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「エアマックスは95か97で迷う……」シーホース三河・根來新之助選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.25>

2020.03.18

今回は、シーホース三河の根來新之助(ねごろしんのすけ)選手が登場。大阪府岸和田生まれ、天理大学卒業後にパナソニックトライアンズに入団してバスケ選手としてのキャリアをスタート。その後、和歌山トライアンズ・兵庫ストークス・西宮ストークス・大阪エヴェッサと関西のチームを渡り歩いてきた根來選手。「仲間からは、関西から出えへんやつと言われていた」という根來選手は、2019-20シーズンにとうとう関西を出て、シーホース三河に移籍しました。

今シーズンの三河は、2シーズン連続得点王のダバンテ・ガードナー選手、昨シーズン日本人1試合平均得点1位の金丸晃輔選手、2位の川村卓也選手、新人王の岡田侑大選手が揃ったリーグ最強のオフェンス軍団。チームメイトにいじられながら行ったインタビューは、明るい根來選手のキャラクターで笑いっぱなしの時間でしたが、その言葉の端々には、周りをよく見ている様子が出ていました。根來選手はこのタレント揃いのチームの中で、チームメイトたちをカチッと噛み合わせる役割を果たしているようです。

今回は、根來選手にプライベートで履く靴のこと、仲の良いBリーガーのこと、バスケのことを聞きました。

「エアマックスは95か97で迷う……」シーホース三河・根來新之助選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.25>

宇都宮ブレックス・渡邉裕規選手とした“良くないこと”

――今日の根來選手は、ピンクのパーカーがとても似合っています! どこのパーカーですか?

「Acneです。最近、(熊谷)航がAcneを着ていて、一緒に買い物に行ったときに買いました。僕は体がデカイから、オーバーサイズで着ようと思うと、Acneとかの外国ブランドになるんです」

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――以前、熊谷選手は白いパーカーでこの連載に出てくれました。シンプルだけど、身につけるものにこだわりがあると分かるコーディネートでした!

「航は、よく服を見に行っているんですよ。あいつは独り身なんで、なんぼでも好きなものを買える(笑)。他のチームメイトとも、ファッションの話はよくします。森川(正明)もおしゃれだし、タクさん(川村卓也)とは和歌山で一緒だったので、家族で買い物に行ったこともあります」

――“おしゃれなBリーガーは誰?”というアンケートには、宇都宮ブレックスの渡邉裕規(わたなべひろのり)選手を挙げられました。

「渡邉とは3年間パナソニックで一緒で、僕も独身だったので四六時中、一緒に行動していました。良いことも、そうでないことも一緒に(笑)。彼の服は、シンプルなのにカッコいいんすよ。ロングコートも着こなすし、軽く外出するときも、けっこう攻めた色のスウェットを着ていてそれが似合ってる。そういう服装を見ると、若干悔しいと思うことがあります」

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――渡邉選手とした“良くないこと”が聞きたいです!

「それを話すと明日の朝までかかるけど良いですか(笑)? 良くないというか……パッと思い出すのは、城めぐり。あいつは城マニアで、パナソニックの1年目に遠征先で先輩たちの洗濯物をまわしているあいだに、二人で車を運転して城見物に行ったの。今思えば、何してんねんと思うけど。僕はあいつについて行っただけで、特に城好きにはならなかったですね(笑)」

――ほったらかしにした先輩たちの洗濯物が、クサくなってそうです(笑)。

「すごく大変」195cmのパンツ選びは?

――パンツはG-Star RAWのスウェットです。このアイテムを選んだ理由は?

「DIESELのジョグジーンズと迷ったんですが、一度スウェットを着たらもう抜け出せない(笑)。以前は、おしゃれは我慢してもするものと思っていたけれど、最近はスポーツ選手として、私服で体を疲れさせたらいけないと思っています」

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――身長が195cmあると、パンツ選びが大変そうです。

「本当にもう……大変です。丈が足りなくて困ります。最近、短パンが流行ってるでしょう? 僕も履きたいけれど、太腿が大きいからラグビー選手が履いてるスパッツみたいになるの。ぴっちぴちで、お尻もプリッと出てて、私服のシルエットじゃない(笑)」

――今日はナイキ・エアマックス95の白を履いてきていただきました。これを選んだ理由は?

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「クッション性が良くて履きやすい。僕は単色の靴が好きなのですが、これはシンプルでどんな服にも合わせやすい。エアマックス<AIR MAX>は95か97で迷うけれど、僕は95の見た目が好きです。普段から『ナイキ(NIKE)』の靴を履くことが多いですが、それ以外だと『ニューバランス(NEW BALANCE)』と『アディダス(ADIDAS)』のスタンスミス<STAN SMITH>をよく履きます。子どもが生まれる前までは革靴やロングブーツを履いていたけれど、子どもができてからはいきなり走らないといけないシーンが増えて、スニーカーばかり履いています」

シーホース三河・根來選手の人生で、一番良かったこと

――根來選手の大きな手に、個性的なシルエットの腕時計が似合っています。どこのブランドですか?

