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“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

2022.01.28

日本全国に数ある大学女子駅伝チームの中でも、“デュアルキャリア”という独自の育成方法で注目を集めているのが「大阪芸術大学女子駅伝部」! そして陸上と芸術、どちらにも力を注ぐ彼女たちを、世界中のランナーから圧倒的な支持を集めているブランド『サッカニー(Saucony)』がサポートしています。今回は大阪芸術大学女子駅伝部の監督・選手へのインタビューを通してデュアルキャリアの意義に迫るとともに、サッカニーの代表作・<エンドルフィン(ENDORPHIN)>の魅力とその新作モデルを紹介します。

『芸術を制する者は全国を制す』を合言葉にスタート

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

まずは今回のテーマとなる“デュアルキャリア”とは、直訳すると「デュアル=二重」「キャリア=経歴」であり、主にアスリートがスポーツ活動と進学・留学・就職などのキャリアを並行することを意味します。そしてそのデュアルキャリアの実践で注目を浴びているのが、日本における総合芸術大学としては最大規模を誇る大阪芸術大学の女子駅伝部です。

同部を指導しているのは、中瀬洋一監督。市立船橋高校で恩師・小出義雄監督のもとで都大路優勝を果たし、専修大学では箱根駅伝へ。そして社会人経験を経て、実業団でのコーチも経験。過去にはオリンピック金メダリストの高橋尚子さんや、世界陸上の銀メダリスト・土佐礼子さんなど、日本を代表するランナーたちを指導してきた名コーチです。

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

大阪芸術大学には、同大学で教授を務めるこちらも名ランナーの増田明美さんからの縁で就任。ただし発足当時は練習グラウンドもなく、文字通り一からのスタートでした。

中瀬「最初は部員がいなかったので、デザイン学科の学生にポスターを作ってもらって部員募集をしました。結果、舞台の演出の学生と、美術の油画の学生、あと音楽のピアノ専攻の学生が入部。そこからまた初年度は勧誘活動をして4人が入ったのですが、夏休みまでに2人辞めてしまって。初年度の新入生2人と一般学生の3人で5人だったので駅伝のメンバーは組めず、ジョギングをしていた女子柔道部の学生をスカウトして、2009年の9月に初めて関西の駅伝に出ました。ただし、ダントツのビリでしたね。その前の年まで実業団で優勝したチームを指導していたので、当時はまさに『どん底から這い上がろう』という気持ちでした」

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

以後も芸術志望の学生が中心の活動でしたが、地道に一歩ずつ強化を進め、合言葉は『芸術を制する者は、全国を制す』。選手たちは”芸術”と”陸上”を両立する日々を過ごしました。

中瀬「始めた時点での能力は低いですけど、選手たちはとにかく強くなりたいって気持ちが強かったですね。『陸上経験者の部員と同じメニューがやりたい』『同じ距離を走りたい』と。やっぱり気持ちで強くなるものだと感じました。あと最初の頃の記憶で印象的だったのは、あるときに大阪で初めて挨拶した先生に、『芸術を好きな子が陸上をやるわけない』と言われたこと。そういう固定観念を覆してやろうっていう気持ちは強くありました。そこから地道にトレーニングを続けた結果、一期生がハーフマラソンでいきなり日本8位に。そこで初めて『大阪芸大が陸上をやってるんだ』っていうのが広まったと思います」

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

陸上と芸術の両立を意識し、日々の生活の中で実践する

その後は数々の全国区のランナーを輩出。同時に、卒業後は映像作家・写真家・舞台女優など、芸術にまつわる道へ進む多様性に富んだ人材が育つチームへと成長を遂げました。

中瀬「私は陸上のプロへ行く道と、あと本人たちがやりたいことへ進む道。その2つの選択肢を与えたいと常々思っております。それに例えばデザインをする人がいなければウェアは作れないし、建築する人がいなければスポーツのスタジアムができない。『芸術とスポーツはかけ離れているように見えて実は近い』ということは、大阪芸術大学の監督に就任した当時から、発信してほしいと言われていたテーマのひとつでした」

