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年齢を重ねて見つけた“遊び”のスタイル シーホース三河・石井講祐選手<Bリーガーの私服Vol.54>

2025.04.04

Bリーグ×ファッション連載54回目は、シーホース三河石井講祐(いしい・こうすけ)選手が登場。2013年に練習生として千葉ジェッツに加入して2014年に選手契約を勝ち取ったのち、6シーズンにわたってチームの主軸として活躍しました。2019年にサンロッカーズ渋谷に移籍して4シーズンを戦い、2023年からシーホース三河に所属しています。

揃えて、繰り返して、色で遊ぶ

――今日はアシックスNYCを履いています。選んだ理由は?

石井講祐(以下石井):NYCシリーズは落ち着いたデザインと履きやすさが好きで、色違いで何足か持っているんです。どのNYCも白ベースで、シルバーやグリーンのラインが入っています。僕はスニーカーに限らず、気に入ったアイテムは同じシリーズで集めることが多いです。世の中にあるものすべてが僕に合うわけじゃないから、「これは合う!」と感じたら揃えておきたくなる。今日履いてきたデニムもそうです。このデニムは太ももとウエストがフィットするし、丈もピッタリなので、同じシリーズで5本揃えています。

年齢を重ねて見つけた“遊び”のスタイル シーホース三河・石井講祐選手<Bリーガーの私服Vol.54>

――石井選手は新しいものを探すより、気に入ったものを長く愛用するスタイルなんですね。

石井:新しいものが嫌いなわけではないけれど、子どもの頃から集めたり揃えたりするのが好きでしたね。僕は同じ曲を繰り返し聴いていられるタイプだし、バスケットボールで言えば、毎日同じルーティーンをこなしていくことが好きです。朝食のメニューも毎日ほぼ一緒ですよ。ごはんと味噌汁、目玉焼きと焼き魚とサラダと決まっています。

――バッシュも同じシリーズで揃えるのですか?

石井:ほぼアシックスですね。初めて履いたのは町の靴屋さんにあったFILAのバッシュでしたが、バスケットボールショップで選ぶようになってからは小中高とアシックスでした。ゲルバーストのシリーズを1・2・3……と履いて、一度別のゲルシリーズに浮気したんですが、合わなくてすぐ戻して。東海大学ではチームサプライヤーのナイキを履きましたが、プロになってアシックスに戻しました。今はゲルトライフォースシリーズを愛用しています。

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――アシックスのバッシュの魅力はなんですか?

石井:足馴染みがよくて履きやすいです。僕はディフェンスやシュートに入るまでに細かいステップを踏むことが多いので、バッシュのねじれにくさが重要なんです。高く飛ぶ機能よりもグリップ力を重視して選んでいます。以前は白や黒などオーソドックスな色が多かったんですが、最近はいろんなカラーのバッシュが出ています。僕は35歳を超えたあたりから原色に惹かれるようになって、色で遊ぶ楽しさを感じています。

――バレンタインデーに合わせて、シーホース三河の選手たちがピンクバッシュで揃えていましたね!

石井:バレンタインの前に黄色のバッシュで揃えたんです。たまたま黄色を持ってきた選手が多かったので、「揃えて履こう」ということになって。その翌週の試合がバレンタインデーに近かったので、僕から「次はピンクで揃えよう」と声がけをしました。

若い頃はバッシュもモノトーンばかり履いていたし、基本的には、私服も落ち着いた雰囲気のキレイめな服が好きです。でも、最近は遊びの要素を入れたくなっています。

須田侑太郎選手の影響で、眼鏡とサウナにハマる

――今日のコーディネートは、眼鏡が遊びの要素になっていますね。

石井:色で遊ぶ感覚と同じように、小物でアクセントをつけることに興味が湧いています。今日かけている眼鏡は、(同じチームの)須田(侑太郎)御用達のショップで買いました。須田はファッションに詳しいから、一緒にショップに行って須田と相談しながら選んだ眼鏡です。

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須田侑太郎(以下須田):ギュパールの眼鏡です。よく似合っていますよね。フレームはクリアなグレーで肌馴染みがいいし、光の加減で黒にも見える。遠目で見てもカッコいいけど、近くでよく見るとすごくオシャレな眼鏡です。

石井:実は、眼鏡デビュー3日目です。僕は目が良いので、ブルーライトカットの眼鏡以外はかけたことがなかったんです。でも今は、眼鏡を揃えたくなっていますね。次は丸眼鏡かなって思っています。

須田:ショップに入る時は「眼鏡は知らないな」と言っていたのに、出る頃には「今度は丸眼鏡だな」と言っていて、めちゃくちゃ笑いました!

