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五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

2020.09.07

新潟県長岡市をホームタウンに活動する新潟アルビレックスBB。2000年に日本初のプロバスケットボールチームとして発足し、今シーズンで20周年をむかえます。

昨シーズンは13勝28敗と負け越していたところで、新型コロナウイルスの影響拡大によりリーグが中止。中地区4位でシーズンを終えました。オフシーズンに積極的な選手補強を行い、2020-21シーズンはロスター12選手中8選手が新加入という新しいチームに生まれ変わりました。

今回は長岡市出身、アルビBB広報として3シーズン目をむかえる宮明日香さんに話を聞きました。

五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

新潟アルビレックスBB 広報の宮明日香さん

五十嵐圭選手のイタズラは、チームのため?

――アルビBBといえば、“新潟の顔”五十嵐圭選手がいます。宮さんから見て、五十嵐選手はどんな人ですか?

「ブースターの皆さんにはバレていると思いますが、とってもイタズラ好きな人です。本人は、イタズラはコミュニケーションのひとつと言っていますが……どうでしょうか(笑)。オンとオフがはっきりしている選手で、練習中はベテランとして言うべきことをハッキリ言いますが、練習が終わるとすぐにイタズラに取りかかります(笑)」

五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

(C)NIIGATA ALBIREX BB

「印象に残っているイタズラは、圭さんが練習後に使ったテーピングカッターを(石井)峻平選手のカバンにポンと入れたことです。峻平選手はそれに気がつかず、次の日のアウェー戦の飛行機移動でセキュリティに引っかかって焦っていました。周りの選手は『圭さんがやったな……』と思っているのですが、圭さんは何も言わないんです。逆に『なんで気がつかないの』って感じで(笑)。これこそが“ザ・五十嵐圭”、圭さんにしかできないチャーミングなコニュニケーションです」

五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

(C)NIIGATA ALBIREX BB

――空港で焦っている石井選手と、クールに見守る五十嵐選手が目に浮かびます(笑)。イタズラっていう直接的なコミュニケーションは、新加入選手が多い今シーズンのアルビBBには必要かもしれません。

「ただ、今のところ圭さんは様子見をしているんです。新しく入った若手選手に聞いても、まだ圭さんにイタズラされていなくて。若手選手には『勇気を出して、逆に圭さんにイタズラを仕掛けてみてよ』と話しています(笑)」

新潟アルビレックスBB、バスケ以外も頼りになるメンバーが入団する

――他に、宮さんが注目してほしい選手は誰ですか?

「今シーズンはキャラの濃い選手が集まって選びきれないのですが、大矢孝太朗選手はすごく身体能力が高くて、軽々とダンクをするような選手です。昨シーズンはJR東日本秋田ペッカーズでプレーをしていて、今シーズンがプロ初挑戦です。本人はB1にふさわしいプレーをするという思いが強いのか、誰よりもヘッドコーチの意見を真剣に聞いているイメージがあります」

五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

(C)NIIGATA ALBIREX BB

「あと、柏倉哲平選手すっごく面白い人です。先日『NiziUの縄跳びダンスを選手が踊ってみた』という企画をしたのですが、かなりの無茶振りにも関わらず柏倉選手はノリノリで踊ってくれました。バスケと直接関係のないことを選手にお願いするときは私も緊張するのですが、柏倉選手が来てくれていろんな企画がやりやすくなりました(笑)」

福田将吾ヘッドコーチ、就任動画秘話

――今シーズンのアルビBBは指揮官も変わります。福田将吾ヘッドコーチは36歳と若いですが、アメリカのチームでもコーチをしていた経験豊富な方です。

「福田ヘッドコーチは見たままの誠実な人です。目標に対する明確なビジョンがあってそれをすべてチームに共有してくれるので、新加入の選手が多いにも関わらず一気にチームがまとまりました。今シーズンは、選手一人ひとりの勝利への意識を強く感じています」

五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

(C)NIIGATA ALBIREX BB

――宮さんだから知っている、福田HCの意外な一面を教えてください。

「ヘッドコーチ就任のプレスリリースを出すタイミングでコメント動画を撮らせてもらったのですが、福田ヘッドコーチはコメント内容をメモ帳に書いてきてくださったんです。まずはそれに驚きました。私はそのメモとカメラを持って撮っていたのですが、6回も撮り直しまして(笑)。私は腕がプルプルしてきて『そろそろ終わるかな?』と考えていました(笑)」

五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

(C)NIIGATA ALBIREX BB

日本初のプロバスケチームが20年間で培ったものは?

――宮さんはアルビBBのホームタウンである長岡市出身です。もともとバスケが好きで広報職に就いたのですか?

「実は、バスケを生観戦したのは2016-17シーズンの終了間際なんです。その試合が、アオーレ長岡に横浜ビー・コルセアーズをむかえた一戦で、圭さんが残り2秒でロングブザービーターを決めて勝った試合でした」

「あんな試合を見せられたらハマるしかなくて(笑)、それまではバスケに携わる仕事をするとは思っていませんでしたが、ご縁をいただいてアルビBBで広報をすることになりました」

――宮さんが感じているアルビBB広報のやりがいはなんでしょうか?

「さっきも信号待ちをしていたら『アルビBBの宮さんですか?』と声をかけてくださった方がいたのですが、そんなふうに選手でもない私を知ってくださるくらいにブースターさんが深くチームのことを見ていてくれるのがうれしいです。アウェーでも必ずオレンジのユニフォームを着たブースターさんがいて、それがとても仕事の励みになっています」

――アルビBBは、日本初のプロスポーツチームとして発足して20周年をむかえました。広報として、その歴史を感じることはありますか?

「アルビBBのブースターさんは温かい方が多いんです。昨シーズンは勝ち星の少ないシーズンでしたが、それでも会場にきて選手を支える応援をしてくれました。その温かさの根本にあるのは、日本初のプロスポーツチームとして発足してから培ってきたブースターさんの思いだと思います。私は、アオーレのブースターさんの歓声が日本一だと思っています」

五十嵐圭選手のイタズラはコミュニケーション?【Bリーグ広報のてまえみそ<新潟アルビレックスBB編>】

(C)NIIGATA ALBIREX BB

「今シーズンは20周年という節目なので、ホームゲームの演出やフードブース、会場前広場はガラリと雰囲気が変わります。ブースターの皆さんが驚くようなワクワクのある会場になりますので、ご期待ください!」

取材・文:石川歩
取材・写真協力:新潟アルビレックスBB

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