今回は選手たちにも大阪芸術大学について、デュアルキャリアについて、駅伝への想いについてインタビューしました。答えてくれたのは、初等芸術教育学科で先生を目指すキャプテンの古賀華実さん(3年)、放送学科で卒業後は新聞社に就職する城谷桜子さん(4年)、そして舞台芸術学科でタレント志望の北川星瑠さん(2年)です。

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー(左から)北川星瑠さん/古賀華実さん/城谷桜子さん

選手たちそれぞれに話を聞くと、デュアルキャリアというワードを直接は口にしないものの、それぞれが陸上の芸術の両立を意識し、日々の生活の中で実践していました。

古賀「朝練をして、朝食を各自で作って食べて、1限がある者はすぐ学校へ。5限がある者は18時まで授業があって、そこから練習を2時間ぐらい。帰る時間が遅くなると、夜ご飯は自炊なので、その時間も考慮して効率的に練習することを心掛けています」

城谷「私は大学でプライベートと陸上をはっきり分けたくて、駅伝部の子がまったくいない学科に入ろうと思ったんです。デザイン学科には部員がいたし、音楽はやったことがないから難しいだろうなと。そこから放送学科だったらスタートラインが同じだと思って入りました。ただ授業で学ぶうちにメディアの仕事に興味が出てきて、あと文章を書くことは昔から好きでした。卒業後は長崎の新聞社に入ることが決まっています」

北川「監督はプライベートと陸上をすごく分けて考えてくれて、私もそういうタイプなのですごくやりやすいです。遊ぶときは遊ぶ、休むときは休む。あと監督が『みんなでアイス食べよう』って買ってきてくれることもあるんですよ」

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キャプテンの古賀さんは、高校時代に怪我で1年間走れない時期があり、陸上を辞めようと思ったことも。ただし中瀬監督と出会い、大阪芸術大学の自由な雰囲気や先輩方の明るさに触れて、「また陸上を楽しめるスタート地点に戻れた」(古賀)と感じたそうです。

中瀬監督には、選手たちに対していつも心掛けていることがあります。

中瀬「好きな事をやりながら、授業もしっかり出て、陸上の練習もする。大阪芸術大学の駅伝部は、アルバイトも恋愛も茶髪もピアスもOK。やることをしっかりやれば縛るつもりはないですし、やることをやってしっかり遊ぼうと。競技でプロに行ける部員も数人ですし、走りたくても続けられない部員は自分の学んだことで就職する。その部分をずっと大切にしながらやってきて、今では卒業生たちがさまざまな業界でやりたいことを叶えています」

サッカニーが掲げる#runforgood”と彼女たちとの親和性

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大阪芸術大学女子駅伝部の理念に共感し、2020年から“Endorphin Runners”としてサポートしているのが、アメリカ最古のランニング専門ブランド『サッカニー(Saucony)』。そしてエンドルフィン〈Endorphin〉は、サッカニーで高い人気を誇るシリーズです。

そのシリーズでは、サッカニーのランニングシューズで初めてカーボンプレートを搭載した<エンドルフィン プロ(Endorphin Pro)>、ナイロンプレートを搭載した<エンドルフィン スピード(Endorphin Speed)>、ソールが最も厚くプレートなしの<エンドルフィン シフト(Endorphin Shift)>などをラインナップしています。

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

サッカニーといえば、先ほどインタビューに答えてくれた城谷さんは「サッカニーのシューズによってランナー人生が大きく変わったひとり」と、中瀬監督は語ります。

中瀬「最近で一番変わったのはやっぱり城谷ですね。サッカニーさんのシューズと出会って、その反発力をもらってからフォームが変わった。去年までメンバー入りもしていなかったですし、駅伝もこれまで走ってない。ただ変わり始めてからはメキメキと実力が伸びて、1500mで日本6位に入りました。何がきっかけで変わるかはわからないですね。北川も昔は子役でテレビなどに出ていましたが、高校では一切やらせてもらえず。でも彼女も『ふたつのことを私はできます』と言っていた。『ひとつのことしかできないから陸上に専念しなさい』って言われていたことを覆して、去年は日本で6位という成績を残しました。走ることだけでいいときはいいですが、結局走れなくなったときにもうひとつ好きなものを持っている人間は、そちらに没頭することができるんです」

