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アシックス『GEL-NYC』の物語【アシックス担当者がスニーカーを語る】
スニーカーの数だけ物語がある。また、そのスニーカーを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのスニーカーに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのスニーカーを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のスニーカー、今回は『アシックス（ASICS）』のゲルエヌワイシー＜GEL-NYC＞です。
アシックスジャパン株式会社、マーケティング統括部ブランドマーケティング部の長沢勇志さんが、360度の大容量GELを搭載し、Y2Kテイストのデザインでファッショニスタからも人気の高いスニーカーについて語ってくれました。
アシックスジャパン株式会社 マーケティング統括部ブランドマーケティング部
長沢 勇志さん
斬新でありながら時代を感じさせない仕上がり
――『GEL-NYC』はどんなスニーカーですか？
GEL-NYCは2023年4月に新モデルとしてローンチしました。もともと2023年2月にアメリカのスニーカーブティック「AWAKE NY」とアシックススポーツスタイルによるコラボレーションによって誕生したモデルで、デザイナーのアンジェロ・バク氏がデザインを手がけたことからご好評いただいているモデルです。
アシックススポーツスタイルの特徴でもある衝撃緩衝材のGELはもちろん、ファッショントレンドでもあるY2Kテイストをデザイン上に多数取り入れていることも人気の理由にあると思います。当モデルのベースにはアシックスタイガー時代にローンチしたGEL-KAYANO 5 360が参考にされています。これは、GEL-KAYANO 5のアッパーにGEL-QUANTUMシリーズでも採用されている360度の大容量GELをミッドソールに組み合わせていることで、レトロとモダンがハイブリッドになった特徴的なモデルとして当時話題になりました。
これまでの純粋な復刻モデルやマテリアルで違いを出すという考え方から、あらゆるアーカイブシューズを時代のトレンドの追求やタイムレスに受け入れられるデザインは何かを追求することで、斬新でありながら時代を感じさせない仕上がりになっています。
どの角度から見ても飽きない、視覚的な美しさ
――譲れないお気に入りのポイント、オススメしたいところを教えてください。
どの角度から見ても飽きない、視覚的な美しさがまずはあると思います。それによって、同じモデルでも何カラーか持っておきたいと思わせる完成度の高さは秀逸だと言えるのではないでしょうか？
アッパーのメッシュの絶妙な粗さや、つま先からかかとまで広がるスウェードまで、スニーカーのアートピースを見ているかのような気分にさせてくれます。アッパーのカラーに合わせてGELやミッドソールのカラーも絶妙に調整されており、次はどんなカラーが出てくるのか、純粋に楽しみな気持ちにさせてくれるモデルですね。
GEL-NYCの他にも2000年代に登場したランニングシューズをベースにしたスニーカーはいくつかあり、GEL-1130やGEL-1090、今シーズンの新作GT-2160などアシックススポーツスタイルもこれまで以上にファッション性の高いモデルを展開しているので、GEL-NYCも含め今後の展開にご注目いただけたらありがたいです。
フランス・パリのファッショニスタも愛用
――『GEL-NYC』とのストーリーを教えてください。
人気モデルであるが故に発売してからすぐに完売してしまう状況が続いています。そのため多くの方から次はいつ発売するのかというお問い合わせを多くいただいており、このモデルによる影響力の大きさを感じているところです。
また、フランス・パリで6月に行われたパリファッションウィークでもアシックススポーツスタイルとして初めてのブランドイベントも開催しましたが、現地のアシックスのスニーカー着用率の高さ、ファショニスタからもGEL-NYCが愛用されていることを目の当たりにして感銘を受けました。セレクトショップスタッフからもこのGEL-NYCや今後のブランドへの期待も聞くことができました。
現地ではいわゆるスニーカーヘッズも多くいらっしゃいましたが、日本よりもスニーカーというものが人々のライフスタイルに浸透していることが印象的でした。履きこなし、着こなし、色使い、とても勉強になりました。日本でもGEL-NYCの人気とスポーツスタイルの話題創出のための参考になる要素が多かったので、これからもチーム一丸となって盛り上げていこうと志高く取り組んでいます。
