シューズアドバイザーが語るナイキ『レジェンドリアクト』の実力
藤原岳久
選ぶ、履く、使いこなす、シューズお買いものトータルプロデュース。一般社団法人日本フットウエア技術協会理事。スポーツシューフィッター資格認定講座講師。2時間34分28秒 (2018年別府大分毎日マラソン)
ランニングシューズの魅力と、ちょっと踏み込んだ豆知識に迫る、シューズアドバイザー・藤原岳久のランニングシューズ企画。ご自身もフルマラソンを2時間34分28秒で走るランナーであり、また、一般社団法人日本フットウエア技術協会理事でもあります。
そんな藤原さんが独自の視点で、今、オススメのシューズについて、ざっくばらんに語りました。
価格と機能性のバランスに優れたナイキ「レジェンドリアクト」
みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。今回は、『ナイキ(NIKE)』の<レジェンドリアクト(LEGEND REACT)>をご紹介します。
シューズでも、なんでもそうかもしれないけど、少しでも安い方が良い。そして、同時に性能、機能もあった方が良い、そうですよね? まあ、購入の際は、結局そのバランス感を考えることになるかと思います。
ランニングシューズを探すときにできれば10,000円ぐらいのラインで購入したい、というデータがあるのもうなずけます。
まあ一般的に、安ければそれなりに、機能性が高いものは価格は比例して高くなりますからね。まさにそのバランスをどっちに寄せるかで、お買い物の満足感も変わるわけです。
そういった意味では、レジェンドリアクトはまさにバランスに優れたシューズと言っていいでしょう。
“ふわっ、かるっ、ぴょーんっ”のうたい文句で発売された、ナイキ新ミッドソール素材を搭載したシューズは、エピックリアクト<EPIC REACT>16,200円、オデッセイリアクト<ODYSSEY REACT>12,960円、ズームフライフライニット<ZOOM FLY FLYKNIT>17,280円とありますが、実際、ちょっとお高めの値段設計となっています。一方、ズームスピードライバル6<ZOOM SPEED RIVAL6>などはお安いけど、機能はそこそこ、というそういう感じです。
レジェンドリアクトは、10,800円というお手頃な価格で、機能性はフルリアクトソール採用の“ふわっ、かるっ、ぴょーんっ”と、価格と機能性のちょうど良いバランス感、そんなシューズになっています。
ナイキ「レジェンドリアクト」こそ、ランニングシューズの新ベースライン!
さて、リアクトは何が良いのか? クッション性、反発感、そしてその耐久性に優れた素材でして、特に、耐久性が良いというのはとても費用対効果としても大事なファクターですよね。
実は、70年来、メインで使用されてきたEVAという素材は高分子スポンジです。コスト、加工やクッションが優れた3拍子揃った素材なのですが、唯一そのクッションの耐久性がネックでした。
要は家庭用スポンジで考えて頂けると分かりやすいですが、潰れて、戻るがクッションの基本原理ですので、使用していく過程で、へたって、その戻りが悪くなっていくわけです。
リアクトという素材は、TPU(熱可塑性ポリウレタン)系の素材、いわばプラスティックですので、その戻りが悪くなることが原理的にあり得ません。とても耐久性という点でも優れた、これから主流になる素材といっていいです。(※ソールの摩耗耐久性ではありません)
エンジニアードメッシュとブーティー構造(ソックスのような)アッパーは、足あたりの良さとフィット感をしっかり演出してくれています。ただサイズ感はやや小さめかと思います。普段のサイズとひとつ大きめのサイズを履き比べられると良いでしょう。
これからは、このレジェンドリアクトが、費用対効果の高い商品のベースライン(最低ライン)になるべきです。
カラーバリエーションも豊富で、新ベースライン、ランニングシューズとして、まさに本当にふさわしいシューズですね。とにかく履いてみてください、“ふわっ、かるっ、ぴょーんっ”で、10,800円ですから、コレは買いですよ。