【街に馴染むあの頃の定番スニーカー】鮮やかな白と黒・アディダス『スーパースター』
例えば、1990年代ごろの、その昔。僕たち私たちを魅了してやまなかった、あのブランドのあのモデルのスニーカー。カッコよくって光輝いていて、手に入れるために必死に頑張ったっけ。
……と、エモな思い出が蘇ってくる世代も、当時はまだ幼かった若者世代も。
あの頃のスニーカーには、どこか特別な意味がある。だから今もなお愛され、リバイバルするのだろう。
本特集では、そんなスニーカーを愛用している、“kicksラバー”にインタビュー。愛してやまない“あのモデル”について、たっぷりと話を聞きました。
あの頃の定番スニーカー・アディダス『スーパースター』の魅力
今回話を聞いたのは、『アディダス(adidas)』スーパースター<SUPERSTAR>を愛用している@hamuitaさん。
――生活においてスニーカーとどのようにかかわっていますか?
インスタグラムにて、主に購入したスニーカーの紹介をしています。学生の頃から主にアディダス、プーマ、プロケッズなどのスニーカーを愛用しています。普段、仕事では作業靴しか履けないので、休日にお気に入りのスニーカーを履いてスニーカーショップを巡ったり、スニーカーのメンテナンスをすることが楽しみになっています。仕事がある日でも、帰宅してからスニーカーを眺めたり、1人ファッションショーをしてみたりと、気付けばスニーカーのことばかり考えている人生です(笑)。
――購入した理由やキッカケは?
スーパースターを初めて買ったのは、十数年前、大学1年生の頃。友人に誘われて始めたブレイクダンスで使用するシューズを選ぶためにABCマートへ行った際、「コレだ!」と思ったのが、黒×白のスーパースター1でした。その頃はスニーカーの知識など全くなく、デザインの好みだけで選びましたが、翌日ダンス仲間に「おっ、スーパースターじゃん!良いね!」と言われ、このスニーカーってそんなに良い物なんだ!と嬉しくなり、そこからスーパースターについて色々と調べ始め、バスケットシューズとして生まれ、ヒップホップカルチャーにも深い関わりがあることを知り、ダンスを始めた今の自分にピッタリだ!とますます愛着が湧きました。その後何足も購入して、今では立派なスーパースターマニアです(笑)
――お気に入りのポイントは?
お気に入りのポイントは、とにかく豊富なバリエーションです! カラーリングだけでなく、年代による形状の違いやさまざまな用途に応じて改良されたモデル、デザイナーによってモダンに再構築されたモデルなどが無数にあり、本当に奥深くて、飽きることが無い稀有なスニーカーだと思います!
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは?
こだわりは特にないです。どんなファッションにも溶け込み、こだわらなくてもサマになるのがスーパースターの良さだと思います! 離れた場所からもはっきり分かる個性がありつつ、服の個性とぶつかり合わない、完成されたデザイン。誕生から50年以上愛され続けているのも、納得です。
――kicksラバーになったキッカケは?
前述の通り、大学生の頃ダンス練習のために買ったスーパースターをきっかけに、同じくヒップホップカルチャーと深い関わりがあるプーマのスウェードSや、プロケッズのロイヤルプラスなども履くようになりました。大学卒業後は一旦スニーカー熱も落ち着きましたが、2020年にスーパースター50周年を迎えたとき久しぶりにスーパースターを購入したことでスニーカー熱が再燃し始め、それと同時期に始めたインスタグラムで多くのスニーカー好きな方と繋がり、触発される形で本格的にスニーカーをコレクションするようになりました。ちなみに、インスタを始めるまで、世の中がスニーカーブームだということは全く知りませんでした(笑)
――あなたにとってスニーカーとは?
自分の世界を広げてくれる存在です!
スニーカーを通じて多くの人と出会い、スニーカー以外のことも広く学べました。私は元々かなりの出不精なのですが、「新しいスニーカーをおろしたい」「誰かに見せたい」と外出する機会が増え、今まで行くことの無かった場所へも足を運ぶようになり、多くの新たな発見がありました。
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
80~90年代というと、自分はまだ赤ん坊~小学生の頃なので詳しいことは分かりませんが、当時の雑誌や、その時代に青春を謳歌した方達の話を聞く限り、ファッション、ブランドに対する意識がとても高かったんだなと感じます。
現代において、ブランドに対する知識やファッションの歴史的背景はあまり重視されない気がしますが、当時はただ流行り物を身につけているのでなく、そのブランドがどの国の、どの地区で生まれたのか、誰がどういった意図でデザインしたのかなどを理解した上でコーディネートしていた方も多かったと思います。特にストリートファッションはその傾向が強かったのではないでしょうか。
それとは別に、テレビや雑誌で活躍する芸能人やデザイナー、ショップ店員などが身につけるアイテムが流行の最先端だったのも、当時ならではだったと思います。ネットが普及したことで、誰でもセルフプロデュースができるようになった現代では成り立たない図式だと思います。今や、一般のYouTuberやSNSのインフルエンサーの影響力が大きくなり、時代だなぁと感じます。
あの頃の定番スニーカー・アディダス『スーパースター』とは
1969年にバスケットボールシューズとしてデビューした、アディダスのアイコン的な名作モデルの一つ。貝殻のような形状から、シェルトゥの名称でおなじみのラバーのトウキャップ、上質感漂うレザー素材のアッパー、サイドのスリーストライプスが特徴です。デビュー後はバスケットボール選手のみならず、スケーターやヒップホップアーティストなどストリートでもブームとなり、瞬く間に人気に火がつきました。