0

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

2021.03.26

島根県をホームタウンに、現在B1西地区で戦っている島根スサノオマジック。Bリーグ初年度にB2からB1に昇格し、1シーズンでB2に降格するも、2019-20シーズンにB1に復帰しました。今シーズンは、序盤にヘッドコーチが退任してなかなかチームがまとまらない様子もありましたが、少しずつ勝ち星を伸ばし西地区5位につけています(2021年3月26日時点)。島根県唯一のプロスポーツチームとして地元の期待度は高く、2019年からは株式会社バンダイナムコエンターテインメントがチーム運営に参画。今回は、Bリーグ初年度の2016年からスサノオマジックの広報を務める山下真奈さんにお話を聞きました。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

2016-17シーズンから島根スサノオマジック広報を務めチームの変遷を見てきた山下真奈さん。ファンクラブ関係とチアスクール補助も兼務し忙しい日々をおくっている

 

杉浦佑成選手の車がカッコいい理由

 

――第24節のサンロッカーズ渋谷戦は強敵相手にオーバータイムで勝利! 面白い試合でした。スサノオマジックはだんだん調子を上げてきているように思います。

2020年10月31日付でヘッドコーチが退任して、選手にとっては途中で指揮官が変わるのはとても大きな出来事だったと思います。その後、チームがどう進んでいいのか分からなくなってしまったというか……、心が離れてうまくプレーができない試合があって、私から見て少しチームがばらばらになってしまった感じがしました。その状態の時に北川弘キャプテンを中心に話し合いをして、もう一度自分たちを見つめ直して結束力を高めていきました。この雰囲気を言葉で表現するのは難しいのですが……選手全員がもう一度自分たちの目標を確認して、今は新しいヘッドコーチの元で目指すチームの方向性を全員が理解しながら新しい一歩を踏み出したと感じます。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

――いま、山下さんが広報として特に注目してほしい選手を教えてください。

まずは、日本人エースの杉浦佑成(すぎうらゆうせい)選手です。遠征で荷物を率先して持つなどオフコートでは気配りを優先していますが、試合ではエースを任されているので自分から前に出てプレーをするのが大切だと分かって行動しています。おそらく本来は控えめな性格の選手だと思いますが、試合ではエースとして意識を切り替えているようです。オフコート・オンコートに限らず、杉浦選手は常に様々なことを吸収しにいっているイメージがあります。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

――以前、サンロッカーズ渋谷在籍時の杉浦選手にインタビューをさせてもらいました。飾らない優しい人という印象があります。

私が個人的に杉浦選手を良いなと思うのが、もっとカッコつけてもいいのにそれをしないところです。いつもすごく自然体でいる人で、たとえば、杉浦選手はオフコートの謙虚な姿からはちょっと想像がつかないカッコいい車に乗っているんです。不思議に思って聞いたら、「実は自分で決めた車じゃないんです」と。(サンロッカーズ)渋谷にいた時にエコカーを買おうとしたら、先輩の満原(優樹)選手に「プロならもっとカッコいい車に乗れ」と言われてエコカーをやめてカッコいい車を買ったそうです(笑)。先輩の言うことを謙虚に聞いて、それを買っちゃうあたりが杉浦選手らしくて良いと思いました。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

試合の日は髪型をセットする選手が多いのですが、杉浦選手はいつも自然のままでコートに出ているなと思って、どうして髪をセットしないのか聞いたんです。そうしたら、実は毛量をおさえる程度にセットしているそうで、杉浦選手らしい小さなこだわりを知りました(笑)。

――チャーミングな人ですね。これからは杉浦選手の髪型もチェックします(笑)。前へ前へという選手ばかりでなく、杉浦選手みたいなキャラクターがいてチームが出来ていくのですね。

杉浦選手は島根にきてチームでの役割が変わったので、渋谷にいた時と今ではまた違うキャラクターに移っていると思いますが、しっとりと自分らしさを持ちながら良い味を発揮しています(笑)。島根に来て、また一つステップを上がっていく選手だと思います。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

入団当初は、島根で初めての日本代表候補がくるということで、代表を背負う選手はどんな人だろうとドキドキしていたのですが、196cmという身長と可愛い声のギャップに驚きました(笑)。ファンの皆さんからも同じような反応があって、あの可愛い声が杉浦選手の一つのチャームポイントだと思ってくれているようです。

 

練習帰りの後藤翔平選手がする“鉄則”は?

