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ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

2023.03.14

普段から多くのシューズに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのシューズについて聞く “担当者がスニーカーを語る” シリーズは開始から約3年。これまで複数のメーカーさんより、数多くのシューズをご紹介いただきました。そこで、今までに登場したシューズの数々を、各メーカーごとにまとめてご紹介していきます。

今回は『ニューバランス(NEW BALANCE)』のスニーカー4モデルをご紹介。アメリカ・ボストンで生まれたスポーツシューズメーカーの人気のスニーカーについて、ニューバランスジャパン・マーケティング部PRの小澤真琴さんに語っていただいています。

(1)『992』「好きな人にはたまらない玄人好みの1足」

『992』は、2006年に『991』の後継モデルとしてニューバランス100周年を記念して誕生。ブランドを代表するフラッグシップモデルである『990』シリーズに位置付けているモデルで、この回では2020年に登場した復刻モデルについて伺っています。オリジナル発売当時に購入したものの「もったいなくてなかなか履けないでいる」というこのモデルの魅力についてのインタビューは、2020年6月公開に公開されました。

――『992』はどんなスニーカーですか?

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

992』は、ニューバランスの中でも根強い人気があるMade in U.S.A.のモデルになります。

ニューバランスは、1906年にブランドが誕生して以来、現在までアメリカ国内でのシューズ製造を継続しております(※)。中でも、その時代ごとに一番良いシューズを作ろうというテーマで生み出されてきたのが、ブランドを代表するフラッグシップモデルである『990』シリーズで、『992』は、その9代目として2006年に誕生したモデルです。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

2006年はニューバランスブランド創立100周年。その記念すべき年に相応しく、100周年記念モデルとしての限定版もこの『992』で作られました。それ以来、一度も復刻することのなかった『992』が今年復活。シューズの機能としては、衝撃吸収性・反発弾性・耐久性に優れるミッドソール素材『ABZORB SBS』を採用。スムーズな足運びをサポートするために硬度を変えた『TS2』、耐摩耗性に優れるアウトソール素材『N durance』など、当時の最先端テクノロジーの数々をそのまま再現しています。

ヘリテージならではの風格を漂わせながら、ウルヴァリン社の上質なピッグスキンスエードを採用し、落ち着いた雰囲気の1足です。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

(※アメリカ国内に工場を持ち、熟練の職人たちを抱え、国内で材料調達をすることができることが、今回のCOVID-19の状況下でのマスク製造につながりました)

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

――譲れないお気に入りのポイント、オススメしたいところを教えてください。

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長年ニューバランスにいますと、どんどん良く見えてくる、という現象が起こるのですが、990シリーズは間違いなくそれです。

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履いている自分を大切にすることができているような気がするんです。992の特にお気に入りの点は、タンにある『992』という数字の下にある、タンがずれないようにシューレースを通すためのパーツにある小さな『N』。ここだけ少し可愛い気がします。あと、アウトソールの土踏まず部分にだけ赤と青が見えるのもポイントです。

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ブランドを象徴するグレーカラーに、ランニングシューズとして機能第一でデザインされているため、ちょっと野暮ったいと感じる人もいるかもしれないアッパー、安定性のあるボリューミーなフォルム、間違いのない履き心地の良さ、全てにおいてオススメしたいです。

――『992』のストーリーを教えてください。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

2006年の『992』オリジナル発売当時、私はすでにニューバランス ジャパンの社員だったので、100周年記念モデルが欲しくてたまらず、購入しました。大事にしすぎてなかなか履くことができず、履くタイミングを完全に逃しまして、実は未だにきれいなまま持っています。分かる人には分かる貴重な一足なので、話のきっかけになりそう…と思いつつ、もったいなくて履けないままでいます。このまま一生履かずに取っておくことになりそうです。

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今年このモデルが復活するということで、編集の方やスタイリストさんたちから、今までにないくらい「992が出るんだって?」と話しかけられました。これまで、それほど話題にあがることもなかったモデルだったので、「みんなそんなに好きだったの??」と実はとても意外でした。好きな人にはたまらない玄人好みの1足なのかもしれません。

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M992

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(2)『M1300CL』「ひっそりと存在し続けている独特の立ち位置のモデル」

ニューバランススニーカー2つ目は『M1300CL』。ニューバランスの1000番台シリーズといえば、1985年にM1300がリリースされて以来、ブランドを象徴するモデルが展開されてきました。M1300CLは、アッパーはオリジナルの1300を踏襲しながら、ソールはM577で構成され、デザインと機能性を兼ね備えたシューズになっています。(2020年10月公開)

――『M1300CL』はどんなスニーカーですか?

