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シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>

2019.04.15

シーホース三河が千葉ジェッツのホームに乗り込んで行われたBリーグ第28節。GAME1で74-105と千葉に大敗を喫した三河は、次の日のGAME2に特別指定選手で2018年12月に入団した熊谷航選手(22歳)をスターティングファイブに起用しました。B1全チームでナンバー 1の勝率を誇り、日本代表の司令塔・富樫勇樹選手を擁する最強の相手・千葉に挑んだ熊谷選手。試合後におこなったインタビューで熊谷選手が発した言葉は、「楽しかった!」でした。

靴下で、遊ぼう!

——試合直後に私服で来ていただいて、ありがとうございます! 真っ白のパーカーにタイトデニムと『オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)』。爽やかなコーディネートですね。

シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>

白いスニーカーが好きでよく履きます。これは、オニツカのなかでもシンプルなデザインで、グリーンのラインが気に入っています」

——オニツカタイガーが60~70年代の復刻デザインで、アシックスタイガーが80~90年代の復刻版。オニツカのほうがレトロな雰囲気がありますね。

「このレトロな感じが好きです。『アシックス(asics)』以外だと、『ナイキ(NIKE)』のエアフォースシリーズをよく履きます」

シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>

——この連載で今まで出演してくれた多くのBリーガーが、エアフォース 1<AIR FORCE 1>の話をするんです。実は、『Bリーガーはエアフォース 1を持っているべき』という不文律でもあるのでしょうか(笑)。

「僕は中学生からエアフォース 1を履いているのですが、今思ったのは、中学では白いシューズしか履いちゃだめという校則がありませんでしたか? エアフォース 1は白が定番だから、学生時代からバッシュのひとつとして履きやすいのかも。スウェットにも私服にも合うスニーカーなので使い勝手も良いし」

——そういうことか! 『Bリーガー・エアフォース 1の謎』が解けました(笑)。靴下の差し色も、レトロな雰囲気が良いです。

「これもオニツカタイガーです。スニーカーに合わせました」

——実は、今日は私もオニツカタイガーの靴下です! 試合で外国籍選手の足元を見ていると、空を飛ぶみたいにダンクをする選手がスーパーマン柄の靴下を履いていたりして面白い。ソックスからおしゃれをするコーディネートもいいなって思うんです。

シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>

熊谷航選手、ポール・スミスとGUCCIで大いに悩む

——服とアクセサリーは、どこのブランドですか?

「パーカーはDESCENDANT、パンツはリーバイス、時計はポール・スミスです。学生時代はスウェットばかり着ていて私服をあまり持っていなかったのですが、チームに入ってから移動が私服になって、“熊谷はまた同じ服かよ”と思われるのがイヤで(笑)買いました。DESCENDANTは、チームメイトの生原選手に教えてもらいました」

シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>

——小物は、ポール・スミスが好きなのですか?

「兄が好きでプレゼントしてくれたのをきっかけに、中学生のころから時計と財布はポール・スミスを使っています。ただ、社会人になったから違うブランドにしたいなと思って、いろいろ探しています」

——候補のブランドは?

「ポール・スミスからちょっとレベルアップしたブランドで考えていて……GUCCIはどう思いますか? みんなが持っているブランドはイヤだなと思うとGUCCIではない気もするし。何か良いアイデアはありますか?」

——たとえば、名もないブランドだけど、職人さんが丁寧につくっているものを大切に使うというのも、素敵だと思います!

「そういう財布は生原さんが使っています。生原さんはおしゃれで、誰も持っていないおしゃれなブランドを知っています。僕も、人とかぶらないかっこいい財布を探したいです」

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“プロの洗礼”は、気にしない

——熊谷選手は、試合ではアシックスのゲルトライフォース3<GELTRIFORCE 3>を履いています。このバッシュを選んでいる理由は?

