銀座にショッピングの新名所!ABC-MARTの新コンセプトショップ・グランドステージ銀座に潜入
ブーツリペアのプロ・STUMPTOWN。アメリカンブーツが目白押しの3階
3階に上がるとレザー&リペアのスペシャリティショップ「STUMPTOWN(スタンプタウン)」が出現。中央奥にはリクラフティングの工房もあり、古い機械や作業する職人を目の前に1、2階とは全くの別世界を体感できます。
ダナーやホワイツブーツといったアメリカンブーツが中心で、他にもキャンプやフェスで活躍するトレッキングシューズなど、アウトドア系のシューズも充実しています。
そんな中でもカスタムオーダー可能なホワイツブーツは南北戦争時代からの老舗ブランド。そのワークブーツの高度な耐久性から、今でもメインのユーザーは森林警備隊というのも頷けます。採寸はもちろん、数種類の型から好みの革とソールを組み合わせて、その人にぴったりのブーツを作ることが可能です。また、純正のパーツでリペアできるという、ブーツ好きには覚えておきたい情報も。
リペアやメンテナンスといった購入者へのアフターサービスのほか、「STUMPTOWN」のウェブサイトから修理の相談も受け付けているので、ブーツを大事に履き続けたい人には心強い味方です。
若手アーティストKeeenueを起用した注目のアートワーク
並木通り側・マロニエゲート側の両面ファサードでひときわ目を引く2階の壁画は、平成生まれの気鋭アーティストKeeenue(キーニュ)さんが「グランドステージ 銀座」のために描いたアートワーク。
「銀座は大人のイメージなので、大人のスポーツといえばランニングとか、仕事の後にジムに行く、そんなところから発想を得ました。色使いも私としては落ち着いた感じになりましたね。でも通りすがりの人の目にまずは留まらないといけないっていうのは意識しました。イメージは夜で、夜な夜なジムで鍛えてる女の人かな(笑)」
そんな言葉通り、躍動感たっぷりでデフォルメされた女性たちが印象的な作品に。
「私の絵ってドローイングもぐにゃぐにゃしてるんですが、面白い形を切り取って絵にすることが多くて。それは、普通の人間の形のイラストでも良いんですけど、写真でもできるようなことより、絵でしかできない表現をしたいとはいつも思っていて。企業さんとのコラボ以外の自分の作品も、抽象と具象の間みたいな絵を目指してますね」
ちなみにKeeenueさんはほぼオールタイム、スニーカー愛好者だとか。
「普段も壁画を描いてる時もスニーカーです。ブランドはナイキもアディダスもヴァンズもコンバースも履きますね。靴を買ってみて、そこからこの時期はこういう服を着ようって考えることもあります」
Keeenueさんの壁画の一部をプリントしたTシャツはスタッフTシャツに、そしてトートバッグは数量限定で配布。今回のように、若い日本のアーティストを起用し、「グランドステージ」から最新のカルチャー的要素の発信も、今後さらに増加していくことでしょう。
縦のラインでシューズを一望しやすい空間デザインはどの階にも共通していましたが、各々全く違う世界観を持ち、靴好きにとっては世代を問わず何時間いても飽きることのない「実際買って履くことのできるシューズのミュージアム」のよう。内装をアメリカ・シアトルの世界的な設計事務所「callisonRTKL」との共同デザインで生み出し、空間を贅沢に使っていることも居心地の良さを作り出していました。
いち靴屋でのショッピングの枠を超えた体験価値の高さは、銀座を訪れる様々な世代、そして観光客にとっても新たな名所になりそうです。
text by 石角友香
photo by Masaru Kato