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Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>

2019.07.29

Bリーグ2018-19シーズン、セミファイナルで敗退してシーズンを終えた宇都宮ブレックス。主力メンバーのライアン・ロシターを欠いてのぞんだセミファイナル2戦目の4クォーターでは、16点ビハインドから一気に5点差まで詰め寄る圧巻の10分間を見せ、会場をたくさんの感動に包みました。

今回は、宇都宮ブレックスの下部組織であるTGI・Dライズのトライアウトからキャリアをスタートし、2012年にブレックスにコールアップされた遠藤祐亮(えんどうゆうすけ)選手が登場。昇格当初はプレータイムをもらえない時期が続いた遠藤選手は、それから7年を経て、2018-19シーズンのBリーグベスト5に選ばれる日本バスケのトッププレーヤーになりました。努力の人・遠藤選手に、子どものこと、大好きなエアジョーダンのこと、バスケのことを聞いてきました。

Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>

遠藤祐亮選手、ベストディフェンダー賞の受賞を前日に知る

――2018-19シーズンのベスト5とベストディフェンダー受賞(※)、おめでとうございます! アワードはご家族も見に来ていましたか?

「家で、生配信で見てくれていました。コメントは噛むし、画面から緊張が伝わってきて、見ていられなかったって言われました(笑)」

――すごい人数のお客さんの前で、司会は別所哲也さんで……、緊張しますよね。ベストディフェンダー賞はBリーグ初年度の受賞以来、2度目です。

「昨年は獲れなくて悔しいねって家族で話していたので、今年は獲れてうれしいです。ベスト5はレギュラーシーズンが終わったときにチームから受賞したことを教えてもらったのですが、ベストディフェンダーの受賞は、アワードの前日に、どこで自分がステージに上がるのか書いてあるタイムスケジュールで知りました。チームに『僕、ベストディフェンダーなんですね?』って聞いたら、『はい、そこもスピーチしてください』って言われた」

Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>

――(一同爆笑)ブレックスのそういう大らかなところ、大好きです! ベストディフェンダー賞で何を話そうかなって、前日にきちんと考えてくれる遠藤選手も、優しい!

「チームのみんなもベスト5が嬉しくて、ベストディフェンダー賞は伝え忘れたのかなって(笑)。家族には、ベスト5は今までの賞とレベルが違いすぎて、アワードの場に立つ僕を見るまで受賞を信じてもらえなかった。後日、持ち帰ったトロフィーがティファニー製だったので、奥さんはテンションが上がっていました(笑)。ただ、子どもがまだ小さくて落としちゃうので、今はクローゼットにしまっています」

※ベスト5:全Bリーガーの中からたった5人、チームの勝利へ最も貢献した選手が選ばれる。毎年タレント性の高い顔ぶれが選出されており、日本代表を務める選手も多い
ベストディフェンダー賞:守備の泥臭さやアグレッシブさで、相手チームの選手たちが嫌がる選手1名が選出される賞

遠藤祐亮選手「子どものためにも、お金をもらえる選手にならなくては」

――お子さんは2歳・6歳の男の子2人ですね。試合は見にくるのですか?

「たまに来ます。僕がベンチにいるときは家族が座っている場所を見ますね。僕は試合前に緊張するタイプなので、一人でいると何をしていいかわからなくなる。でも、ホーム戦は試合前に家にいられるので、子どもと遊んで緊張するヒマがないようにします。子どもができて、試合前の気持ちは楽になりました

Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>

――アウェー戦が続くと、しばらく子どもたちと会えないですよね。そういうときは、どんなふうにコミュニケーションをとりますか?

「他の選手もやっていると思うけど、テレビ電話をします。ただ、子どもたちが僕と話すテンションじゃないと画面に収まってくれないので、子どもたちの“お父さんと話したい待ち”をしています(笑)。電話が来ると嬉しいです」

――運動会や授業参観には参加するのですか?

「運動会は、Bリーグのシーズンとかぶっていたので行けませんでした。授業参観は、昨日行ってきました。バスケが盛んな学校で、周りの子どもたちから、『大きい、大きい!』って言われてきました」

――長男が生まれたとき、遠藤選手はDライズからブレックスにコールアップされたところでした。当時はBリーグもなくて、バスケで食べていくのは大変だったと思います。“家族を養わなくてはいけない”というプレッシャーはありませんでしたか?

「Dライズに入団したときは、純粋に日本のトップレベルでバスケをしたいという気持ちが強くて、ブレックスに昇格できるチームを選びました。長男が生まれてからはずっと、子どものためにお金をもらえる選手にならなくてはいけないと思ってやってきた。お金だけがモチベーションではないけれど、僕よりもっと活躍をして、もっとお金をもらっている選手がいるので、今はそのレベルにいこうとがんばっています」

Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>

©︎TOCHIGI BREX INC.

――子どものためにお金を稼ぐなら、会社員になる選択もあった。でも、遠藤選手はバスケをする人生を選びとって、2018-19シーズンはリーグのベスト5にも選出された。お子さんから見て、本当にかっこいいお父さんだと思います。もしも子どもたちが、自分と同じバスケの道を歩もうとしたら、そのとき遠藤選手はどう振る舞うのでしょうか?

