【街に馴染むあの頃の定番スニーカー】満足な履き心地で楽しく歩ける・アディダス 『ZX』
例えば、1990年代ごろの、その昔。僕たち私たちを魅了してやまなかった、あのブランドのあのモデルのスニーカー。カッコよくって光輝いていて、手に入れるために必死に頑張ったっけ。
……と、エモな思い出が蘇ってくる世代も、当時はまだ幼かった若者世代も。
あの頃のスニーカーには、どこか特別な意味がある。だから今もなお愛され、リバイバルするのだろう。
本特集では、そんなスニーカーを愛用している、“kicksラバー”にインタビュー。愛してやまない“あのモデル”について、たっぷりと話を聞きました。
あの頃の定番スニーカー・アディダス 『ZX』の魅力
今回話を聞いたのは、『アディダス(adidas)』ZXを愛用している@matsu8457さん。
――購入した理由やキッカケは?
常日頃はいわゆるローテクシューズばかりを愛用しているのですが、歳のせいか長距離を歩くときに古傷のある膝へのダメージが気になるようになりました。そこでクッション性が高く膝に負担がかからないシューズが欲しいと思ったのがキッカケです。
――お気に入りのポイントは?
ハイテクシューズの先鋭的なデザインは苦手なのですが、スタンダードなZXにはレトロなランニングシューズにも通じるオーソドックスな雰囲気があって良いのではないかと思います。履いてみると足を柔らかく包み込むようにフィットしてクッション性も心地良く、歩くのが楽しくなります。
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは?
そもそもあまりファッショナブルな人間ではないので特にこだわりは無くて、TPOを外さなければ良いと思っています。あえて言うなら、コーディネートやスタイリングよりも清潔さが大事だと思います。座敷に上がったときなど、脱いだ靴を他人が触れる機会があると思うのですが、そんなときに触れるのを躊躇されるような靴はイヤなので、スニーカーでも革靴でもよく丸洗いしています。
――kicksラバーになったキッカケは?
子供の頃は、誰しも好むと好まざるとに関わらず、親から与えられたものを身に着けると思うのですが、物心ついて初めて自分自身で欲しいブランドとして意識したのが、アディダスのシューズです。今のように廉価版モデルは無かったですし、定価販売の近所のスポーツ店しか知らない子供にとっては、アディダス=最高のブランドで、高価。なかなか手に入るものではありませんでした。
それから時を経て、ふと覗いた店で、当時と同じアディダスのシューズを見つけたときには心躍ったものです。私のアディダス好きな理由は、子供の頃の憧れを引きずっているせいなのは、間違いありません。
――あなたにとってスニーカーとは?
気軽に履ける普段着用の靴です。とても好きなアイテムですが、それ以上でもそれ以下でもありません。
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
90年代半ば頃からだったでしょうか、人気モデルを買うために行列したり、異常なプレ値が付いたりという、スニーカーブームには違和感を感じ、距離を置いていました。ただ、ファッションも音楽も流行も何周かして、過去に流行遅れになってしまったものも、時を経てリバイバルしたりしながら今言われている多様性の時代に入ったと思うのですが、90年代というのは、その入口だったように感じています。いつの時代も、流行りに乗りたがるグループはメジャーなのかもしれませんが、流行に囚われず自分が好きなものを好きということが主流になれなくても埋もれることのない今の時代の空気感は、悪くないと思います。
あの頃の定番スニーカー・アディダス 『ZX』とは
1984年に誕生して以来、30年以上愛され続けているアディダスの名作モデル『ZXシリーズ』。バイクメーカーであるKAWASAKIのバイクからインスピレーションを受けて作られました。初めてのモデルは、長距離トレイルランナー用として生産された『ZX 500』。そこから始まり、多くのモデルが発売され今もなお愛されています。シリーズによってはもちろん、同じシリーズでも年代によって変わるシルエットがコレクターをうならせます。