【対談】『GO OUT』編集長竹下充&スタイリスト佐々木智之がアウトドアを語る!「ゴーアウトドア」ファッショントレンド&コーデ(後編)
アウトドア・アクティビティに興味がある方へ向けて、都会でのアーバンアウトドアと自然でのゴーアウトドアファッションの楽しみ方を提案する企画。アウトドアファッション雑誌『GO OUT』編集長の竹下充さんと、その『GO OUT』を始め、メンズファッション誌を中心に活動するスタイリストの佐々木智之さんに登場してもらった前回のアーバンアウトドア特集に続き、今回はゴーアウトドアにフィーチャー。引き続き竹下さん&佐々木さんのお二人に、おすすめのファッションコーデとそのポイントを教えてもらいます。
きっかけは「カッコいい」から。お二人のアウトドア原体験とは?
──そもそもお二人がアウトドアに興味を持ったきっかけは何だったのですか?
竹下 僕は完全にファッションからですね。初めて朝霧JAMっていうフェスに行ったときに「みんなカッコいい」と思って。ここにいる人をスナップして雑誌を作りたいってところから『GO OUT』をやりたいと思ったんです。そこからいろいろ調べていくうちに「MSRっていうテントがあるんだ……」みたいな感じで、やりながら覚えていきました。ホントに最初は見た目から入ったし、山登りとかクライミングとかより「ギアがカッコいい!」みたいな。使えないのにたくさんカラビナ買ってくるみたいな感じで。
──やはり男子たるもの、そういうギアとかのうんちくは大好きですよね。
竹下 そうですね。でも小さいころから山で走ったり、虫を捕ったりっていうのは、家でゲームするより好きでした。僕の地元は広島ですが、幼少期に住んでいたところは広島と島根の県境で、すごい清流が流れているところだったんです。そこは大きなオオサンショウウオがめちゃくちゃいたんですよ。そこで友だちとみんなで釣りをしたり、あと山を歩いているといきなりヘビが落ちてきたりとか。毎日が冒険みたいな感じで楽しかったですね。
佐々木 僕の地元は秋田の田舎ですが、逆に田舎だとスノボーとかは数えるぐらいしか行ったことが無かったんです。だから東京に来てからの方が行ってますね。
──そんな幼少期を経て、今では仕事も含めて、いろいろなアウトドアの楽しみ方を経験されていると思います。最近面白いと感じているアクティビティはありますか?
竹下 やっぱり釣りじゃないですか。自分どうこうじゃないレベルで、これから盛り上がるのは。
佐々木 僕はまだ……釣りの波が来てないんですよね。ただ海も行くし、山も行くし、昔からスケボーもやってますね。周りもそういう人が多いので、今はその3つが多いです。山は休みによってですが、2日とか取れるのならテント泊もしますし、日帰りで行くこともあります。
竹下 釣りはきっとくるよ。ハンティングはできなくても、釣りはできるじゃないですか。あと餌とかも虫ではなくゴムのものがありますし、女の子もやりやすくなっているんじゃないでしょうか。やっぱり本能に対して強く訴えかける遊びは盛り上がってくると思います。
これは必ず持っていく!おすすめのゴーアウトアイテム
──例えば 「ゴーアウトドア」でおすすめのアイテムはありますか?
竹下 僕はフェスとかに仕事でよく行くし、キャンプも好きですが、やっぱりゴアテックスのスニーカーでしょうか。そういうのを選べば現地でも快適ですよね。
佐々木 僕も山に行くときは必ず防水のシューズを履いていきます。よっぽど日帰りで、降水確率0%とかじゃない限りは。
竹下 あとは全体的なことで言うと、圧倒的に装備が軽くなりましたね。それはキャンプでも山でも。今はシューズにしてもリュックにしても工具にしても、アイテムがめちゃめちゃ軽くなって、昔の登山=重い装備っていうイメージとは真逆かもしれません。
佐々木 持っていくものは昔とそう変わらないんですけど、一つ一つのアイテムが軽量化しているので。その分、良いものなのでそれ相応のお金は掛かるんですけどね。
──お二人がいつも持っていくギアやアイテムはありますか?
