0

「勝負靴はAJ12 だった」茨城ロボッツ・山口颯斗選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.50>

2024.02.14

Bリーグ×ファッション連載50回目は、茨城ロボッツ山口颯斗(やまぐち・はやと)選手が登場。栃木県生まれ、195cmの山口選手は、筑波大学3年の時にインカレで優勝し、宇都宮ブレックスと特別指定選手契約を結びました。その後、レバンガ北海道を経て2022年から茨城ロボッツに所属しています。機動力が持ち味のオールラウンダーで、チームの主力として活躍中です。

エアジョーダン12で験担ぎをしてきた

――今日は、Nike Air Jordan 1 High OG “Lost & Found/Chicago”を履いています。どうやって手に入れたのですか?

ナイキSNKRS(スニーカーズ)の限定アクセスが送られてきました。これは噂ですが、エアジョーダン1の抽選に10回以上落選した人に、限定アクセスが送られてくると聞きました。このスニーカーが当たったことで、大学から抽選を続けてきた努力の積み重ねが開花しました(笑)。

「勝負靴はAJ12 だった」茨城ロボッツ・山口颯斗選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.50>

――大学生の時から抽選を続けているのですね!

SNKRSで抽選できることを知ってからは、ずっとやっています。大学3年の時に、ブラックとゴールドのエアジョーダン12が当たりました。それから、エアジョーダン12は絶対に勝ちたい勝負の日に履いていくスニーカーになって、大学3年のインカレで優勝した時も履いていました。

――山口選手は、験担ぎを大切にしているのですね。

スニーカーだけは、縁起を気にしています。今シーズンの開幕戦も、信州(ブレイブウォリアーズ)戦にエアジョーダン12を履いていったのですが、延長戦で負けてしまった。もう5年くらい履いているので、エアジョーダン効果が薄れてきたのかなと思って、信州戦の後から封印しています。縁起を気にしながら履くよりは、履かないことを選びます。

「勝負靴はAJ12 だった」茨城ロボッツ・山口颯斗選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.50>

ⒸIBARAKI ROBOTS

プレ値のスニーカーには手を出さない予定

――今日は、STUSSYのトップスとパンツです。STUSSYを選んだ理由は?

STUSSYは、大きなサイズがあるので選んでいます。服は最初に大きなサイズがあるかどうかを見て、サイズがあったら好きなデザインを探していきます。今日のインナーはユニクロです。ユニクロは、オンラインで大きなサイズがあって便利です。だいたい3XLを買っています。
バッグや雑貨は、ロエベが多いです。ショルダーバッグ、キーケース、カードケースはロエベで揃えています。最近になって、財布はロエベからマルジェラに買い替えました。

――今日のコーディネートのポイントは?

今日は色づかいを意識しました。スニーカーを先に決めて、スニーカーの赤に合わせてカーディガンを選びました。パンツが濃い色だと全体が暗くなるので、少し明るめのオリーブ色にしました。服でいつも気をつけているのは、座った時に袖丈とパンツの裾が短くならないようにすることです。

「勝負靴はAJ12 だった」茨城ロボッツ・山口颯斗選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.50>

――身長が195cmもあると、日常生活では不便なことが多そうです。

よくあるのは、頭がぶつかるパターンです。電車のつり革に頭がぶつかるので、つり革を吊り下げている鉄の棒に掴まっています。おじいちゃんの家など古い家は天井高が低いので、よく鴨居に頭をぶつけています。
最近だと、羽毛布団に困っています。縦幅210cmと書いてありますが、寝ると足がはみ出てしまうんです。布団を斜めにして、ぴっちりと伸ばして体にかけています。少しでも布団がズレると足が出て寒いので、ピシッと姿勢を真っ直ぐにして寝ています(笑)。

――山口選手は、バスケの名門・筑波大学に進学しました。学生時代もバスケで忙しかったと思いますが、ファッションを意識しはじめたのはいつですか?

