スタイリスト・秋山貴紀さんに聞く! 大人向けローファー×オフィスカジュアルコーデの基本
オフィスカジュアルと言ってもその着こなしはさまざまで、中でも普段はスニーカーを履くことが多い人にとって、「コーデの際に何を履けばいいのか?」は悩みの種。そんな人たちに今回ぜひオススメしたいのが、“大人向けローファー”です。今回は、メンズノンノなどのファッション誌で活躍する人気スタイリストの秋山貴紀さんに、大人向けローファーに合うファッションコーデを「定番」「キレイめ」「カジュアル」の 3パターンで紹介してもらいます。
秋山貴紀
1981年埼玉県生まれ。2001年文化服装学院スタイリスト科を卒業。
スタイリスト長友善行氏に3年間師事し、2006年に独立。
現在はメンズファッション誌を中心に、俳優などのスタイリングでも活躍中。
LOOK①定番コーデ|素材感や色味で大人っぽさ&春らしい印象に
アイテムの選び方によっては野暮ったさが出てしまうセットアップですが、素材感や色味で軽さを出すことで、洗練された印象とともに春らしさを醸し出すことができます。オン・オフを選ばない、誰でも取り入れやすいオフィスカジュアルの定番コーデです。
「このコーデはカジュアル過ぎず、かといってかっちりし過ぎないバランスを考えました。茶系のトーンをベースに、インナーやソックスは大人っぽく黒で統一し、それらにローファーを合わせました。セットアップは、軽さのある素材感のCOMOLI<コモリ>をチョイスし、インナーは白シャツだと若く見えてしまうので、あえて大人っぽく見える黒にしています。あと、基本的にローファーはパンツの裾が被らない方がいいのと、それによって見えるソックスを色合わせすることで、小慣れた印象のコーデになると思います」
LOOK②キレイめコーデ|ローファーを含めワントーンで清潔感を演出
ネイビーのシャツ&パンツに黒のジャケットを合わせたキレイめコーデ。ローファーを含めてワントーンにすることで、清潔感を演出。ノーカラーのシャツは素材感がキレイめに合うものをチョイスしているので、ちょっとしたパーティーなどに着て行ってもぴったり。
「このコーデは、最初はもっとドレッシーにしようかとも考えたのですが、キレイめだけど少し力の抜けた頑張り過ぎていないコーデにしました。このコーデで着用したローファーは、ほかのものと比べても個性の強いデザインなので、ワントーンにすることによって取り入れやすくなっているかと。また、多少パンツが被っていても存在感があるスニーカーと違って、ローファーはサイズ選びも重要になってきます。サイズが大き過ぎても不恰好ですし、しっかり合ったサイズのものを選ぶことを心がけてほしいですね」
LOOK③カジュアルコーデ|オフの日にもぴったりのアメカジスタイル
ボタンダウンシャツにチノパンという“THE・アメカジ”なスタイルに、ローファーを合わせたカジュアルコーデ。シャツのカラーやパンツの素材感・丈感などに気を使うことで、足元にローファーを合わせても浮いた印象を与えないのがポイントです。
「ビックシルエットのシャツにチノパンという、いわゆる定番のアメカジスタイルですが、例えばチノパンはCOMOLI<コモリ>の軽めの生地のものをチョイスすることで、今っぽさのあるコーデになっていると思います。あとはこのコーデに関しても、インナーとソックスの色を白で合わせて野暮ったさが出ないようにしました。僕は普段スニーカーを履くことが多いので、個人的にはこのコーデが最初に思いつきましたし、オフィスカジュアルやローファーになじみがない人はまずこういったコーデが始めやすいのかなと思います」
イタリアをルーツに持つクラシカルなローファー
今回のファッションコーデで着用したローファーは、どれもイタリアをルーツに持つクラシカルなデザイン。LOOKと①と③で着用したローファーは、どちらも『ジャンカルロ・モレリ(G.C.MORELLI)』。アッパーに艶やかなガラスレザー、ライニングとフットペッドは吸汗性の高いカウレザー仕様と高級感があるカジュアル過ぎないコーデにぴったりの1足なので、カラーで使い分けても良いでしょう。LOOK②は、イタリアのナポリにあるファクトリーブランド・『ベンター(BENTER)』のローファーで、アッパーにカーフレザー&アウトソールにレザーを使用した1足で、シルエットが美しいため、足元に華麗なスタイルを演出してくれます。
この春はワンランク上の大人のオシャレに挑戦!
オフの日はスニーカーがほとんどの人でも、オフィスカジュアルで取り入れやすいのがローファー。ローファーをバッチリ履きこなすだけで、周囲からの印象は大きく変わります。そのためには、色合わせやパンツの丈感など、ファッションのポイントをしっかり押さえるのが重要。この春はぜひ、ワンランク上の大人のおしゃれに挑戦してみてください。
interview&text by ラスカル(NaNo.works)
photo by You Ishii