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【街に馴染むあの頃の定番スニーカー】「柄on柄」にも対応できちゃう・ヴァンズ『スリッポン』
例えば、1990年代ごろの、その昔。僕たち私たちを魅了してやまなかった、あのブランドのあのモデルのスニーカー。カッコよくって光輝いていて、手に入れるために必死に頑張ったっけ。
……と、エモな思い出が蘇ってくる世代も、当時はまだ幼かった若者世代も。
あの頃のスニーカーには、どこか特別な意味がある。だから今もなお愛され、リバイバルするのだろう。
本特集では、そんなスニーカーを愛用している、“kicksラバー”にインタビュー。愛してやまない“あのモデル”について、たっぷりと話を聞きました。
あの頃の定番スニーカー・ヴァンズ『スリッポン』の魅力
今回話を聞いたのは、『ヴァンズ（VANS）』スリッポン＜SLIP ON＞を愛用している＠potarinaさん。
――購入した理由やキッカケは？
最初に購入したのは、もう20年以上前。それ以来、つかず離れずの距離でずっと「一足は持ってる」状態をキープしていましたが、アラフォーになって一気に再燃。女性らしい繊細な服、モードな服、ヴィンテージ……。どんな服にもハマり、大人の装いを絶妙なバランスで「ハズして」くれるところが最高で、再び夢中になりました。
――お気に入りのポイントは？
何に合わせてもハマるので、足元が決まらないときの「救世主」的存在なところ！ あとは、娘と公園に行くような「らくちんスタイル」のときにもガンガン履けるのに、その一方でハイブランドのパンツを合わせればぐっとモードな「よそ行き」の着こなしにも対応してくれるという、その懐の深さも大好きです。
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは？
とことんカジュアルに落とし込む日もありますが、基本的には「ハズし」アイテムとして使っています。繊細なレースやベロアなどの女性らしいロングスカートに合わせたり、ドリス・ヴァン・ノッテンやセリーヌの少しモードなパンツと合わせたり。あとは、ヴァンズのチェッカー柄ってなぜか「柄on柄」をしてもうるさくならないので、派手な柄物のお洋服にチェッカー柄を合わせるスタイリングもよくします。
――kicksラバーになったキッカケは？
30代後半、妊娠・出産が足元のオシャレにおけるターニングポイントになりました。それまで好きだったヒールを全く履かなくなり、代わりに毎日スニーカーに。若い頃は「ヒールを履けなくなったら人生おしまいだ」と思っていたのですが、いざスニーカーを履き始めると、ただ歩きやすいだけでなく スニーカーでしかありえない色合わせやボリューム感が面白くて、あっという間に虜になりました。今ではむしろ「スニーカーがなかったら私のファッションおしまいだ」と思っています（笑）
――あなたにとってスニーカーとは？
「子育て中の母」な自分と「ファッションを仕事にしている40代」な自分、そのどちらも両立させてくれるのがスニーカーたちです。42歳にして既に結構ガタが来ている（笑）足に無理をさせず、16kgの子どもに抱っこをせがまれてもまぁなんとかギリギリ歩けて、かつ、色や柄で思いっきり楽しんで、自分らしいミックススタイルのファッションが成立させられる。「母」と「ファッションラバー」、どちらの自分にも我慢させずに楽しんで暮らすために、欠かせない存在です。
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
ちょうど私の青春時代は、エアマックスやポンプフューリーが狩られる時代とまさにドンピシャで。ブランド古着のお店で見つけた定価の3倍くらいするエアマックスを、高校時代のバイト代を握りしめて買いに行ったのは今でも忘れられない思い出です。今40代の私は古着・ヴィンテージの業界にいるのですが、当時の服はいまや「ヴィンテージ」の域に。当時の自分くらいの若いお客様たちがエアマックスやポンプのオリジナルカラーの復刻を履いて、90年代のリバースウィーブを「やっぱカッコイイ！」とバイト代をはたいて買って行かれる姿に不思議な感覚を覚えつつも、こうしてファッションって巡っていくのだな。とニマニマしています。それにしてもあのエアマックス、残しておけば良かったな……
あの頃の定番スニーカー・ヴァンズ『スリッポン』とは
今や知らない人はいないといっても過言ではない、ヴァンズのスリッポン。ひもなしですっと足を入れるだけで履くことができ、無駄な装飾のない潔いビジュアル。シンプルな名作に魅せられ、何足も持っているというスリッポンラバーも多数います。登場は、1979年。デビューからもうすぐ半世紀という歴史があるモデルで、仕様やフォルムは常にアップデートされているのも人気のヒミツ。新作やコラボものを追い求める一方で、ヴィンテージに回帰するというファンも少なくありません。とくに『チェッカーボード』は、ヴァンズを象徴するパターンの一つとなっています。
