振付師・akaneが語るダンス×ファッションの深い関係。アディダス オリジナルス スーパースター インタビュー
HAPPY 40th ANNIVERSARY! ABC-MARTの40周年を祝し、『adidas Originals(アディダス オリジナルス)』ABC-MART40周年記念モデル <スーパースター 1986(SUPERSTAR 1986)>が登場! 今回は、「バブリーダンス」で話題となった登美丘高校ダンス部のコーチであり、振付師としてさまざまなCM等を担当し大きな注目を集めているakaneさんに同スニーカーを着用してもらいスペシャルフォトセッションを敢行。インタビューでは、ダンスとファッションの関係性や自身の学生時代、影響を受けた人物など、多くの人を惹きつけてやまないakane作品のバックグラウンドについてたっぷり語ってくださいました!
akane
大阪府立登美丘高校ダンス部コーチとして日本高校ダンス部選手権2連覇に導く。荻野目洋子の代表曲「ダンシング・ヒーロー」で振付した「 バブリーダンス」を昨年9月に配信し、7500万回以上の再生を記録。年末には第59回日本レコード大賞特別賞受賞、第68回紅白歌合戦への出演も果たし、2018年ハリウッド映画「 グレイテスト・ショーマン」のPR大使としてPV振り付けを担う 、日本を代表する振付師。
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学生時代はダンス漬け。SNSが身近ないまの学生に伝えたいダンス観
──akaneさんのお名前が広く知られたきっかけのひとつ、登美丘高校ダンス部。akaneさんが在学中に同部を「同好会」から「部活」へ引き上げたというエピソードは度々語られていますが、学生時代はどんな子でしたか?
とにかくダンス漬けでしたね。3歳からダンスをずっとやってきてて、高校受験の時にダンスを一旦休んで勉強してたんですけど、高校に入った瞬間再熱して。毎日スタジオにレッスン通って、毎日部活でダンスをして──。まあ、思春期なので親への反抗心とかもあったけど、ダンスがしたいから逆に反抗できなかったんですよね。「あんたそんなん言ってたらダンス辞めさすで」ってなるんで、すぐ(笑)。ダンスを引き合いに出されたら頑張るしかない、みたいな感じでした。
──言い換えれば、ダンスが全ての原動力になっていたんですね。では、あまり友達と遊び時間とかもなく?
遊ぶときは普通に遊んでましたけど、一緒にいる友達から「ダンス教えてや」って言われることとかはありましたね。中学校は、結構やんちゃなとこが多かった学校だったんですけど、ケンカとかしてるような子たちにダンス教えるようになったらヤンキー街道には行かずダンスの道に行ったから、その子たちの親からめちゃ感謝されて(笑)。そこからダンス部を作って、コンテストにももちろん出てましたし、自分たちが卒業した小学校の体育館を貸し切って舞台を作ったりもしてました。今でもその中学校のダンス部は発表会をやったり、全国大会にも出てるみたいです。
──中学校でも部活を立ち上げていたとは! 今は学校の授業にダンスがあったりSNSで簡単に発信できたり、きっとakaneさんの学生時代とはダンスというものの捉え方が少し変わりましたよね。
そうですね。ダンスに興味持ってもらえるんだったら良いことだなと思ってて。私たちが若い頃とか、ダンスやるの恥ずかしいみたいな風潮があったので。発信したり表現することって全然悪いことじゃないし、そういうのに慣れることは良いことだと思います。
ただ、YouTubeとかSNSでダンスが身近に見られるようになった今は、ナマでパフォーマンスすることがすごく大事だと思っていて。たとえば、撮影OKの現場だとみんな携帯で撮ったりするんで、せっかく目の前で見られるのに結局ここ(液晶画面)見てるやん! って。なので、なるべく撮影禁止にしてもらうとか必ず目で見るようにっていうのは呼びかけるようにしています。(SNS等を通じて)広まることは良いことなんですけどね。
──SNSをきっかけに興味を持ってダンスを頑張ろうと思っている子もきっといると思います。そういった子にアドバイスをするとしたら?
「感じるものを大事にしないといけないよ」っていうのは伝えたいですね。私がダンスをずっと続けていたのも音楽が好きだったし、SNSとかもないから本当に数ある情報を頼りに実際に見に行ったりとかしていて、そこで吸収したり感じたりしたことが大事だと思うんです。あと、すぐ飽きて上辺だけかじるみたいなのもどうなん?と。ダンスでも振り付けでも必ず原本があるから、そこをちゃんと掘って突き詰めようぜっていうところですよね。
ダンスはファッションからインスピレーションを受ける。私服、足元へのこだわり
──今回着用していただいたスーパースターは、伝説的なヒップホップグループのスタイルにインスピレーションを受けた記念モデル。「音楽とファッション」を強く結びつけた象徴的なスニーカーですが、akaneさんは「ダンスとファッション」にどんな関係性を感じていますか?
自分がダンスを本格的に作り始めた時、パリコレとかコレクションが載っている雑誌を見て、「こんな衣装で作品を作りたい」って、服からインスピレーションを受けることが結構多かったんです。「このファッションならこんな音楽かな」みたいなところから入ることは、今も多いですね。「大阪のおばちゃんのファッション真似したらどんな風になるやろ」とか。
──衣装のイメージから作品づくりを始めるというのは、結構意外で驚きました。
お仕事でも衣装は何かっていうのがまず気になります。ダンスを作るのは、多分一番最後なのかなって思いますけどね。ダンス作ってから衣装決めるって、普通ないと思うんです。作品のイメージがあると、作品もまとまるんですよね。ファッションもダンスも、全部ひっくるめないと良いものにはならないと思うんです。
──では、私服ファッションでのこだわりなどはありますか?