「パネライです。結婚したら買えなくなるかもしれないから、独身のあいだに買っておいた(笑)。家具や家電も嫁に文句を言われないように、結婚する前に揃えました(笑)」

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――根來選手は、大阪エヴェッサに入団してから結婚したのですよね。

「エヴェッサと3年間の契約が決まったこともあって、プロポーズしました。数年前に親父が亡くなったのですが、僕は親父に遊びに連れて行ってもらった記憶がほとんどないんです。親父に『バスケなんて遊びや。バスケで飯を食っていくのは無理だ』と言われ続けてきた。まあ、当時のバスケ界の状況を見ると、そう言われても仕方ないけれど……。ただ、ユースの日本代表になって、パナソニックに入って、だんだん親父に認めてもらえるようになってきたんです。その矢先に、親父の病気が分かった。病気療養中の親父が、姪っ子・甥っ子の面倒を見ているのをみて、僕は長男として跡取りを見せてやりたいなって思ったんです。エヴェッサと複数年契約を結んで、少し余裕が出てきたタイミングで結婚しました。親父が亡くなる前に、息子も抱かせられた。これは、ほんまに、今までで一番良かったと思うことですね」

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自分よりも、シーホース三河のために

――さっきから後ろで岡田侑大選手が、『うんうん』ってうなずきながら聞いています(笑)。コート外の岡田選手は、チャーミングな人ですね!

「最近、岡田の私服がブランド志向になってきたんですよ(笑)。大人っぽいファッションをしていて、タートルネックを着たり、セカンドバックを持ったりして。あいつ、コートも着るんすよ」

――まだ寒いですし、コートは着ていいと思います(笑)。岡田選手が21歳、桜木ジェイアール選手が43歳と三河はチーム内の年齢差が大きいですが、32歳のベテランとして根來選手が心がけていることはありますか?

「いつもコミュニケーションをとって一つにまとまっているほうが、チームは絶対に強くなれます。試合のいざというときに何でも言い合える関係がいい。それは、国籍に関わらずチーム全員がそうなったほうがいい。僕は、ダバンテ(ガードナー)と西宮で一緒にプレーしたことがあるので、外国籍選手と日本人の架け橋になれるように意識しています。これまですごい先輩たちの元でバスケをしてきて、だんだんとチームのことを一番に考えるようになりました。若いときは、自分が活躍することにフォーカスすることが多かった」

「エアマックスは95か97で迷う……」シーホース三河・根來新之助選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.25>

――根來選手が、ある意味セルフィッシュな考え方から変わったのは、何かきっかけがあったのですか?

「エヴェッサの2年目に、キャプテンをやらせてもらったのは大きな経験でした。それまでの僕はどちらかというとガヤ芸人というか(笑)、自由にやらせてもらっていた。人生で初めてキャプテンになって、チームのことを考えて行動することが増えて、自分よりもチームのためにというマインドになったと思います。エヴェッサで一緒にプレーした琉球(ゴールデンキングス)の寒竹(隼人)さんは、チームを裏方から支える人でした。チームのために動く寒竹さんの姿を見れたのは大きかったです」

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どんなときも、準備をして待つ

――今シーズンの三河は、1チームでオールスターができそうなくらいリーグで主役級の選手が集まっています。最初にチーム編成を聞いたときはどう思いましたか?

「ものすごく個性の強いチームになるな、とんでもないぞと(笑)。僕はその個性をうまく回すというか……潤滑油のようになればいいと思っていました。オフェンス能力はオールスター級なので、僕は違うところで体をはったプレーをしようと思ったし、パスが回ってきたら決め切って試合をいい流れに持っていこうと思っていた。うまくチームが回らないときこそコミュニケーションをとって、お互いにフラストレーションをためさせないようにするのも僕の仕事だと思っています」

「エアマックスは95か97で迷う……」シーホース三河・根來新之助選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.25>

©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.

――タレント揃いのチームの中で、外国籍選手とポジション争いをする根來選手は、プレータイムを伸ばすのが難しそうです。今は、どういう気持ちでバスケに取り組んでいますか?

「もちろん、プロバスケ選手として試合に出たいです。ただ今は、応援してくれるファンやスポンサーの皆さんに少しでも良い試合を見せるために、コートに出る選手を盛り立てるのも仕事だと考えています。試合に出たい気持ちを我慢するというよりも、たとえ1分でも出たときにがんばろうという気持ちでいる。プレータイムをもらうためにはコーチの求めるバスケを体現するのが一番だと思っているので、いつ出ても求められるプレーができるように、どんなときでも準備をしています」

「エアマックスは95か97で迷う……」シーホース三河・根來新之助選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.25>


トップス:Acne
パンツ:G-Star RAW
シューズ:ナイキ

シーズン序盤、チームがなかなか噛み合わず苦労しているようにみえたシーホース三河ですが、昨年12月22日の北海道戦に勝ってから一気に9連勝し、本来の強さを見せはじめています。三河のベンチパフォーマンスを見ていると、仲間の良いプレーに全力で喜ぶというシンプルな応援方法は心強いものだなあと感じるはず。

美味しいごはんと親切な会場案内、クールな選手入場演出や、2019-20シーズンタレント契約を結んだタツヲのシュールなハーフタイムショーなど、三河のホームゲームは見どころがたくさんです。ぜひ一度、会場に足を運んでみてください!

文:石川歩
写真:藤原萌
取材・写真協力:シーホース三河
※この記事は、2月12日に取材したものです

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