ランニング初心者のためのグループラン、アシックス・池田美穂コーチと走ってみた
これからランニングを始めたい方にオススメなのが、同じレベルの人が集まって走るグループラン。1人で走ることの寂しさ解消だけでなく、一緒に走るコーチから目からウロコのアドバイスをもらうことで、メキメキとランニングが上達。気づいたら始めたばかりのランニングが趣味になることでしょう。
今回は、ランニングを始めたばかりのメンバーが、「ASICS RUNNING CLUB(アシックスランニングクラブ)」のグループランを体験。プロのコーチ・池田美穂さんから正しいフォームやペース配分など、走る上で必要なことが自然と学べました。ランニング初心者にぴったりな『アシックス(ASICS)』のランニングシューズ・ゲルパルス10<GEL-PULSE10>を履いて走った隅田川沿いの様子をご紹介。
プロフィール
池田美穂コーチ:アシックスランニングクラブコーチ。東京マラソン・ニューヨークシティマラソンといった市民マラソンから、大阪国際女子マラソンなど国際レースに出場。また全国で市民ランナーへのランニング指導を行うほか、タレントやモデルなどへのパーソナルコーチも担当。多くのランナーを完走へ導く。
池上さん:10年前に趣味で走っていたものの、すっかりご無沙汰。体力の低下が気になって最近また始めようと思っていたところ。
鈴木さん:体力作りのため半月ほど前からランニングを開始。音楽を聴きながら走る時間がいいリフレッシュに。
大谷さん:高校時代はラグビー部に所属。夏前まで趣味で週3回程度走っていたが、暑さを理由に辞めて以来、走っていない。
岩垣さん:仕事柄デスクワークが多く、肩が凝りがち。登山が趣味で、トレイルランニングへの参加経験がある。
シューズの選び方が意外と大切!! 正しいサイズを確認して購入を
みなさん初心者ということで、まずはシューズの選び方と履き方をチェック。池田コーチによると、「着地した際に足先が広がるので、つま先は1cmほど余裕があるのが理想」なのだとか。
「ランニングシューズは足にフィットするよう作られているので、普通のスニーカーとは履いたときの感覚が違います。自分は何cmと決めつけず、お店で測定してもらって正しいサイズを確認してから購入するといいですよ」
シューズに足を入れたらかかとを地面に打ち付け、足の甲に沿うように紐を結びます。
初心者がシューズを選ぶ際は、特にクッション性、安定性、フィット性を重視すると良いそう。トータルで見てバランスの良いゲルパルス10は、まさに初心者に最適なオススメの1足なのです。
具体的にその機能を見ていくと、まず特筆すべきはアシックスの誇るクッション素材『GEL』でしょう。
着地時に大きな負担が掛かるかかと部分に配置され、衝撃を和らげる働きがあります。
高機能ゆえにすべてのランニングシューズに搭載されている訳では無く、中~上位モデルが中心で価格帯も当然高くなります。
ゲルパルス10は初心者向けのランニングシューズながらこのGELが搭載され、なおかつアンダー1万円とコストパフォーマンスに優れていることもオススメの理由の一つです。
また、ミッドソールには『SpEVA』と名付けられたフォーム素材を使用しており、衝撃を吸収するGELと相反する反発する特性を持たせています。
これにより、着地時の衝撃を吸収しつつ次の一歩が出やすくなる推進力を生みだせます。
また、ランニング中の安定性を実現するために、ミッドソールにトラスティックと呼ばれる樹脂製のパーツを搭載しています。
こちらはランニング中に発生するシューズのねじれを制御する効果があります。シューズ全体が柔らかく
よくねじれる(曲がる)方が履きやすいイメージを持つ初心者の方もいらっしゃいますが、過度のねじれはランニング自体を不安定なものにし怪我の原因となる場合があります。
特にランニングフォームが定まっていない初心者ランナーは、こういったシューズの機能で安定した走りを補助する方が良いでしょう。
ランニング前には上半身こそしっかりストレッチ
シューズが正しく履けたら、ウォーミングアップを兼ねて全身のストレッチ。下半身はなんらかのストレッチをしてから走る人が多いですが、意外にも大切なのは上半身。
「デスクワークなどの影響で肩や胸回りが硬いと、呼吸も浅くなるし、猫背になりやすい。その状態で走ると肩が凝ったり、下半身のフォームが崩れたりといいことがないので、まずは上半身をしっかりほぐします」(池田コーチ)
両手を組んで大きく伸びをし、吐く息とともに腕を下ろして一気に脱力。肩に指先を当て、肘で円を描くようにして肩甲骨周りをほぐす運動など、10分ほどかけて上半身をストレッチ。その後、太腿など下半身の大きな筋肉をほぐしていきます。
「こんなにしっかりストレッチするなんてびっくり」、「汗ばんできました……」と、参加者のみなさんは早くも目からウロコの様子でした。
ランニング初心者の走り方は「肩甲骨を引く&足裏全体で優しく着地」
体が温まったところで、いよいよグループランスタート! 池田コーチを先頭に、二人ずつ列になって快調に走り出します。
みなさん気になっているのが、走るときの正しいフォーム。
「腕の振りは腕をふるというより、肩甲骨から後ろに引く意識を持つこと。そのためにも、最初のストレッチで上半身をほぐすことが大切なんです。足は骨盤幅を保ったまままっすぐ前に踏み出し、足裏全体で優しく着地しましょう」と池田コーチ。アドバイスを参考に、みなさん思い思いにフォームを整えます。
走るペースはおしゃべりできるくらいがベスト!