 

――もう一人、注目選手を挙げるとしたらどの選手でしょうか?

あえて一人に絞るなら、後藤翔平選手でしょうか。チームが初めてB1に昇格したシーズンに当時B3の金沢武士団から移籍してきた選手で、歓迎の声と同時に辛口のコメントもあって後藤選手も辛かったと思います。でも、この4年間で毎年ファンが増えていて、今では“島根のバスケを体現するのは後藤”というところまで成長しました。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

――広報さんだから知る後藤選手の意外な素顔を教えてください。

後藤選手は泥臭いプレーで男らしいイメージがあると思うのですが、ちょっと神経質な一面があるところでしょうか。遠征先のホテルでは後藤選手だけが別フロアに泊まっているのですが、理由が後藤選手のいびきがうるさくて他の選手に迷惑をかけてしまうと思っているのと、後藤選手自身もちょっとした物音で起きてしまうかららしいです。

あと、後藤選手はとてもきれい好きで、練習から帰ったら玄関で必ず靴下を脱いでお風呂に直行する鉄則があるそうです。以前チームメイトだった渡邊翔太選手(現西宮ストークス)は、靴下を脱がずに後藤選手のベッドにダイブしてしまったため、そこから後藤家を出禁になったそうです(笑)。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

 

“エンタメのプロ”の参画で変わる島根スサノオマジック

 

――2019年8月にバンダイナムコがスサノオマジックの運営に参画したのは、Bリーグの大きなニュースでした。エンタメのプロが参画したことでどんな変化がありましたか?

遠征時のホテルや食事のグレードが上がるなど選手の環境面と、ホームゲーム会場に大型4面ビジョンを入れて、モーションキャプチャや炎・スモークの演出を増やすなど見せ方の部分が変わっています。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

島根はプロスポーツチームがスサノオマジックだけですし、県内にはライバルになるエンタメも少なくて、アンケートをとると初めて観戦した方でもう一度試合を見たいと回答した方は99.6%にのぼりました。バンダイナムコがチームに参画してくださっているので、今後はバスケに興味のない方にも関心を持ってもらえるような会場演出や、バスケとは関係のないところとコラボレーションしてチームに注目を集めるなど、会場に足を運ぶ最初の一歩を様々な角度から後押しできると思います。

杉浦佑成選手と後藤翔平選手の“意外な素顔”は?【Bリーグ広報のてまえみそ<島根スサノオマジック編>】

©SHIMANE SUSANOO MAGIC

――お話を聞いていると、山下さんはオンコートもオフコートも選手へのまなざしを行き届かせているように感じます。スサノオマジックの広報を5シーズン経験して、山下さんはどこに仕事の魅力を感じていますか?

人の大切な、人生の一場面に携わることができるのがこの仕事の魅力だと思っています。選手もファンの方も、島根スサノオマジックを通して人生の中のすごく大切な時間を過ごしていて、その時間や空間を一緒に作れることにやりがいを感じます。

Bリーグ初年度にB1初昇格をした瞬間は、選手もファンの方も涙を流しながら大歓声をあげました。今でも、あの瞬間のいろんな表情が目に焼き付いています。なかなかこんなドラマに携われることはないと思うので、そういう時間を一緒につくっていけるのが嬉しいんです。

取材・文:石川歩
取材・写真協力:島根スサノオマジック

KEYWORDS