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――二人は仲が良いんですね。

石井:年齢が近いし、同じ東海大学ということもあって、昔話をしたり、これからのチームについて真面目に話し合うこともあります。眼鏡以外だと、サウナも須田に教えてもらいました。もともと温泉が好きでサウナもたまに入っていましたが、須田と一緒にサウナに行くようになってから、サウナ・水風呂・外気浴を3セット繰り返すようになりました。試合に勝っても負けてもリフレッシュになるし、今ではすっかり“サウナー”です。

遠征先で須田とサウナに行くこともありますよ。朝4時に起きて、湖畔から日の出が見えるサウナまで行ったこともありました。僕は、ハマるととことん調べたくなる性分で、今はサウナの効能を調べたりしています。

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職人気質が磨く、石井選手のプレースタイル

――石井選手は、職人のように着実にシュートやディフェンスを遂行していくイメージがあります。「繰り返しが苦にならない」「ハマったら追求する」という性質を聞いて、職人的なプレースタイルの背景が見えた気がします。

石井:僕は高く跳べるわけでもないし、すごく足が速いわけでもない。飛び抜けた身体能力はないので、いろんなバスケの試合を見る中で「この展開では、このプレーが有効なんだな」と学びを繰り返しています。僕自身、練習生からスタートして自分の強みを探しながらやってきたということもあって、常にコーチが求めるものを観察しながら、自分のスキルや強みをどう活かすか試行錯誤を繰り返してきました。

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――バスケに限らず、どんな仕事にも応用できそうな振る舞いです。

石井:社会人の方なら、上司や後輩などの人間関係を含めて思い通りにいかないことはあると思いますが、結局は自分の見方と捉え方次第なんだと思います。僕も瞬間的には悔しくて感情がマイナスに振れる時がありますが、落ち着いて振り返ると、過去のつらい経験が今に活きていると実感することが多いです。それがわかっているから、未来の自分のために今は逃げずにやり切るようにしています。

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©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.

――最近は「頑張らない」という考え方も浸透してきましたが、これについてどう思いますか?

石井:病気になるまで頑張れというわけではないです。しつこくやりたいと思えるものが見つかって、何かを成し遂げようとした時に、もがき続けないといけないタイミングがきます。そこで頑張るのは大切だと思うんです。自分の性質を見極めて、自分に合ったやり方で乗り切った時に成長できる。性質を見極めるというのは、「自分の性格はこうだから」と決めてかかるんじゃなくて、必要なら自分の性格とは逆の役割を仕事として演じてみるのもいいかもしれない。もがく時期をどう過ごしたかで、人としての成長や深みが違ってくると思います。

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ファッションで感じる、子どもの頃のワクワク感

――石井選手にとって、靴や服などのファッションアイテムはどんな存在ですか?

石井:学生時代は本当に服に興味がなくて、デニムばかり履いていました。今はバスケットボールコートでユニフォームを着るのとは違う意味で、キレイめな私服を着ることが気分転換になっています。僕は35歳を超えてから原色に惹かれて、眼鏡など小物に興味を持ち始めました。今の僕にとってのファッションアイテムは、子どもの時にカッコいい靴に憧れたり、ミニ四駆にハマった時のような純粋な気持ちを思い出させてくれるものです。

――石井選手がこれから何にハマっていくか楽しみです。

石井:そうですね。40代、50代になった時に、大人の男性にふさわしい遊びをするのが今から楽しみです。周りには僕の知らない世界を知っている人がたくさんいるので、話を聞いて「おもしろそうだな」と感じたものには触れてみたい。何も知らずに否定するのは好きではないので、まずはトライしていきたいです。

年齢を重ねて見つけた“遊び”のスタイル シーホース三河・石井講祐選手<Bリーガーの私服Vol.54>

眼鏡:guepard(本人私物)
スニーカー:ASICS(本人私物)
その他:本人私物

取材・文:石川歩
写真:水野由佳
取材協力・写真提供:シーホース三河