絶対にカラフル! 色がないと不安になります。黒一色とかはほんまに着ないです。でも、そういう気分の時もあるんですよ。作品が行き詰まっていたりとか、何も考えたりしたくない時は、カラフルな服を着られなくなっちゃうんですよ。いつも着ているはずの服が似合わない感じがして。そういう時は、すごく地味な色のジャージとか着て外歩きます。「どうしたん?」って言われるんですけど(笑)。
──すごくわかりやすいですね。足元のこだわりなどもあったりしますか?
身長が低いので、厚底を履きます。だから、今日のスニーカーがめちゃ新鮮(笑)。仕事で振り付けする時とかは、基本裸足です。小さい頃から裸足で踊ってたんですけど、靴買ってもらわれへんかったとかいうわけではなく(笑)、裸足だと脚を伸ばせる限度がわかるんですよね。もし外で踊る機会があれば、そのときも容赦なく厚底で踊ります。やっぱりダンスするなら脚は長いほうが絶対良い。
──ということは、スニーカーを履いているakaneさんの姿は超レアなんですね。
今日のファッションとスニーカーは、レア中のレアです(笑)。ただ、基本的にワンピースを着ることが多いので、今日みたいにスカートに合わせるのはすごく可愛いなって思いますね。小さい頃はアディダス オリジナルスのスタンスミスを履いていて、中高生の時はスパイラルパーマかけてBガールだったんですけど、私ヒップホップは踊らないのでこういう格好からも遠ざかっちゃって。本当はスニーカーめっちゃ履きたいんですけどね。今回、靴紐がないタイプのスニーカーを履くのが初めてだったので、どうなってるんだろう? ってずっと思っていました。まさかこんなところにゴムが付いているとは! すごく履きやすいし、いいなって思いました。
akaneが影響を受けたダンサーを語る。未来のヴィジョンとは
──ダンスや考え方の面でakaneさんはどんな人に影響を受けましたか?
たくさんいますね。ダンスでかっこいいなって最初に思ったのがマイケル・ジャクソン。彼はいつもローファーで踊っていたので、それには憧れましたね。高校生になったらローファー履くじゃないですか。それで何回も爪先立ちして真似してました。やはりすごく影響を受けたというか、彼の音楽に出会ってなかったらダンスをやっていなかった、それはすごく思います。振付師として影響を受けたと思うのは、ボブ・フォッシー。『シカゴ』とか色々好きな映画とかミュージカルの振り付けをやられている人で、彼の影響はありますね。本当に人とは絶対被らない演出と振り付けで、めっちゃかっこいいんですよ。生き方としては、岡本太郎さんにもかなり影響を受けたし、最近は野性爆弾のくっきーさんが大好きで。生き方とかがかっこいいなって。でも、こういう人になりたい! みたいに真似したことはないかも。
──これからakaneさんが影響を与える側の存在になっていくのだと思います。数年後のヴィジョンは見えてますか?
見えてないです。ほんまに見えてなくて。でも、いつも思っているのは「いつ死んでも後悔ないように今を生きる」っていうのを心がけています。歳を重ねていくごとに時間の大切さを感じるようになったので、20代までに失敗してもいいからどんどん挑戦して、30歳になった時にもっと人に何かを与えられる存在になれたらいいなって。今は初めてのこととかもまだ多いので、失敗してもいいから全力でやろうって思ったりはします。時間は戻ってこないから、今を全力でやるっていうのは若い子にも自分にも言い聞かせてますね。
──今回お話を伺って、さまざまなヒトや物事を巻き込みながら誰にも真似できないスタイルを作っていくというところに、スーパースターとakaneさんの共通点を見た気がします。
今、ありがたいことに色々なお仕事させてもらってバタバタしてるんですけど、いつでも唯一無二というか人とは被らない、だけど人を感動させられる作品づくりをしたいなと思ってるので、お客さんから返ってくる反応を糧にして、忙しいけどもっともっともっと、この靴のようになれるよう頑張ります(笑)。
ストリートカルチャーのアイコン。不朽の名作をアップデートしたアディダス オリジナルス スーパースター
今回akaneさんに着用していただいた『アディダス オリジナルス』ABC-MART 40周年記念モデル<スーパースター 1986>は、アディダス オリジナルス不朽の名作をシューレースなしのスリッポンタイプにアップデートした1足。
当モデルは、1980年代に登場した伝説的なヒップホップグループのスタイルからインスパイアを受けています。スーパースターは単なるスニーカーという認識を超えストリートカルチャーのアイコンとして広く愛されるようになりました。
そんな象徴的なアイテムをオーセンティックなデザインはそのままに蘇らせたのが今回の記念モデル。その個性を忠実に再現しながらも、スリッポンらしい着脱のしやすさを実現。80’sオールドスクールに倣ったスタイルはもちろん、付属のシューレース(ブランドのロゴ入りシューレースとファットシューレースの2種類)を通しても◎。アニバーサリーにふさわしい今回のスペシャルモデル、自分らしい履きこなしをぜひ楽しんで!
どんなファッションにも合う普遍的なデザインと、どんなスタイルにも染まらない圧倒的な存在感を持つ、アディダス不朽の名作・スーパースター。80年代ストリートカルチャーから生まれ現代に蘇ったABC-MARTの40周年記念モデル、時代を超えてリスペクトされるそのオリジナリティをぜひ店頭で体感してください!
text by 野中ミサキ(NaNo.works)
photo by 大石隼土
styling by Yao Takafumi