの注目選手は富樫勇樹。小学校から全国大会に出場してアメリカの高校へ行き、その頃から日本代表に選ばれ続けているバスケ界のエリート。身長167cmと両チームの中で最も背が低いのですが、それを補うスピードや技術に、ファンは夢中になります。
場内が暗転して、オープニングセレモニーがスタート。プロジェクションマッピングと炎を使った派手な演出のあと、スターティング5が呼び込まれました。両チームの応援合戦による地響きと、両チームカラーの赤に染まったアリーナはかなりの非日常体験。文字通り会場の温度がぐっと上がったところで、いよいよTIP OFF。
2mレベルの選手のぶつかり合い。ゴール下は格闘技!
試合開始から30秒、千葉が速攻からゴールして初得点。その後、両チームの点差が離れないまま、アルバルク東京のフリースロー。フリースローは誰にも邪魔されずにシュートができるプレーですが、シュートを放つときの敵チームファンのブーイングがものすごい! こんなにやかましい中でゴールを決めるなんて、並大抵の集中力では出来ない。どれだけ早く決勝戦の状況に慣れて平常心を保てるか、選手たちの精神力も問われます。
まもなく5分経過のところで、アルバルク東京のアレックス・カークのダンクシュート! “ダンクって本当にするんだ”とシンプルに感動。19対18のアルバルク東京1点リードで1Qが終了しました。
2Qがスタート。爽やかなイメージのあるバスケですが、ゴール下で2mレベルの体がぶつかり合うシーンは格闘技みたい。ゴール下で繰り広げられているポジション争いは見応えがあります。
残り2分50秒、千葉ジェッツ小野選手のノールックパスから、レオ・ライオンズ選手のダンク! 全く見ていないのに、どうしてこんなに正確にパスが出せるの? というパスからダンクという派手なプレーで、会場は大歓声! しかしこの後、アルバルク東京のディフェンスでゴールに近づけず、千葉に点が入らない。残り3.7秒、アルバルク東京のジャワッド・ウィリアムズのブザービーターが決まり、43対33のアルバルク東京リードで2Qが終了。
このままでは終わらない……ファンの思いも抱えて戦い切る!
20分間のハーフタイムは、『FlowBack』のライブパフォーマンス。レギュラーシーズンでも、チームごとに様々なハーフタイムイベントをしていて、試合以外の時間も楽しめるのがBリーグの特徴です。
3Qスタートから、アルバルク東京の連続得点で点差が開く展開。千葉ファンの「GO! ジェッツ」のかけ声がものすごくて、隣の席の声も聞こえないくらいです。応援に後押しされるように最大14点あった点差を5点差まで縮める千葉。しかし残り2分25秒、アルバルク東京小島選手の連続得点で点差が開いて、61対49で3Qが終了。
“このままでは終わらない……!”、そんな千葉ファン思いが会場を包むなか、最後の10分がスタートしました。
これまで30分間走りっぱなしの選手たちは、もうへとへとなはず。それでもアルバルク東京のディフェンスは崩れず、千葉はなかなか点が取れない。千葉の選手たちが焦るなか残り6分48秒、アルバルク東京の馬場選手がゴール裏から決めるミラクルショット。72対53と点差が開いたところで千葉はタイムアウトを取りますが、立て直せず85対60で試合終了。アルバルク東京が2年目のBリーグ王者に輝きました。
得点力があると言われている千葉を、60点に抑えたアルバルク東京のディフェンスはすごかった! この大一番で実力を出すための果てしない練習量を思うと、頭が下がります。自分たちらしさを出せなかった千葉の選手たちは、この後悔や悔しさをエネルギーに変えて、3年目のBリーグでまた私たちを楽しませてくれるでしょう。
Bリーグは、とにかく映像で見るのと会場で観戦するのは全く違う面白さ。2m近い選手たちが全力でゴールを目指す迫力は、体感することでしか理解できない。また、コートと席が近くて、応援がダイレクトに選手に届いている感じもクセになりそう! タフな経験を積んできた選手たちはとってもかっこいいので、ぜひ一度、生で見て贔屓の選手を見つけてください!