「シューズのなかで、横の足のズレがないのが良くてシリーズ1からずっと履いています。アシックスはソールが固いので、急なストップにもシューズがきちんと付いてきてくれます」

——今日の試合は、千葉・富樫勇樹選手とマッチアップするシーンが多くありました。日本代表のポイントガードとマッチアップした感想は?

楽しかった! 富樫選手は日本代表で有名な選手ですが、怖れる気持ちはありませんでした。怖れてプレーしていたら自分の全部を出していないことになるし、それはプロの真剣勝負ではないと思います。相手が誰でも勉強になるので、一つひとつ学んで次のステップへいけるようにしているし、楽しむことを大切にしています。

シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>

——ある程度の余裕を持っていないと、楽しむことはできないと思うんです。富樫選手が相手でも、余裕があったということですか?

余裕というか、自信をつけるようにしてきました。Bリーグに入って最初のほうはめちゃくちゃ緊張して自分らしいプレーができなかったのですが、日々の練習で自信をつけていきました。今まで自分ができなかったことを練習やワークアウトでトライして、それをできるようになることで自信をつけていく。練習の内容がそのまま試合に出るので、毎日の練習で自分のベストを尽くしていくことを意識していました。

——最終的に三河は74-95で負けましたが、熊谷選手は38分20秒とほぼフルタイムで出場して6アシスト11得点をあげました。GAME1で26点とった富樫選手がGAME2では2点にとどまった結果を見て、プロでも通用するという感覚は大きいのでは?

「僕が得意なディフェンスはプロでも通用するという感触はありました。今回の試合では富樫さんのスピードについていけたので、スピード面も自分では評価しています」

シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>

——一方で、レイアップを何本かブロックされるシーンもありました。解説では、「これがプロの洗礼です」と言われるところですね。

「今日の1クォーターのブロックは言われていますよね(笑)。インパクトを残すコメントだと思うし、ブロックされた理由もわかっているので、僕は特に気にしていません。ただ、学生時代と違って帰化選手・外国籍選手がコート上に多いので、体力の削られかたが学生時代と全く違います。走る体力より、体と体がぶつかる体力のほうが消耗するので、スクリーンでまともにぶつかっていくとキツイですね」

——“プロの洗礼”といえばもうひとつ、今日の試合には6,717人の観客が詰めかけたそうです。おそらく9割以上が千葉ジェッツファンだと思いますが、この圧倒的アウェーのなかでプレーするのはどんな気持ちですか?

「学生の大会はお客さんが入っても1,000人くらいなので環境は全く違いますが、特に緊張はしません。フリースローのブーイングも慣れてきて、今は気にならないです。人は徐々に置かれた環境に慣れていくのだなと思っています。逆にホームの応援は、力になります。シュートが入ったらめちゃくちゃ盛り上がってくれるから、自分でも“フゥゥゥー、気持ちいい!” って思いながらプレーしています」

シーホース三河・熊谷航選手『Bリーガー・エアフォース 1の謎』を解く<Bリーグ×ファッションの関係Vol.14>


トップス:DESCENDANT
パンツ:LEVI’S
シューズ:アシックス・オニツカタイガー

どんな質問にも、そつなくテキパキと、自分の言葉で答えてくれた熊谷選手。大学卒業直後とは思えない落ち着いた雰囲気の背景には、「自分の考えと人の考え方は違うので、相手がどう思っているのか考えます。相手の言いたいことを聞いて、それについて自分ならどう考えるのか? は、よく考えています」という考え方がありました。

どんな相手にも臆せず、淡々と自分のプレーをする熊谷選手。173cmの熊谷選手が2メートル超の選手を交わして決めるシュートは見ていて痛快です。Bリーグのレギュラーシーズンもまもなく終わり。若い選手を中心に変化を遂げつつあるシーホース三河の試合に、一度足を運んでみてはいかが?

INTERVIEW / TEXT:石川歩
PHOTO:野呂美帆