日差しを浴びながら、河川敷を走るのはなんとも気持ちのいいひととき。「ソールに厚みがあるから走りやすい!」、「力を入れなくても足が上がる」と、みなさんシューズの魅力も改めて実感している様子。
一人だとペース配分も難しいですが、「初心者の方は今日みたいにおしゃべりできるくらいのペースで走るのがベスト」だとか。
「浅くて速い呼吸になるならペースが速すぎる証拠。また、何キロ走るというよりは、『30分走る』というふうに時間を決めるのがおすすめです。最初は30分走りきることが難しいと思うので、5分走って5分歩く×3セットというふうに、無理のない範囲で。徐々に7分走って3分歩くというふうに走る時間を増やし、最終的に30分走りきれるくらいになるといいですね」
慣れてきたら、毎日、同じペースで走るのではなく、最後にスピードを上げる、今日は頑張る日と決めてペースを速めるなど、多少変化をつけるのもいいそう。
そうすることで心肺機能の向上にもつながります。走りながら出てくる何気ない話も、参加者にとっては新鮮な話題ばかりで、みなさん熱心に耳を傾けていました。
個々の改善点をコーチ直々にアドバイス
30分のランを終え、それぞれのフォームで気になった点を池田コーチが個別にアドバイスすることに。まず、学生時代にラグビーをやっていたという大谷さんは、走るとき外股になってしまうのが課題。
「完全に無意識でした。長年の癖が染みついているので難しいですね」と大谷さん。
「あと、筋力のある男性に多いのですが、足が跳ねて上下の動きが大きい。エネルギーの無駄遣いなので、着地の際は足を優しく置くイメージで」(池田コーチ)
膝を伸ばして重心を高く保つフォームで
続いて、人に誘われたときだけ走るというふうに気まぐれにランニングをしている岩垣さんは、ずっと膝が曲がった状態で走っているという指摘が。
「両足を揃えて立ち、そのまま体を前に傾けて、倒れるところでそのまま走り出してみて」とアドバイスを受け、膝を曲げすぎないで走るフォームを体に染み込ませました。
鈴木さんは反り腰で走っているのが難点。
「普段も反り腰になりやすいんだと思いますが、腰が反った状態で走ると太ももの前側ばかり使うことになり、筋肉がアンバランスになる原因に。骨盤から足を前に出すイメージで走ってみてくださいね」(池田コーチ)
そして、ランニングは10年ぶり(!)という池上さんは、右膝だけ内側に入るという癖が。「骨盤の歪みか、太もも周りの筋肉の弱さが原因では」ということで、太もも周りを強化する筋トレを教わりました。
「スクワットは膝がつま先より前に出ないように、お尻を突き出すイメージで行いましょう」(池田コーチ)
モチベーションを保つには仲間づくりが有効
せっかく始めたランニングも、三日坊主で終わってはもったいない! モチベーションを保つにも、ズバリ仲間づくりは有効。
「実際に一緒に走る仲間でもいいですし、SNSやアプリ上の仲間でもOK。『この人今日も走っているな。私も頑張ろう!』というふうにやる気につながります。『ASICS RUNNING CLUB』のようにイベントを活用するのもオススメですよ」(池田コーチ)
そのほか、手帳やスマートフォンに走った時間と距離を記録する、目標走行距離を達成したらほしいものを買うなどご褒美を作るのも◎。自分に合ったやり方を見つけて、ぜひ楽しみながら走り続けてください!
INFO / ASICS RUN TOKYO
JR東京駅から徒歩約3分の場所にある、総合型ランステーション。アシックスランニングクラブコーチによるランニングイベント『ASICS RUNNING CLUB』も定期的に開催している。
東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル地下1階
03-6259-1601