「長男はバスケが好きで、ブレックスの試合をビデオで見たり、試合後のサブコートでバスケをしているんです。僕は、自分の好きなことをやらせてもらった結果が、今の自分に繋がっています。自分が好きなことをしようとしたとき、親に反対されたことはない。そこは、親を見習おうと思っていて、やってみてダメだったらそこでもう一度考えたらいい。長男は6歳ですが、僕に似た頑固さの片鱗があって、そこは大きくなっても僕に似ると思うので、彼が好きなことを選んだときは、サポートしてあげたいなと思います」

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抽選しても欲しい! 遠藤祐亮選手のエアジョーダン愛

――今日は、エアジョーダン4ブレッド<AIR JORDAN 4 BRED>を履いてきてくれました。エアジョーダン誕生30周年記念でオリジナルカラーのブレッドが復刻したばかりで、かなり人気のシューズですね。

「2ヶ月前に買いました。僕はエアジョーダンが好きで、外で履くのはジョーダンが多いです。ブレッドの渋い色味とメカニカルな感じが好きで、復刻すると知って抽選に申し込んだけれど、落ちてしまった。その後、友だちが僕のサイズも予約してくれて、手に入れました。普段は子どもに踏まれるので、お気に入りの靴が履けなくて。こういう撮影とか、室内の移動のときだけ履いています」

Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>

――体の大きい遠藤選手は、エアジョーダンくらいゴツいシューズのほうが似合っています。ただ、遠藤選手でも、抽選に申し込むことにびっくりしました!

「めちゃめちゃします(笑)。エアジョーダン1ロイヤルが初めて抽選で当たって、そこから靴にハマりました。ちょっと前にエアジョーダン1ロイヤル<NIKE AIR JORDAN 1 ROYAL>のホワイトも出たので、ちょっとレア感は薄まったけれど、僕はブラック・ロイヤルの渋い色づかいのほうが好きです。エアジョーダン1ロイヤルは、履き潰して、くたっとなってから履くのもかっこよさそうですが、今は履いたあとは磨いて、大切に履いています。真っ白な靴を履きたいときは、エアフォースワン<AIR FORCE 1>を選びます。スニーカーは40足くらい持っていて、ほとんどが『ナイキ(NIKE)』のスニーカーです」

――今日は、トップスがGOLDのルーズめのTシャツ、パンツはナイキのタイトジャージです。このコーディネートにした理由は?

「だぼっとしたトップスが好きなので、オーバーサイズの提案をしているGOLDは好きです。パンツは、太ももが太くて普通のパンツは入らないので、だいたいジャージです。(鵤)誠司くんも話していたけど、僕もZOZOSUITでスキニーパンツを除外されるタイプです(笑)。人見知りで店員さんと話すのが苦手なので、試着せずに買ったパンツが、上まで上がらなくて困ることもあります」

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最終戦は、子どもたちが選んだバズライトイヤーのバッシュで

――遠藤選手が試合で履いているのは、ナイキのレブロンです。レブロンを選んでいる理由は? 

「他のシューズよりクッション性が高いから。少し重いのですが、僕は軽さよりもクッション性を重視しています。レブロンはカラー展開がかっこいいのも好きです。チャンピオンシップ前に新しいシューズに変えたのですが、色は子どもたちが選んで、トイストーリーのバズライトイヤーにしました」

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©︎TOCHIGI BREX INC.

――本当だ、バズライトイヤーの色づかいだ! 2018-19シーズンブレックスの最後の試合になったセミファイナルの千葉2戦目、たしかに遠藤選手はヒーローでした。4Qのブレックスの追い上げは、思いだすと今も鳥肌が立ちます! 4Qを4ファウルからスタートした遠藤選手が、最後までファウルアウトしなかった集中力もすごかったです。

「最後はもう、ディフェンスよりオフェンスだったのでファウルする間もなかったけれど。あの試合は極限まで集中していて、後から思い出そうとしても場面場面で記憶がプツッっと切れているんです。どんな感じでシュートを打ったのか、どうディフェンスしたのか記憶がない。昨シーズンで最も悔しい負けだったけれど、最も集中した試合でもあって、やり残しがないので、何かが出来なくて悔しいという思いはないです」

Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>

――ブレックスの下部組織からスタートした遠藤選手のキャリアは、ベスト5に選ばれるまでに大きく開花しました。様々な選手が淘汰されていく世界でここまで遠藤選手がたどり着けた理由は、他の選手と比べて、何を努力してきたからでしょうか?

「ブレックスにコールアップされた1年目はほとんどプレータイムをもらえなかった。僕自身、周りの選手とのレベルの違いを感じていたし、“1年目だから”という言い訳もしていた。そこからプレータイムを2分・5分ともらえるようになって、前半に出て後半は出ないという試合が続いた時期が本当にキツかった。2分で結果を残すのはすごく大変で、なぜもっと試合に出してもらえないのか、考えることさえ辛かった。そこから、自分と同じポジションのチームメイトよりも長く練習をしました。僕は他の人より負けず嫌いだと思う。絶対にこの選手には負けたくないというラインがあって、そのラインを絶対に超えないと気が済まない。今までずっと、その繰り返しです」

Bリーグベスト5の遠藤祐亮選手「昨日、授業参観に……」<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.18>


トップス:GOLD
パンツ:NIKE
シューズ:NIKE

宇都宮ブレックスは、ほとんどメンバーの入れ替わりなく2019-20シーズンをスタートしています。メンバー間で仲の良いイメージのあるブレックスですが、「本当に仲が良いからこそ、何でも言い合えるチーム」と遠藤選手。オンコート・オフコートのメリハリをつけて、今シーズンのブレックスは優勝に向かって走り続けていきそうです。

8月30日・31日、9月4日には栃木県でのプレシーズンゲーム、9月14日からはアーリーカップの開催も決定し、選手たちもいよいよ本格始動しています。“どんだけ動くの!?”と感じる遠藤選手のディフェンスと、要所で決めるアウトサイドからのシュートは初めてバスケを見る人もびっくりするはず。4年目のBリーグで、ぜひ一度、遠藤選手のプレーを観戦してみてください!

TEXT:石川歩
PHOTO:白松清之
写真提供:宇都宮ブレックス

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