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M1300CLは、1985年にオリジナルが発売されたM1300の派生モデルとして誕生したモデル。アッパーはオリジナルの1300を踏襲しながら、ソールはM577という、トレイルランニングの系譜にあるモデルに採用されているクッション性と、安定性を両立したソールが組み合わされています。

オリジナルのソールは、ミッドソール全面がPU素材の中にクッション材を封入したENCAP(エンキャップ)構造ですが、このM1300CLは踵(かかと)部分のみがENCAP構造となり、前足部はニューバランスのクッション素材C-CAP(シーキャップ)が採用され、屈曲性を高めているのが特徴です。

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オリジナルのM1300は、5年ごとに復刻されては即完売を繰り返していますが、このM1300CLは継続的に販売している人気の1足です。2020年は、オリジナルのM1300が発売から35周年で復刻されたことを皮切りに、M1300CLのカラーバリエーションが登場したり、様々なコラボレーションも登場するなど、ニューバランスにとってはM1300イヤーとなっています。

――譲れないお気に入りのポイントは?

M1300CLは、復刻する度に大注目を浴びるM1300の“派生モデル”として、ひっそりと存在し続けている独特の立ち位置のモデルなんです。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

アメリカ国内に5つあるニューバランスの自社工場のうちの一つで、現在も製造が続けられています。M1300ならではのブルーがかったグレーは、スティールブルーと呼ばれ、ファンが多いカラー。ニューバランスのグレーにはいくつか種類があり、例えば同じく、Made in USAのM996のグレーは少しベージュがかったような温かみのあるグレー、M990v5はまた違った系統のグレーです。個人的にはニューバランスのグレーの中では青みがかったこのM1300、M1300CLのスティールブルーが好きです。

――『M1300CL』とのストーリーを教えてください。

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実は、まだ履いたことがありません!! M577も履いたことが無いので、このソールは未経験。オリジナルM1300は、ソール全体がPUに包まれているので、若干硬さを感じますが、このM1300CLはまた違った履き心地だろうなと想像します。踵は安定しているけど、前足部がソフトでクッション性があるので、足運びがしやすそう。オリジナルよりもさらに歩きやすいのではないかと思っています。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

長年ニューバランスにいますが、まだまだ定番モデルでも履いたことが無いモデルがあるのは楽しいです。M1300CLの他にも、興味がありながらも日本でウィメンズ向けの小さいサイズ展開がなかったり、機会を逃して履けていない名品がいくつかあります。M1300CLは何となく、今まで近くて遠い存在だったので、今年1足買ってみようかなと思っています。

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(3)『ML2002R』「上質な素材感でクオリティの高さを感じるシューズ」

ニューバランスシューズ3つ目のご紹介は、『ML2002R』。2010年に発売された『2002』の重厚なアッパーデザインを継承しつつ、ニューバランスの代表的なテクノロジーを採用したパフォーマンスシューズ『ML860 v2』のハイスペックなソールと融合したハイブリットモデル。履き心地の良さはもちろんですが、2021年の登場ではカラーバリエーションが豊富に登場したこともあり、人気が再燃しました。(2021年4月公開)

――『ML2002R』はどんなスニーカーですか?

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

今回ご紹介する『2002R』は、Made in U.S.A.のフラッグシップモデルである1000シリーズの9代目として2010年に発売となった、MR2002を元に誕生したモデルです。オリジナルのMR2002からインスパイアされた重厚なアッパーデザインに、ミッドソールには2011年に登場したパフォーマンスランニングシューズ『860v2』の高い衝撃吸収性と反発性を誇るN-ergy(エナジー)とABZORB(アブゾーブ)を搭載したハイスペックソールを組み合わせたハイブリッドモデルです。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

1000シリーズは99Xシリーズとともに、ブランドを象徴するシリーズであり、99Xよりさらに上位モデルとして位置づけられています。オリジナル発売当時のMR2002は、米国メイン州にあるニューバランスの自社工場で最高の技術力を誇る『Super Team33』が製造を担当。クオリティの高いアッパーの天然皮革、ラストの改良やミッドソールのクッション素材N-ergyにより、最上級の履き心地を実現したプレミアムなモデルでした。

