ニューバランス『ML2002R』の物語【ニューバランス担当者がスニーカーを語る】
スニーカーの数だけ物語がある。また、そのスニーカーを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのスニーカーに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのスニーカーを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のスニーカー、今回はアメリカ・ボストンで生まれたシューズブランド『ニューバランス(NEW BALANCE)』の『ML2002R』です。
アッパーは即完売を繰り返す人気モデルを踏襲、クッション性と安定性を両立したソールを組み合わせたというこのモデルについて、株式会社ニューバランスジャパン・マーケティング部PRシニアスペシャリストの小澤真琴さんが語ってくれました。
ニューバランスジャパン
マーケティング部PRシニアスペシャリスト
小澤真琴さん
ハイスペックソールを組み合わせたニューバランス『ML2002R』
――『ML2002R』はどんなスニーカーですか?
今回ご紹介する『2002R』は、Made in U.S.A.のフラッグシップモデルである1000シリーズの9代目として2010年に発売となった、MR2002を元に誕生したモデルです。オリジナルのMR2002からインスパイアされた重厚なアッパーデザインに、ミッドソールには2011年に登場したパフォーマンスランニングシューズ『860v2』の高い衝撃吸収性と反発性を誇るN-ergy(エナジー)とABZORB(アブゾーブ)を搭載したハイスペックソールを組み合わせたハイブリッドモデルです。
1000シリーズは99Xシリーズとともに、ブランドを象徴するシリーズであり、99Xよりさらに上位モデルとして位置づけられています。オリジナル発売当時のMR2002は、米国メイン州にあるニューバランスの自社工場で最高の技術力を誇る『Super Team33』が製造を担当。クオリティの高いアッパーの天然皮革、ラストの改良やミッドソールのクッション素材N-ergyにより、最上級の履き心地を実現したプレミアムなモデルでした。
驚くほどの心地よいクッション性の高さ
――『ML2002R』とのストーリーを教えてください。
1985年誕生の1300、その後開発された1400は天然皮革のアッパーでしたが、その後1989年発売の1500から2003年発売の2001までは、シンセティックレザーアッパーでデザインされていました。1000シリーズの中で久しぶりに天然皮革アッパーに戻ったのが、この2010年発売のMR2002でした。とても上質な素材感でクオリティの高さを感じるシューズでした。
オリジナル発売当時、そのレザーの質感とソールのクッション性がすばらしく、自分でも履きたいと願っていました。特にセカンドカラーだったブラックがかっこよかったのです。スポーティーさもあるデザインのアッパーがやわらかな印象の質の良いレザーとメッシュで構成されていて、ミッドソールは白く、アッパーのブラックとのそのバランスがカジュアルでもあり、高級感もあり、という絶妙な素敵なバランスだなと思っていました。
日本での展開サイズが25cmからで、大きめを履くにしても大きすぎ、そして値段も高いし(当時34,000円)……と悩んだ末、断念しました。サイズの合わないサンプルにこっそり足を入れてみた時の心地よさは格別で、いつかジャストフィットした2002を履きたい、と憧れたシューズでした。
カラバリ有り・複数素材有りのニューバランス『ML2002R』
――『ML2002R』のアピールポイントを教えてください。
今回2020年秋に復刻した2002Rは、ソールはオリジナルと異なりますが、アッパーのデザインはそのままに、レザーのクオリティも高く当時のイメージをそのまま再現したようなシューズです。大きな話題となり、日本だけでなくアジア各国でもあっという間に売り切れてしまうほどの人気でした。1000シリーズは2016年のM2040 v3を最後に、新しい品番はしばらく出ていません。今年は様々なカラーや素材の2002Rが登場してきます。ぜひ一度足を入れてみて頂きたいです。