「ワイドパンツがトラウマ」名古屋ダイヤモンドドルフィンズ・満田丈太郎選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.16>
手も足も長い選手だ……。服を買うときはまず、布が体に足りているかどうかを確認するという。Bリーグ『名古屋ダイヤモンドドルフィンズ』に所属する満田丈太郎選手(みつだ・じょうたろう、188cm)は、神奈川県出身の25歳。筑波大学在学中に特別指定選手として『横浜ビー・コルセアーズ』に入団し、2017-18シーズンで58試合に出場・378得点をあげる活躍をしたのち、プロ3年目の舞台に、名古屋ダイヤモンドドルフィンズを選びました。
今回は、満田選手のプライベートシューズから横浜時代にトラウマになったワイドパンツの話、名古屋移籍後のバスケットボールへの思いを聞きました。(2019年3月取材)
手足の長さに対して、布が足りない!
——今日は、エアジョーダン1 ハイジップ<NIKE AIR JORDAN 1 HIGH ZIP>を履いてきていただきました。定番のエアジョーダンでも、ジップがつくと雰囲気が変わりますね。
「僕はふだん白か黒のシューズしか履かないのですが、別の色が欲しいと思ったときに目に入ってきたのがこのシューズです。色が良かったのと、エアジョーダンにジップがあるのを初めて知って買いました」
——インナーのシャツとシューズで色を合わせていて、ミリタリーの雰囲気がありつつ上品にまとまったコーディネートです。トップスはどこのブランドですか?
「Neighborhoodです。薄めの素材なので春に着ようと思って買いました。もともとNeighborhoodは、兄や友だちが好きでカタログをよく見ていた馴染みのあるブランドなのですが、すごくおしゃれな人が着るイメージがあったので買うのを躊躇していて……。でも、このジャケットはNeighborhoodの中ではシンプルなので、僕でもイケるかなと思ったんです」
——満田選手は顔だちがはっきりしているし、手も足も長いから、どんな服も似合うと思います!
「そんなにうまくはいかないんです(笑)。太ももは太いけど膝下は細くて、ユニフォームだと特に、棒のようだと言われます。今日のパンツは、ギリギリ長さが足りているかどうかという状態で履いてきました。そもそも服を買おうとしても、丈が足りないことが多くて、少しでも良いなと思った服はまず試着をして、体が入るかどうかを確認します」
——手足の長さに対して布が足りない(笑)。みんな、言ってみたいセリフです。
「僕の体は奇妙なかたちをしていまして(笑)。今日のデニムはNudie Jeansで、股上の浅さと細身のシルエットが気に入ってどうしても欲しくて試着をしたんです。でも、丈は合っていてもウエストがぶかぶかで、ベルトをしめると皺がよってしまう。結局、長さが足りるサイズを買って、別の店でウエストを細くお直しして履いています」
横浜ビー・コルセアーズで、ワイドパンツがトラウマになる
——今日は、満田選手のスタイルの良さを生かした細めのシルエットですが、いつも私服はこんなコーディネートですか?
「横浜にいたときに、一度ワイドパンツにチャレンジしたことがありました。でも、横浜のチームメイトにめちゃめちゃいじられまして。ワイドパンツを履いていない日も、『今日はワイドじゃないんだ』『あのワイドはどうした』とかメンバーに言われ続けて、ワイドパンツがトラウマになりました(笑)」
——横浜の選手は、“コルセアーズ”の名前通り、一筋縄ではいかないやんちゃな海賊たちのイメージがあります。満田選手がいじられている姿が浮かびます(笑)。
「もう、ワイドパンツは履けません(笑)。横浜では、僕がチームの中で一番センスがないと言われていました。たしかに、川村卓也さんを筆頭に、めちゃくちゃオシャレな先輩たちがたくさんいました」
満田丈太郎選手が、コービーA.D.を選ぶ理由は?
——満田選手は、試合ではコービーA.D. BY you<KOBE A.D. BY you>のネイビーとレッドを履いています。コービーを選んでいる理由は?
「まずは、シューズの軽さが気に入っています。あとは、グリップの良さです。表現しづらいのですが、プレーしていてパッと止まりたいときに、“にゅーん”と止まるのではなく、“キュッと”止まる感覚があるシューズです。シューズは、試合用と練習用で分けています。僕はガニ股ぎみで、シューズの内側が擦れて生地がぼろぼろになるので、見た目が悪くなってきたら新しいシューズに交換します」
——ガニ股といえば、秋田ノーザンハピネッツの中山選手も、ご自身でガニ股が気になると言っていました。
「中山は、ガニ股で有名です! 僕もガニ股ですが、中山よりはマシかなーと(笑)。中山は僕と同じ横浜出身で、小学校のころから知っています。僕たちの世代では彼は『横浜のマイケルジョーダン』みたいな、めちゃくちゃ上手くて強いチームで活躍していて、当時は『おー、中山だ』という感じで見ていました。中学校から選抜チームで話すようになって、今は秋田に行ったら一緒に食事をします」
移籍してプレータイムが減ったときに考えたこと
——満田選手は横浜では58試合出場と、ほとんどの試合に出ていました。名古屋で試合に出られないときに、どのようにモチベーションを保っていますか?
「名古屋に入団したばかりのころは、プレータイムがないことに悩みました。でも、試合に出られないから移籍が間違っていたというのは全く違う話で、自分がこのチームに身を置いたからこそできることがたくさんあるし、何故この場所を選んだのか改めて考えなおしました」
「試合に出ても出ていなくても、まずは練習がすごく自分にプラスになっている感覚があります。練習で出来なかったことや苦手なことを自主練して、そのプレーが試合で体現できたときにモチベーションが上がります。名古屋はチャンピオンシップに出る実力があるチームで、僕はそのレベルの試合がしたいと思ったし、チームメイト同士のプレータイム争いはあるけれど、そんな厳しい環境に身を置いたほうが上手くなれると思ったんです」
——Bリーグを初めて見る人へ、Bリーガーからメッセージをお願いします。
「天候に関係なく楽しめるアリーナスポーツなので、気軽に試合を見に来てください。一度観戦に来てくれたら、選手との距離の近さにびっくりすると思います! 応援が盛り上がると、アリーナ全体に声がこだまして、プレーしている僕たちもびっくりするくらい、とんでもない状況になります(笑)。僕はスピーディーなプレーが得意なので、『満田選手、早い!』と思ってもらえるプレーで、みなさんを楽しませたいです」
INTERVIEW / TEXT:石川歩
PHOTO:野呂美帆・写真協力:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