――『ML2002R』とのストーリーを教えてください。

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1985年誕生の1300、その後開発された1400は天然皮革のアッパーでしたが、その後1989年発売の1500から2003年発売の2001までは、シンセティックレザーアッパーでデザインされていました。1000シリーズの中で久しぶりに天然皮革アッパーに戻ったのが、この2010年発売のMR2002でした。とても上質な素材感でクオリティの高さを感じるシューズでした。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

オリジナル発売当時、そのレザーの質感とソールのクッション性がすばらしく、自分でも履きたいと願っていました。特にセカンドカラーだったブラックがかっこよかったのです。スポーティーさもあるデザインのアッパーがやわらかな印象の質の良いレザーとメッシュで構成されていて、ミッドソールは白く、アッパーのブラックとのそのバランスがカジュアルでもあり、高級感もあり、という絶妙な素敵なバランスだなと思っていました。

日本での展開サイズが25cmからで、大きめを履くにしても大きすぎ、そして値段も高いし(当時34,000円)……と悩んだ末、断念しました。サイズの合わないサンプルにこっそり足を入れてみた時の心地よさは格別で、いつかジャストフィットした2002を履きたい、と憧れたシューズでした。

――『ML2002R』のアピールポイントを教えてください。

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今回2020年秋に復刻した2002Rは、ソールはオリジナルと異なりますが、アッパーのデザインはそのままに、レザーのクオリティも高く当時のイメージをそのまま再現したようなシューズです。大きな話題となり、日本だけでなくアジア各国でもあっという間に売り切れてしまうほどの人気でした。1000シリーズは2016年のM2040 v3を最後に、新しい品番はしばらく出ていません。今年は様々なカラーや素材の2002Rが登場してきます。ぜひ一度足を入れてみて頂きたいです。

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(4)『574』「ニューバランスと聞いて思い浮かべるスニーカー」

今回最後にご紹介するモデルは『574』。ニューバランスの中でも定番中の定番で、足を入れたことのある方も多いのではないでしょうか。そんな574が、環境に配慮した素材を使用し2022年に新登場。リサイクル素材を配合し、ニューバランスが定めた“グリーンリーフ(Green Leaf)基準”を満たしたサスティナブルシューズについて語っていただきました。(2022年4月公開)

――新たに発売した『574』は、どんなスニーカーですか?

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「574」は、ニューバランスを代表するモデルのひとつです。80年代に誕生したオフロードシューズ「576」のDNAを引き継いで1990年代に誕生しました。500番台の系譜にある「574」は、現在ではその安定性とクッション性から、ニューバランスのアイコニックシューズとしてファッションシーンで長く愛されています。

今までたくさんの色や素材で提案してきた「574」ですが、改めてブランドを象徴するカラーであるグレーで提案。包み込むようなフィット性をもたらすECOGREENスエード/メッシュアッパー、クッション性とグリップ性に優れたミッドソールとアウトソールが、快適な履き心地です。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

さらに、足幅も “Dやや細い” “2E標準”の2種類が用意されているので、フィットすること間違いありません。(足幅2種類あるのはグレー、ブラックのみ。他にネービー、バーガンディなどあり。)

――『574』の個人的な思い入れ、オススメしたい点を教えてください。

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ニューバランスの中でも最も定番と言える品番ですが、実は今シーズンからアッパーの50%以上、アウトソールは5%以のリサイクル素材を使用し、ニューバランスが設定しているグリーンリーフ(Green Leaf)基準を満たしたサステナビリティプログラムのアイテムとなりました。

これまで環境に配慮したシューズの取り組みといえば、スペシャルなアイテムとして登場することが多かったかと思います。しかし、世界中で最も多くの人が履いているニューバランスシューズでそこにチャレンジすることは、ブランドの本気度を表しているな、と我がブランドながら素晴らしい取り組みだと思っています。そして、そのチャレンジをする時の色が「グレー」であることが、さらにニューバランスの覚悟を示しているなと感じています。

――譲れないお気に入りのポインを改めて教えてください。

ニューバランス担当者がスニーカーを語る。まとめ4選『992』『M1300CL』『ML2002R』『574』

ニューバランスと聞いて思い浮かべるスニーカーって、きっと皆さんこの姿かたちのスニーカーなのではないでしょうか。

大きめのNロゴがサイドについているシンプルなデザインのグレーのスニーカー。シンプルなデザインで、初めての1足としてもオススメのスニーカーです。

グレーというカラーは一見地味に感じると思いますが、実はスタイリングしやすい色です。主張しすぎず、スポーティすぎないのでカジュアルだけでなくて、キレイ目なコーディネートにもしっくりくると思います。いろんなスタイルに、気負わず合わせてみてください。

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