父親も身長が高いので、大学2年くらいまでは父親の服をもらって着ていました。昔のGUCCIの服もあって、それは今でも着ています。でも、大学2年の頃から裾が足りなくなってきました。

「勝負靴はAJ12 だった」茨城ロボッツ・山口颯斗選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.50>

もともとスニーカーが好きで、スニーカーだけは自分で買ったものをたくさん持っていたんです。大学2年で父親の服が小さくなったタイミングで、スニーカーに合う服がないことに気づきました。それまでは合わせる服がないから、シンプルな黒のエアマックス90ばかり履いていたんです。それから、持っているスニーカーに合う服を探しはじめました。今日のSTUSSYのカーディガンも、このジョーダン1に合う服を探していたところで見つけて、一目惚れして買いました。

――今後、狙っているスニーカーはありますか?

これから出ると言われている、トラヴィス・スコットとナイキ エアジョーダン1 ローのコラボは欲しいです。もしも当たって、手元に届いたら嬉しくて発狂するかもしれません!

ただ、僕はスニーカーはプレ値では買わないようにしています。やっぱり、当たった優越感を大切にしたいです。だから、トラヴィスとコラボしたエアジョーダン1レトロハイのモカは、買うのを我慢しています。めちゃくちゃ欲しいので、もしかしたら主義をひっくり返してプレ値に手を出しているかもしれませんが(笑)。

「負けることに慣れてはいけない」

――今シーズンの茨城ロボッツは、開幕10連敗と厳しいスタートでした。連敗中は、どんな気持ちで次の試合に向かっていたのですか?

今さら何かを変えられる状況ではなかったので、「やるしかない」という思いでした。最初に連敗が続いていた時は、本当に悔しくて悔しくて仕方がなかった。でも、途中から連敗に慣れている自分がいたんです。群馬(クレインサンダーズ)のゲーム1で負けて8連敗した時に、負けることに慣れて、悔しがっていない自分に気がつきました。これは良くないと思って、群馬とのゲーム2に気合を入れて臨んだけれど負けてしまった。その後、長崎(ヴェルカ)のゲーム2で勝ちました。群馬に連敗した日が、僕の中でターニングポイントになりました

――山口選手の中で、何が起きたのですか?

レバンガ(北海道)にいた時に、(橋本)竜馬さんが言っていた「負けることに慣れてはいけない」という言葉を思い出しました。レバンガにいた頃の僕はルーキーで、竜馬さんの言葉が理解しきれていませんでした。でも、群馬に連敗した日に、竜馬さんの言葉が身にしみて実感できました。

おそらく、バスケ人生の中で負けに慣れてしまうことはあるんです。その時に、自分で負けに慣れていることに気づいて、自分で心身を切り替えることが必要なのだと思います。

「勝負靴はAJ12 だった」茨城ロボッツ・山口颯斗選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.50>

――山口選手は、どんな状況でもポジティブにチームを引っ張っているイメージがあります。ポジティブな言動は、山口選手持ち前の性質ですか? それとも、意識して振る舞っているのでしょうか?

ポジティブなのは、僕が元々持っている性質もあります。でも、やっぱり一人でいるとネガティブになることがあります。そういう時は、寝る前に「今日のプレーは良くなかった」と考えてしまうけれど、朝起きたら「次は、こういうプレーをしよう」と、先のことを考えるようにしています。ミスをすることはあるし、良くないことも起きます。ネガティブなことを引きずっていても、仕方がないです。

――それでも、嫌なことが頭から離れないことはあります。そんな時間を乗り越えるアドバイスはありますか?

本当にキツイときは、悪いことを忘れるようにしています。そのために、僕はサウナに行きます。サウナに入っていても、たとえば「あの判定はむかつくな」と考え続けてしまいます。でも、水風呂に移動すると「自分が怒りのマインドでいるから、こんなにムカついているのかもな」と冷静になっていく。外気浴の頃には、「やっぱりオレのファウルだったかもな」と、悪いことを客観的に見て、切り替えて考えるようになります。大切なのは、一人でサウナに行くこと。誰かと一緒に行くと、その人と楽しいことを考えてしまうから。一人で行って考えて、頭の中まで外気浴で冷やすことが大切です。

「勝負靴はAJ12 だった」茨城ロボッツ・山口颯斗選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.50>

Tシャツ:STUSSY
パンツ:STUSSY
スニーカー:ナイキ

取材・文:石川歩
写真:白松清之
取材協力・写真提供:茨城ロボッツ