竹下 僕はいつもナイフを持っていきます。やっぱり何かと使うし、今日もカラビナに付けていて、ハサミとかも便利なんですよ。それでよく空港で没収されて……。こういうのとは別に、サバイバルナイフとカットナイフとかを持っていきます。
佐々木 僕は……ライターをいつも入れている気がします、タバコは吸わないんですけど。
竹下 確かに。タバコをあまり吸わなくなって、ライターを忘れることがありますね。山とかで夜、「あ……火がない」みたいなことがあるのでみなさん気を付けてください。ファッションに関しては、本格的な登山とかでなければ、アウトドア機能を備えたファッションブランドの服を着ている人は増えましたね。その意味で、昔ほど「野外=アウトドアブランドの服を着なければいけない」みたいなルールは無くなってきていると思います。
ダナーのリラックスサンダルでゴーアウトドアコーデ
竹下さんのゴーアウトドア・スタイリング
ハット/アウトドアリサーチ
ロンT/マウンテンリサーチ
キャンプベスト/アッソブ
ショーツ/パタゴニア
ソックス/アイスブレーカー
サンダル/ダナー
サングラス/アイボル
ダナーのお問い合わせ先
スタンプタウン渋谷店 tel:03-3477-0658
https://www.stumptownjapan.com/
アッソブの問い合わせ先
UNBY PR tel:03-6434-0709
https://www.unby.jp
テーマが「手ぶらになれる着こなし」ということで、特に目を引くのはアンバイのバッグベスト。前面・後面に付けられた豊富なポケットが特徴で、「フェスなどに行ったときは、ここにタイムテーブルやケータイ、ジュースなどを入れられるので、好きなだけ両手フリーで遊べるアイテムです」とのこと。パンツはシューズがサンダルということもあり、派手なカラーが映えるパタゴニアのハーフパンツをチョイス。胸に「山岳種族」と文字が入った一癖あるマウンテンリサーチのロンTも目を引く、THE・フェスといったスタイリングに。また、別パターンはフィッシングジャケットや水陸両用パンツなどを取り入れた全天候型スタイリングとなっています。
フィッシングジャケット/スタンダードカリフォルニア
Tシャツ/マウンテンハードウェア
パンツ/DC
サンダル/ダナー
キャップ/ザ・ノースフェイス
佐々木さんのゴーアウトドア・スタイリング
Tシャツ/アイスブレーカー
パンツ/山と道
キャップ/セイハロー
サコッシュ/ワイルドシングス
バックパック/トレイルバム
時計/シチズン
佐々木さんのゴーアウトドア用のスタイリングは、前編で佐々木さんが「一度この感覚を味わったら、毎日着ちゃいます」と語っていた流行中のメリノウールのTシャツに、トレッキングパンツを合わせています。山などでも苦にならない機能性のあるアイテムをチョイスしつつも、全体のトーンを合わせることで、そのまま都会に帰ってきても浮かないスタイリングに。別パターンのコーデも同様で、「今回はどちらかというと軽めのキャンプへ行くイメージと捉えてください。本格的な登山をする場合で、あまり知識がない人などはセオリー通りにアイテムを揃える方がいいと思います。あとは夜寒くならないことに気をつけてください」
アノラック/モンテイン
Tシャツ/アイスブレーカー
ショーツ/山と道
サンダル/メレル
キャップ ハロコモディティー
バックパック Zパック
今回のスタイリングで着用したシューズは、アフタートレッキング用のリラックスサンダル。竹下さんが着用した『ダナー(DANNER)』<ミズグモ スライド(MIZUGUMO SLIDE)>は、足をきつく締めつけていたトレッキングシューズから履きかえることでリラックス効果があり、スライドタイプのアッパーは素足でも靴下でも着用できます。
また、佐々木さんが着用したダナー<ミズグモ フリップ(MIZUGUMO FLIP)>も同様の機能を備え、すっきりとしたトングタイプのアッパーは、弾力性のある素材で指が痛くなりにくいのが特徴。どちらも従来のモデルから10%軽量化されているため、持ち運びにも便利です。
前後編に渡ってお届けしたアーバンアウトドア&ゴーアウトドア企画。どちらにも共通して言えることは、アウトドアでのアクティビティの盛り上がりに応じて、アイテムやギアが進化し、多くの人がより気軽にファッションを楽しめるような時代になってきているということ。今回紹介したシューズも含めて、機能性が高く、なおかつオシャレなアイテムがたくさんありますので、シチュエーションに応じてあなた好みのコーデを探してみてください。
text by ラスカル(NaNo. Works)
photo by Kohichi Ogasahara