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

それぞれが好きなことを続けながら走ることで、より自分の人生を自由に輝かせていく。その姿は、サッカニーが掲げるテーマのひとつである“#runforgood”に重なります。

2021年の年末、12月30日に開催された「富士山女子駅伝」で、今回インタビューした城谷さんは1区、北川さんは2区、古賀さんは7区を走り、大阪芸術大学女子駅伝部は2゚28’21″というタイムで9位という成績を残しました。チームとしての目標には届かなかったものの、それぞれの区間を走った選手たちは今の自分の力を出し切り、それぞれの見せ場もしっかりと作り、最終的には過去最高の結果を残すことが出来ました。

そんな彼女たちの姿からは、デュアルキャリアで培った経験を元に、晴れ晴れとした気持ちで次へと進んでいく未来が見えてきました。そしてサッカニーは、彼女たちのように前を向いて走り続けるランナーを、これからもサポートし続けるでしょう。

人気シリーズ・Endorphin Speed 2の新色と、
大幅なアップデートを果たしたGuide 15

今回の取材では女子駅伝部の3人に、サッカニーの新作・ウィメンズ エンドルフィン スピード 2<WMNS ENDORPHIN SPEED 2>と、ウィメンズ ガイド 15<WMNS GUIDE 15>を着用してもらいました。

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

古賀「最初に思ったのは、とにかく軽いということ。あと負荷が高い練習をしたときは足の怪我の不安があるんですけど、これを履くことによって怪我のリスクが減りそうですし、継続して走れるのが一番の魅力かなと思いました」

北川「これまで履いてきたシューズと比べてもカーブがすごくあって、歩いているだけでも前に出る。あとは走るとバネがあって、蹴って跳ねる感覚がありました」

城谷「私はサッカニーのシューズを履くまでは、今思うとすごく変な走り方をしていたんですが、履き始めてからフォームが変わって一気に速くなりました。下り坂とかも速くなって、今まで出来なかった練習とかもどんどんできるようになったんです。それでサッカニーのシューズで駅伝に出たいって監督に言って、エンドルフィン プロを履くようになりました。この新しいシューズもぜひ履きたいので、ぜひ就職する新聞社に送ってください!」

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

今回着用してもらった新色の中でもキーカラーとなるVIZIGOLD/VIZIREDは、“明るい未来の輝き”を連想させるような色鮮やかなゴールデンイエローと、大阪芸術大学のチームカラーでもある赤をロゴにあしらった配色。偶然にも彼女たちの学業と競技、双方における輝きを表現したまさに“デュアル”な仕様となっています。

機能面ではカーボンプレートを搭載したプロシリーズに対し、このスピードシリーズにはナイロンプレートを採用しています。北川選手が実感した前への推進力はプロ同様に高い一方で、カーボンよりも柔らかいためより長く走行できるのが魅力。城谷選手のように本番用にプロを履く選手たちの、トレーニングやポイント練習用の一足として汎用性が高いアイテムとなっています。

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

そして今回は特別に、2022年2月に発売予定の新作ウィメンズ ガイド15<WMNS GUIDE 15>も履いてもらいました。ガイドシリーズはミッドソールの内側に足のねじれを防ぐ“シャンク”と呼ばれる硬めの素材が搭載され、安定感に優れたサッカニーにおけるスタビリティモデルの代表シリーズです。今回の最新モデルであるガイド 15はシリーズ最軽量を実現しているとともに、ミッドソールを前作よりも18%も厚くすることで抜群のクッション性を誇り、エナジーリターン効率も5%ほど向上させました。

軽量性・クッション性・安定感の三拍子がそろったモデルは、エンドルフィン プロあるいはスピードといったレーシングシューズとはまた違った要素のトレーニングシューズとしての魅力があります。どんなデュアルな生活やトレーニングにおいても基礎となる持久力や自走力のベースを鍛えつつ、古賀選手も語っていたように怪我のリスクも軽減する万能シューズは、老若男女問わず、エントリーランナーを含めたあらゆる人々におすすめできるモデルでしょう。

着用した選手にも好感触だったサッカニーの新作シューズは、2月の発売をお楽しみに!

“デュアルキャリア”でランナーを育成!大阪芸術大学女子駅伝部インタビュー

Photo by 大石隼土
interview&text by ラスカル

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